FDA査察の初日が終わった。
言葉の壁を超えて…
いよいよFDA査察が本日始まった。
入念に準備した…とは言い切れない側面はあるものの、自分自身で出来る限りの事をやった準備での迎撃作戦は、かなりの部分で番狂わせがあったものの功を奏して、最終的には上手くいったと言える結果だったように思う。
通常、こうした査察では、重箱の隅をつつくようなチェックが各所に入るのだが、実際問題、結構そうした細かい指摘は各所に存在した。
しかし、査察官はそれを大きな事としては捉えず、結果、重大な問題がそこに存在していなければ、それを指摘事項として取り上げることはなかった。
結果、初日の指摘事項はゼロ。
今日確認した部分でのQMS(クォリティマネジメントシステム)は問題なく機能している、と判断された。
しかし実際問題としては、FDA査察を受けた事のある人なら知っているかもしれないが、実はFDA査察で指摘事項ゼロというのは、かなりレアなケースらしい。
それぐらい、このFDA査察というのは事なきを得るのが難しいのである。
その難しさをより際立たせているのが言葉の壁である。
通訳がいれば問題がないのでは…と思うかも知れないが、何しろ医療機器の、しかも米国の法律が絡んでくる話であるため、専門用語が理解できる通訳でないと、正しい情報が行き渡らないのである。
つまり、システムとして問題がなくても、通訳を介して説明すると、それが問題があるように誤解されてしまう事もあるのだ。
しかし、今回依頼した通訳は、米国QSR規則にも精通した通訳であり、コンサルタントも可能な通訳であるため、そうした言葉の壁を難なく超えた対応が可能だったのである。
これもまた、指摘事項ゼロという奇跡を生んだ原因の一つである。
自分の守備範囲に困る…
私は全体のシステムの説明と、問題が起きた時にどのように対処するのか? という事を明確にした是正措置と予防措置の部分を担当したのだが、そこは問題なく説明しきったし、特に問題となる部分はなかった。
だが、問題はこの是正措置という部分で、是正措置は何か問題があった場合、必ずと言っていいほど通る手順であるため、問題がココに顕在する事が多い。
というのも、社内の内部監査などで出た問題なども全て是正措置の手順を通って処理される為、とにかく記録として残る数がとても多いのである。
だからこういう査察があると、とにかく説明を求められる事が自然多くなる。
是正措置は、あらゆる部分に関与する仕組みなだけに、その守備範囲の広さに嫌気がさしてくる。
困ったものである。
今回の査察でも、結果是正措置の部分で繋がっていて、私がいろいろと説明する事が多くなったのも事実だ。
業務上やむを得ない、と言ってしまえばそれまでだが、実に面倒な部分を背負わされている。
誰か変わってくれないかなぁ…(-_-;)
さて、査察はまだまだ続く。
明日も問題なく過ぎてくれれば良いのだが…。