ビクターが単体VHSビデオデッキの生産を終了したようだ。
これが他メーカーなら話題にならないかもしれないが、ビクターであれば話題にならざるを得ない。
VHSビデオは、ビクターが世界で初めて開発し、長時間録画のメリットで世界のデファクトスタンダードになった。
累計出荷台数は9億台以上とも言われ、その初号機は1976年9月9日に発表されている。
VHSがスタンダードメディアになる際、そこにはやりはライバルがいた。
有名な話だが、SonyのベータマックスがVHSと熾烈な争いをしていた。
画質に優れるベータマックスと長時間録画が可能なVHSの勝敗の決め手は、映画を1本録画できる記録時間があるかどうか?というところが焦点となった。
まさしく、標準的放映時間の120分が明暗を分けたのである。
Sonyのベータマックスは2倍録画時間を可能としたが、VHSは3倍録画時間を可能にし、120分録画を先に可能にしたのがVHSだったワケである。
VHSがスタンダードとなった後、ベータマックスは業務用の道を進んだ。
業務用では画質が何よりも最優先になったからだ。
であるから、ベータはその後デジタル世代になってもデジタルベータとして新しい規格が生まれ、継続的に使われ続けた。
VHSも当然高画質な規格が生まれたが、画質では最後までベータ系が上回っていたとも言われている。
VHSはあくまでも民生用の地位に留まったが、それだけに流通量だけは半端ではなかった。まさにデファクトスタンダードである。
そんなVHSもとうとう終焉を迎えそうな影が見え始めた。
ビクターもDVDと組み合せた複合機ではまだVHSのデッキを生産すると言っているが、おそらくそれも長期間に渡って生産される事はないのではないかと思う。
ベータも今では見る影もないが、デジタルの波は確実にアナログメディアを消し去ろうとしている。
時代がそうさせようとしているのだから仕方がないのだが…
2008/10/27 • 2 comments
FDがCD→DVD→BDと磁性体の記憶媒体が光磁気になって更にその先へと大容量化したの同じで、膨大な情報を扱うには適さなくなったのは分かるけど、なんだか寂しいものですね。
カセットテープ時代からCDへと変遷していった私達の世代には特に感慨深いものがあるんじゃ無いでしょうか。
…例えば、公園や畑に投棄された裏返ったパッケージにキョロキョロと挙動不審に近寄ってみたりとか(爆)
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実は映像媒体にあまり興味のなかった私はVHSに特別な思い入れというのがないのです。
まぁ、カセットテープからCDというのは私的にも結構クリティカルなんですが、VHSを個人的かつ本格的に使い始めたのって、実はS-VHSからなんですよ(爆)
そう考えると私はVHSの歴史よりDVD-Rの歴史の方が密度は濃いかもしれません。
…ええ、私は変わり者ですよ、いやマヂで orz
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