ニコ生に限界を感じたら…。
ビットレート問題
昨日までの連休の合間に、ニコ生でテスト配信を行い、いろんな設定を試してみた。
それこそあらゆる設定を試してみたと言っても過言ではないのだが、一つ確実にわかった事は、映像のエンコードに関してNVIDIA製ビデオカード内に実装しているハードウェアエンコーダ「NVENC」をニコ生では利用できなかったという事である。
NVENCはCPUでエンコードするよりは多少画質が落ちるかもしれないが、PCの負荷を極限まで減らしつつかなり良い画質でエンコードできる便利機能だが、どうもOBS Studioで利用しようとするとニコ生の配信時にブラウザとOBS Studioが連動しないという問題が発生し、利用できなかったのである。
そしてもう一つわかった事は、結局CPUでエンコードする事としてニコ生で配信テストを続けたのだが、結局より良い画質を追求する上で問題となったのは、私のPCや機材の問題ではなく、単純にニコ生という配信サイトのビットレート問題がとても大きな問題だという事である。
問題は当初の原点に回帰した、というわけである。
それこそいろいろなテストを行った結果、日中や深夜帯で許可されている480kbpsならまだマシなのだが、19:30~2:30という、平日のゴールデンタイムで許可されている384kbpsでは、とても私が妥協できる画質を維持できるものではない、という結論に至ったのである。
動きのある映像であっても、実写のようなカラーが分散しているものであれば、多少荒れていても気にはなりにくいが、特定の映像はビットレートが落ちると画質が顕著に悪くなる。私が狙っているところは、そういう現象が出やすいという事がハッキリ結果としてでてしまったのである。
なので、ニコ生は時々配信するとしても、メインとして配信するサイトを別に模索しておいた方がよいと考え、いろいろ調べ始めた。
いろいろ配信サイトはあるが…
ツイキャス、YouTube Liveなど、有名どころもいろいろあるが、専用配信ツールを使わなければならなかったり、いろいろと問題もあったりする為、もっと規模的に小さい配信サイトを探す事にした。
もともと大手で配信して人を集めようとかそういう事を考えているわけではなく、知人等に公開できればそれでいい、というぐらいにしか考えていない為、あえて大手に行く必要などないのである。
で、いろいろ条件を絞って探してみたのだが、自分的にピッタリと言えるかもしれないサイトを見つける事ができた。
cavetube
https://www.cavelis.net/
調べて見ると、個人運営という事らしいが、今の時代、個人でも配信サイトを運営できる時代なんだな…。
とりあえず、このcavetube(正式名称は“かべつべ”と呼ぶ)で配信できるかテストしてみることにした。
上記サイトに書かれている配信設定をOBS Studioに反映させてみるが…このサイトで紹介しているのはOBS Classicの設定であるため、多少アレンジしてOBS Studioの設定をする必要がある。
いろいろ試す必要があるが、このcavetubeの良いところは、配信時にテスト配信を選べるという事。10分間だけ非公開で通常配信と同じ状況で配信できるシステムで、テストページのURLを他人がアクセスすれば、普通の配信と同じように閲覧する事もできる。ただ、表にそのURLが出てこないだけ…それがテスト配信である。
で、そのテスト配信をしながらいろいろな設定を絞り込んでいくのだが、ビットレートとして1000kbpsが基準になるため、PCでエンコードさせると結構な負荷がPCにかかってくる。しかも配信解像度を852×480と、ニコ生の640×360よりも大きいため、余計に負荷が高くなる。
CPU利用率を見てみると、配信時は48%~56%程度の利用率をマークしているため、結構な負荷と言える。
この状態で映像をみてみると…やはりビットレートが1000kbpsである。格段に良くなっていて、動きもちょっと設定を調整してやればかなり滑らかにする事もできた。
これならニコ生に拘る必要なとないと断言できるレベルである。
もっと低負荷にできるか?
この設定で配信させる事ももちろん出来るのだが、この負荷を延々と続けるのもPCにあまり易しくないな、と思い、対策を考えることにした。
そこで、ニコ生の時にはできなかったがひょっとしたらできるかも…と、試しにNVENCが使えないかやってみた。
すると…なんと問題なくNVENCが利用できたのである。ちゃんとブラウザと連動もしているから配信もできるし、CPU使用率も常時20%以下と、格段に負荷が小さい事も確認できた。
しかも、見た目にCPUでのエンコードとあまり変わらない事も確認でき、映像も滑らか。これは使わない手はない、と確信した。
でもどうしてニコ生では使えなかったのだろうか?
不思議で仕方が無い…。
とりあえず、NVIDIAのビデオカードはハードウェアでエンコーダが搭載されていて、メインのグラフィックス処理はまた別で動作するらしいので、PCで例えばFF14をプレイしてそれをNVENCで配信しても極端な性能低下に繋がる事はないだろうと思われる。この辺りはまた実験が必要だが、現時点ではPS4配信においてNVENCで手軽に配信できる事は確認できた。
総合的にみて、ニコ生よりずっと使い勝手の良い配信サイトだと言える。
cavetubeのススメ
cavetubeがニコ生に劣る機能があるとすると、ニコ生はニコニコ動画と同じくコメントが動画上に流れていく仕様になっているが、cavetubeは普通の配信サイトと同じく動画右の枠内にコメントが積み上がっていくタイプである。
だからコメントのリアルタイム性のわかりやすさという面ではニコ生は圧倒的有利。
また、ニコ生はニコニコ動画の会員数が多いことから、圧倒的に宣伝しやすいという側面がある。
そこに魅力を見出すと、正直国内ではニコ生と対等以上の勝負ができるのはYouTube LiveかTwitchぐらいしかなくなってしまうわけだが、逆を言えばそれが必要なければcavetubeの方が配信レベルも高いし扱いやすいという事になる。
仲間内だけで何かしようとか思ったなら、案外cavetubeの方が見やすかった、なんて事もあるだろう。
そういう意味で、配信したいけれど無料かつ綺麗に配信してみたい、という人にはcavetubeはとても便利に使えるサイトではないかと思う。
というわけで、私の配信も基本はcavetubeで行う事にしていこうと思う。
もちろんニコ生をやらないというわけではないが、あのビットレートの低さからくる画質と、cavetubeで配信する画質を比較すると、どちらをメインにしたくなるかは明白だと思う。
しかし…こういうサーバを個人で運営できる時代ってのもスゴイもんだな(-_-;)