川田工業が生産現場向けの人の上半身型の作業ロボットを開発し、今後の方針としてロボットシステムの事業化に力を入れると発表した。
川田工業と言えば、パトレイバーのデザイナーである出渕裕氏がデザインしたHRP-2などが有名だが、人型かつ小型のロボットの次なる展開を考えたとき、その方向性の一つに生産現場で労働するロボットが浮かんでくるのは必然ともいえる。
今回発表された生産現場向けの人型上半身作業ロボットは“NEXTAGE(ネクステージ)”と名付けられたロボットで、組立現場での労働を想定したもの。
ロボットの可動軸数は15(首2軸、腰1軸、腕6軸×2本)で最大可搬質量は片腕1.5kg、両腕で3kgを想定して作られている。これは主にボディ正面を作業領域として、重量1kg程度の物体を持つことができればこなせる仕事をコンセプトに開発されたものである。
現時点では人の動きの速さよりも遅いように思えるが、それは多分見た目だけ。
作業の正確性はロボットの方が断然上だし、何より複数台を連携させた時のタイムマッチは間違いなく人を超えることになる。
この動画を見てもらえば分かるが、人が近づくと安全確保のために動作が遅くなり、一定以上近づくと完全に動作を止める。しかもそれは3体同時に遅くなり、連動している事がよく分かる。
もし、これがもっと汎用性を持ったなら、少なくとも生産現場の組立に関して言えば人は不要な存在となる。必要な人間はプログラム提供を行う者と現場監督ぐらいであり、純粋な作業者はいらない存在になってしまう。
血の通わないモノ作り。
それが正しい結果なのかどうかは分からないが、少なくともこれからやってくるだろう労働力不足を解消する一つの手段であるのと同時に、人という存在が不要になる一因でもあると思う。
SF映画などではこのようなロボットに心が宿り、人間と対決するような展開がやってくるわけだが、少なくとも人型作業ロボットが人型ロボットを作り出すという世界がそう遠い世界ではなくなったように思う。
そしてそこに人が介在しなくても生産が可能になったとき、不完全な人間という生き物は正確無比なロボットと相対する事になる…とは考えすぎだろうか?
まるでブレードランナーやマトリックスの世界である。
ロボットは人のためにあり
人のために造るんだって
ロボットに創作は無理
人がロボットを使うんだぜ
機械に心をどうやって宿せるの
返信
気づくのが遅くなりました。申し訳ございません。
せっかく戴いたコメントでしたのに…
重ね重ね、申し訳ございません。
確かにロボットは人の為にあり、人の為に作るというのも分かっています。
しかし、人間の脳がどうやって思考するのか? その思考を行っている時の人間の脳内でどのような化学変化が行われているのかという事が明確に判明し、コンピュータが有機化した時、果たして考えるという行為をそれでもロボットができないと言い切れるでしょうか?
今すぐは無理でも、遠い未来では考えられない事ではない…と私は思っています。
人間は今、人間の設計図の解析を行っています。
その解析結果を利用したロボット開発が行われたとき、ロボットは無機物から有機物へと、その構成を変える時が来るかもしれません。
それが果たしてロボットというのかどうかは微妙ではありますが、少なくとも人体から生まれた人間という定義からは外れるでしょう。
そうなれば、人に変わって労働するナニかが生まれるはずであり、そちらの方が効率が良ければ人に変わる存在になる可能性もあるでしょう。
あらゆる可能性を考えれば、機械が心を宿せないなんて事も言い切れないと思います。
でも、たしかに直近の話であれば、言われている通りです。
現時点では人が介在しない事はあり得ない話でしょう。
私が「ロボット」と限定した話にしてしまったので、そのようにお考えになるのも無理のない話ではないかと思います。
私の意図からすると、ロボットをより広義で考えていたものになります。
その辺り、私の不徳の致すところだったかと思います。
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