株式会社NECエレクトロニクスが、NECの中央研究所と共同で低解像度の映像を拡大表示時に高画質化する技術を開発したと発表した。
この技術を利用する事で、ワンセグ放送の320×240ドットという解像度を800×480ドットのWVGAクラスにしてみたり、720×480ドットのDVD画質も、6倍の解像度となるフルHDテレビで鮮明に表示可能になる…と言う。
正に夢のような技術!と言いたいところだが、実はこの具体的技術は確かに初めての事なのだが、私からすると構想そのものはずっと前に聞いたことがある。
私がその構想を聞いたのはまだSCEに久多良木氏が在籍していた時の話だ。
久多良木氏はPS3の開発期に、ネットワークで低画質な映像を取得した後、PS3のCellで映像を高画質化し、HD解像度で表示するといったコメントをしていた記憶がある。
これは単純にDVDをアップスキャンコンバートするという意味ではなく、映像そのものを解析して高画質化する際に、Cellの演算力は非常に強力なデバイスになるといったコメントだったと思う。
今回のNECエレクトロニクスの発表は、久多良木氏が考えていた手法とは違うだろうが、アプローチは同じなのではないかと思う。
アルゴリズムの研究が進めば、既存のSD画質の映像が全てフルHD化なんて事も夢の話ではないだろう。
これからの普及が楽しみな技術だ。
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NECエレ、低解像度映像を高画質化する「超解像」技術
2008/05/14 • no comments