高解像度への道

 株式会社NECエレクトロニクスが、NECの中央研究所と共同で低解像度の映像を拡大表示時に高画質化する技術を開発したと発表した。
 この技術を利用する事で、ワンセグ放送の320×240ドットという解像度を800×480ドットのWVGAクラスにしてみたり、720×480ドットのDVD画質も、6倍の解像度となるフルHDテレビで鮮明に表示可能になる…と言う。
 正に夢のような技術!と言いたいところだが、実はこの具体的技術は確かに初めての事なのだが、私からすると構想そのものはずっと前に聞いたことがある。
 私がその構想を聞いたのはまだSCEに久多良木氏が在籍していた時の話だ。
 久多良木氏はPS3の開発期に、ネットワークで低画質な映像を取得した後、PS3のCellで映像を高画質化し、HD解像度で表示するといったコメントをしていた記憶がある。
 これは単純にDVDをアップスキャンコンバートするという意味ではなく、映像そのものを解析して高画質化する際に、Cellの演算力は非常に強力なデバイスになるといったコメントだったと思う。
 今回のNECエレクトロニクスの発表は、久多良木氏が考えていた手法とは違うだろうが、アプローチは同じなのではないかと思う。
 アルゴリズムの研究が進めば、既存のSD画質の映像が全てフルHD化なんて事も夢の話ではないだろう。
 これからの普及が楽しみな技術だ。
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NECエレ、低解像度映像を高画質化する「超解像」技術

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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