基本原則を受け入れる覚悟はあるか?
貯蓄できる期間がなかった
表立って見えていた部分の親の借金を完済したのが2021年の夏前の事。
親が長年にわたって自転車操業状態で返済してきたものを何とか一本化、支払いは私の収入から返済を続け、ようやく完済の目処を付けた。
それから3年半が経過したが、2年前より母親が要介護者となり、ようやく貯蓄に回せると思っていた資金は介護費用に消えてきた。
要するに、今の時点で私は自分の貯蓄に回せる資金などほぼないという状況に陥って居待っていて、その中から何とか捻出してNISAを半年前に開始した。
旧つみたてNISAで4ヶ月積み立て、その4ヶ月で旧NISAで1年間で積み立てられる上限金額の40万円を積み立て、新NISAに入って2ヶ月経過、今月でようやく3ヶ月目である。
思えば、自分の資金を貯める事ができない障害と闘い続けてきた結果で、なんとかここまで来たが、自分の今後の事を考えると不安しか残らないのが今の世の中である。
特にこの1年くらいの間で、日本での生活は厳しくなる一方である。
物価は上がるが給与はロクに上がらないという状況が、自分の未来を削っている現状を生み出していて、それを何とかしようと試行錯誤をする日々が続いている。
今の日本はなぜこんなに貧乏になったのか?
政治家が消費税を切らずにいる事が最大の原因なのかもしれないと思いつつも、今だその根本的な解決は見られていない。
だから、余計にNISAという制度に目を向けてしまうのだが、非課税とはいえ、投資なので当然そこにリスクが伴う事に違いは無い。
だが、そのリスクを背負うという事を、一体どけだけの人が受け入れられるのだろうか?
昭和の日本人は、貯金という元本保証の金利で老後が安定するという神話を信じて生きてきたところがあり、その神話を信じている人ほど、リスクを採れない生き方に馴染んでしまっている。
私の様に、リスクはついて回るもの、と知っていても、そのリスクを背負う覚悟が中途半端なままNISAで少額投資を始める者も多いのではないかと思う。
そう、投資の基本原則はリスクとリターンは表裏一体だという事。
これを一体どれだけの人が受け入れられるのか。
少なくとも、生活資金に余裕のない人ほど、受け入れがたい基本原則なのではないかと思う。
NISAを始めて半年経過
前述した通り、私には貯蓄している期間が1年ほどしかなかった。
実際には1年もなかったのだが、そこで何とか旧NISAの1年つみたて上限金額と2~3ヶ月の生活資金を何とか残した。
その結果が、今の旧NISA資金と新NISAつみたて資金になっている。内訳は旧NISAつみたてで購入した「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、そして現時点の新NISAでつみたて枠で積み立てている「楽天 S&P500インデックスファンド」になるわけだが、今の所無事に総計で+14.36%という結果でプラスに落ち着いている。
+14.36%の内訳を見るとやはり「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が強く、次点で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」となり、一番新しい「楽天 S&P500インデックスファンド」はまだまだ伸びていないという結果である。
総資産額から見てもこの結果は仕方のない所ではないかと思うが、SNSで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がベストであるとあまりにも拡散された事から、異常なまでにこのファンドを購入した人が多数いた事で、他のファンドが伸び悩むという事が起きているような気がしてならない。
一強である事が良い事なのか、それとも分散した方がよいのかに関しても、投資家でも意見が割れるぐらいで、結局は投資する人の状況によって理想が変わるという事もあり、正解が掴みづらい。
このように、自らの理想とする形もよくわかっていない人が、世間の波に押されるようにして投資を始めているというのが今の大多数の状況で、そこには投資の基本原則を受け入れる覚悟など微塵も入る余地がない、という人ばかりではないだろうか?
貯金していてもダメだという事は理解していて、だからこそ投資の機運に乗る必要があると頭で分かってはいても、投資の基本原則を本当の意味で受け入れられている人は、少数派だろうと私は思っている。
正直、私自身もその中の一人だろうと思っている。
今後、どうするか?
NISAのつみたて枠での積み立て投資は、今後も継続していく事は続けていこうと思っているが、問題は今のままでは思った程の効果を得られる資産形成にはならないという事である。
もともとが余裕のないところでの投資の開始なので、つみたて額もそして時間すら味方に付けられていない状況にある。
このような状況下での資産形成なのだから、効果が弱いのは言う迄も無い。
ではこの先どうするのか?
基本原則に立ち返り、リスクをとるしかない…リスクの裏返しがリターンである以上、大きなリターンを得るには、大きなリスクをとって投資していくしかない。
一番忘れてならない基本原則の部分に固執するあたまり、資産形成していく上での制限を自らに課している状況では、たしかに自分の中に大きな変化をもたらす事はできないのだろう。
ではどの程度のリスクを背負えばよいのか?
リスクの背負い方にもいろいろあるはずだ。
FXに手を出すのか、それとも個別株に手を出すのか? 個別株でも国内なのか、海外なのか、等々、選択肢はかなり多い。
せめて要介護者の母親がいなければ、もっと自由にリスクを背負って試せるが、母親はまだ顕在で介護はまだまだ続いていく。この介護で必要となる資金は最低限ないとは私ではなく母親が困る事になるので、リスクのとり方を考える必要がある。無理はそもそもしてはいけないが、私一人での生活よりも安全マージンを広くとる必要がある。
果たして、この複雑かつ必要知識の多い状況で、私は自分に適した回答を得る事はできるのだろうか?
生きる事の難しさがどんどんと高まっている。
自分の最適解が何なのか?
それを考えるには、今の日本人はもっと金融知識が必要なのでは無いかと、改めて感じる。