Wii Uがいよいよ国内販売を開始した。
プレミアムセットが31,500円、ベーシックセットが26,250円と価格差はあるものの、プレミアムセットの方が同梱物を考えるとかなり格安になっている。
東京の各所でも行列ができる状態ではあったものの、他ハードの時ほどの行列にはならなかった模様。おそらく…購入に関しては困るほどの供給不足という事はないのではないかと予測する。
任天堂はハードの売り方よりもソフトの売り方が上手い為、スペックが他社より劣っていようがゲームの面白さで勝負してくる事が多い。それは3DSを見てもそう感じるし、その前のハードにしても同じである。
PS VITAが未だPSPに劣る部分があるとすれば、まさにソフトの部分であり、それは3DSと比較しても同じ事が言える。つまり、SCEは完全にソフトで任天堂に立ち後れてしまっているワケで、かつてPlayStationが世の中に出てきたときには、ソフトの魅力で今までゲームをやらなかった層にうまく売り込んだにもかかわらず、その後SCEはゲームをプレイする層にしか訴求してこなかったように思える。逆に任天堂はSCEが開拓したゲームを始めた一般層を上手く取り込んだ形となったのだから、何とも皮肉な話である。
Wii Uにおいて、私が唯一懸念するのは、そのハードウェアのスペックである。
前々から噂にはなっていたのだが、もしPS4(仮)やXbox720(仮)が登場したなら、そのスペックは一気に水をあけられてしまうものらしい。
というのも、IBMのPower 750系コアが3つという事は分かっているが、その動作クロックは約1.25GHzとPS3やXbox360の3GHzの半分以下、GPUに関してもRadeon HD系のものを550MHzで動作させている。これについてもPS3やXbox360よりも同等かそれ以下の性能という事になるらしい。
もちろん、ハードの性能=ゲームの面白さとは言わない。ゲームの面白さの本質はハードウェアの性能に依存しないからだ。だが、面白さの表現力という観点で考えた時、Wii Uが他ハードの上を行くものはコントローラーを兼ねるGamepadという事になる。もちろん、これについてもPS3&PS VITAで同等の事が出来るワケだが。
任天堂 社長が訊く Wii U
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/interview/hardware/vol1/
この事を懸念してかどうかは分からないが、任天堂自らがハードの分解をしてその内容を記事にしている。
この記事によると、MCM(マルチチップモジュール)によって、3つのCPUコアとGPUコアを一つのモジュールに搭載したと言っている。つまり、発熱するポイントを一つに集約し排熱効率を上げた…という感じだ。もちろん、各コアの距離を詰める事でデータ伝送の効率を上げたという事もできるが、それだけの熱を排熱するにはWii Uの吸排気性能は大きくない。つまり、コアの動作クロックを絞り込んでいる事は明白である。
つまり、Wii Uは現時点での頂点でしかなく、今後5年先のハードを見据えたものではない、という事になる。
だが、そんな事は当の任天堂だって分かっているハズである。任天堂はそうしたハード性能戦争に加わらず、枯れた技術…というか、その時のもっとも熟成された技術でハードを展開し、数年の間戦っていくやり方を取っているにすぎない。
ただ、ソコにちょっとした工夫を入れて斬新さを加えて、ハードの魅力としている。パワー偏重主義の人からすると物足りないかもしれないが、それでも面白いゲームを発売している事実は変わらないのだから、考え方の相違としか言いようがない。
個人的には任天堂の考え方も理解できるし、SCEやMicrosoftの考え方も理解できる。
その上で…私はWii Uを今保留にしている。
買わないとは言わない。ゲームそのものをあまりプレイしなくなっているが、どうしてもやりたい事が出てこないとも限らない為、今はまだ保留だ。
とりあえず私が欲しいと思った頃には、供給も何ら問題なくなっているだろうし、もっとカラーバリエーションも増えているかもしれない。
大丈夫だ、問題ない。うん。