国内でも入手できるようになったか。
VGAとSSDの合わせ技
以前、当Blogでも欧州で発売されたという記事を書いたことがあるが、ASUSよりビデオカードにSSDを搭載できる製品が発売された。
当初は前述のように欧州での発売だったワケだが、どうも国内でも入手できるようになったらしい。
正式名称は「Dual GeForce RTX 4060 Ti SSD OC Edition 8GB GDDR6」という製品で、GPUにGeForce RTX 4060 Ti(8GB版)を搭載し、その背面にGen5対応のM.2スロットを搭載している。
驚きなのはGen5対応だという事。
前述の以前の記事でもGen5で動作させられるのでは? と予測したが、本当にGen5で動作させられるらしい。もっとも、組み合わせるマザーボード側の対応は必要とは思うが。
ただ、これが実現できる環境というのは、かなり限定的な状況のようで、現時点ではASUSの対応マザーボードであり、UEFI/BIOSを最新版にアップデートし、そのUEFIメニューでPCI Express x16スロットの動作モードを変更する事ができないとSSDが有効化されないようである。
おそらく、PCI Expressのレーンを同一スロットの中で分割する事になるので、信号の内部切り分けができないとダメだ、という事なのだろう。
VGAクーラーでSSDも冷やす
このビデオカードにSSDを搭載して動作させるというのは、PCI Expressのレーン数を活用しようという試みである事は間違いないのだが、それに留まらずビデオカードのクーラーを利用してSSDの冷却もしようという試みでもある。
つまり、ビデオカードのクーラー能力としてGPUを冷却する以上の性能を持たせる事で、その余剰能力でSSDの冷却もしてしまおうという事である。
そのせいもあって、ビデオカードに搭載できるSSDはヒートシンクがないものに限られる。それは単純にビデオカード厚の問題だけの事かもしれないが、そもそもビデオカードに搭載されているクーラーはGPUを冷やす為に巨大なヒートシンクと冷却ファンが搭載されているので、SSDの冷却をするには持て余す冷却能力であるため、SSDのヒートシンクは不要という事と思われる。
では、実際動作挿せるとその熱問題はどうなるのだろうか?
恐ろしく冷える
さて、実際に「Dual GeForce RTX 4060 Ti SSD OC Edition 8GB GDDR6」にGen5のSSDを搭載して動作させた時、その性能や熱はどのような状況になるのだろうか?
それを検証したレビューが上記になるが…なんと、マザーボード直のデータ転送速度よりも高速な結果が出てしまった。
これはおそらくビデオカードに使用するPCI Express端子の速度が通常のM.2 SSDのスロット速度を凌駕するからではないかと予想する。
また、発熱に関しても、さすがはGPUのクーラーである。SSDの温度などものともせず、ガンガン冷やすようで、GPUのみの時の温度と変わりのない温度状況になっている。
しかもそれはGPUとSSDを共に動作させても変化がないというのだから、その冷却性能は間違いのないもの、と言えるだろう。
この観点から考えて、M.2 SSDのスロットが足りない、という人は、ASUS製の対応マザーボードが必要というのはあるが、このビデオカードを利用してストレージを追加するというのもアリなのではないかと思う。
ま、ミドルタワーのような筐体のPCを利用する人にはこのメリットはあまりないかもしれないが、小型PCであれば、その意味は大きいのではないかと思う。