三菱が液晶ディスプレイ事業から撤退して10ヶ月ほど経過した。個人的にはとても残念な発表だった。
そして蘇る三菱の技術
朗報と言うべきだろう。
I-O DATA機器が、三菱電機の液晶ディスプレイの流れを汲む“GIGA CRYSTA”シリーズの23.8型ワイド液晶「LCD-RDT241XPB」と、27型ワイド液晶「LD-RDT271XPB」を11月中旬に発売すると発表した。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格はそれぞれ39,800円前後、54,800円前後になる見込み(共に税別)。
三菱の超解像技術「ギアクリア・エンジンII」を搭載しており、開発は三菱が担当、ファームウェアをI-O DATAが受け持っているという。
I-O DATA 新商品情報
http://www.iodata.jp/news/2014/newprod/lcd-rdt241xpb.htm
http://www.iodata.jp/news/2014/newprod/lcd-rdt271xpb.htm
両モデルは、画面サイズと若干のデザイン以外の仕様はほぼ同じだから、好みに合わせればそれで良いだろう。ただ、私がお薦めしたいのは23.8型のモデル。狭額縁仕様で複数枚を並べて使用する上でかなり有利だ。
また機能的な話をすれば、両モデルともにIPSパネルを搭載しながら、オーバードライブ利用時では業界最高クラスの中間色応答速度3.2msを実現していたり、480iや1080iのインターレース信号をプログレッシブ信号に変換する3次元IP変換などを搭載していたり、ブロックノイズ低減機能、白飛びや黒つぶれを低減するエリアコントラスト、画面全体の階調を調整するダイナミックコントラスト、10bitルックアップテーブルの10bitガンマ補正などを搭載している。
これらの機能は三菱譲りの機能ばかりであり、信頼の置けるものである。
これがもし…
三菱譲りの技術を内包し、かなり高機能に仕上げられている製品ではあるが、私的にちょっと…と思ってしまう所も当然ある。
まず、解像度がフルHDであるという事。4Kならもっと高価になるだろうが、せめてWUXGAという解像度であって欲しかった。
私が今使っているディスプレイは、WUXGA(1,920×1,200ドット)という解像度なのだが、フルHDより広い縦解像度120ドット分が、使ってみればわかるがとても大きな差になるのである。
最近ではパネルの調達の関係から、なかなかWUXGAという解像度のモデルが発売されないのだが、そのあたりでもうちょっと樺って欲しかった所である。
三菱が撤退し、国内のモデルではEIZOぐらいしか選択肢がなくなった、と思っていたが、こうして三菱の技術を継承して別メーカーから発売されたという事は実に喜ばしい事である。
あとは、ピンポイントかもしれないが、細かいニーズに応えてくれるような製品作りをぜひともお願いしたいものである。