妥当なところで落ち着いた、という感じか。
公式対応
昨日も話題にしたが、AMDのRyzen Threadripper(通称スリッパ)の値下げに関して、初値で購入した人への対応が正式に発表された。
AMDとして公式な対応として、1950Xを購入した人には18,000円分のクオカード、1920Xを購入した人には13,000円分のクオカードが送付される。
対象となるのは、8月30日までに旧価格でスリッパを購入した人で、購入証明が可能な人。申込期間は9月8日から9月25日までで、受付終了時から対象の人に上記の対応が行われる。
本来、製品の販売価格は販売店の裁量で決められるものであり、仮にメーカー希望小売店価格が設定されていたとしても、その裁量は変わらない。しかし、メーカーであるAMDは今回の件で噴出したユーザーの不満を考慮し、今回の対応を決めた。
恐らく、AMDから販売店への販売価格を値下げ後価格に調整せずに、最終的にAMDが得た利益でユーザーへ返金しようという方法を採ったのだろう。
ユーザーと小売店の混乱を最小限に抑えるには、もっとも手間の少ない方法を採ったものと思われる。
問題は購入証明
今回の件で一部ユーザーからすると返金対応に対してトラブルに発展する可能性がひとつある。
それは購入証明を得る為に自力で準備できなくなってしまっている人である。
例えば、購入時のレシートを保管している人は購入証明を提出するのが最も簡単である。レシートが購入そのものを証明するからだ。
また、同時にレシートではなく、別の領収書を得た人も同様に簡単に購入証明を提出できるだろう。
しかし、そのレシートを既に失ってしまっている人に関しては、どうやって購入を証明するかが問題となる。
こういう場合、店舗に再発行を願い出るという事も可能だが、そもそもその人が購入したかが分からなかったりするので、そこでも購入したパッケージ等の確認は行われるだろうし、手間も大きくかかる。
今回、AMD側は購入証明として“レシート写真、シリアルナンバーの分かるチップ表面か箱左側面の写真、及び代理店シール部分の写真”といったものを要求しているので、それらの写真を撮って送付すれば対応はしてくれるとは思うが、シリアルナンバーの写真などの場合、重なる人が他にいないかなどの確認をする必要があるため、時間はかかるものと思われる。
こういう返金対応の場合、どういう手段を執ったとしてもユーザー側の負担は変わらない為、AMDにはこういう問題の再発はぜひとも再発しないようにお願いしたいところである。
さて…スリッパはこのように対応したが、Vega56の発売翌日に5,000円引きという件に関しては対応するのだろうか?