発売まであと1ヶ月程度?
結構魅力的
2月に入り、ようやくRyzenの姿が見えてきた。
北森瓦版
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今まで、価格でIntelに勝負してくるだろうとか、Core i7 6900Kと性能的には拮抗するだろう、とか、とにかく予測中心の、しかも噂レベルの話ばかりが先行する従来のAMD製品の流れから、信憑性が今一つの情報ばかりだったが、ここに来て纏まって形になった情報が出てきたようである。
最上位モデルはRyzen 7 1800Xという名称となり、8コア16スレッド、3.6GHzベースでBoost時に4.0GHz、に達する製品のようで、Ryzen 5シリーズは、名称こそ同じRyzen 5でも6コア12スレッド製品と4コア8スレッド製品が存在する事も判明した。
また、名称末尾に「X」が付く製品は、XFR(正式にはExtended Frequency Range)という、自動オーバークロック機能が搭載され、冷却能力に余裕のある環境だと、Boostクロック以上の速度にクロックアップする機能を持つと判明した。
前述の「Core i7 6900Kと性能的には拮抗する」と言われている製品はRyzen 7 1700Xで、最上位ではないものの、かなり上位にくる製品という事も見えてきた。但し、コイツの価格が389ドルという価格が見えている為、コストパフォーマンスに関して言えば恐ろしい程高い製品と言える。
演算機として見た場合、これらの性能はIntel製品と比べて確かに魅力的であり、期待のできる製品だが、私としてはもう一つ、搭載するアーキテクトも知りたい所。
例えばAVX関係はどうなのか? などもっと詳しい情報が知りたいところだが、流石にこれはCPU-Z等の情報が出るまでは待つしか無いかも知れない。
面白いのは低価格品か?
今回のRyzenの面白い所は、シングルスレッド性能もそこそこ高いという事。
それによって低価格品にも結構魅力的な部分が出てくる。
例えば、Ryzen 5 1400Xという製品は、AMDのRyzenシリーズでは下から4番目の製品ではあるが、その構成は4コア8スレッドというIntelで言えば上位に位置する構成と同等であり、また動作クロックも3.5GHzベースでBoost時3.9GHzに達し、XFRでさらにその上を狙える。GPUはディスクリートであるため、外付けGPUが必須だが、価格は199ドルと良い感じに安い。これでIntelの上位品を脅かす事も不可能ではない可能性があるとなれば、断然面白い製品と言える。
問題は、日本国内に入ってくると結構な価格差が生まれる事も多いため、199ドルと言えど2万円台後半になる可能性があったりもするので、そこはまだ安心できないところだが、どちらにしてもライバルのIntel製よりは安い事は間違いない。
コスト重視で考えれば、実に魅力的な性能を提示してきたな、と改めて思う。
マザーボード
さて、Ryzen本体はコレである程度目処が付いたとして、やはり次に気になるのはマザーボードの性能である。
Intel製品と同等の環境を構築できるようであれば、コストバランスから考えてもAMDを選択する人も増えてくる。
Intel製チップセットは年々その高い性能からコストが高くなってきていて、Z270搭載製品などは上位品で6万円とかいうマザーボードもざらにあったりする。
もちろんそれだけの性能を詰め込んではいるとは思うものの、自作ユーザーが減少してきた理由の一つが割高になったコストにあると思っている私からすると、ここらへんでこちらもAMDがメスを入れてくれると有り難いのだが、と思っている。
ただ、市場の傾向から考えて稼ぎどころが少なくなってきているのも事実なので、淡い期待しか持てないというのも何となく理解している。
せめてIntel製と互角なコストパフォーマンスであれば、ひっょとしたら文句は言えないのかも知れない。
Radeonもアップグレード
2017年の第2四半期になれば、今度はRadeonもアップグレードしてくる。
コードネームVegaが公開されたとき、どの程度の性能になるのかが見所だが、当のAMDからすれば当然Ryzenとの組合せを想定している事は間違いない。
となれば、Intel CPU&NVIDIA GPUの組合せを追撃する性能を持たせる事こそが命題であり、ここ最近のAMDの勢いならば、Radeonも大きな変化を見せてくる可能性もある。
一応、今の所5月にVegaが登場するという話が出てきているが、そのスペックはハイエンド製品でGeForce GTX 1080やGTX 1080 Tiに匹敵する性能と位置付けられているらしい。
ただ、現時点で噂されている性能に対してのワットパフォーマンスはまだ驚く程高いとは言えないため、その後の状況が知りたいところ。今の勢いを信じて待っていれば、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。
私がRadeonを現在ちょっと注目しているのは、ハードウェアで動画のFPS補完を可能にする機能を持っているからである。
Fluid Motionのような機能をNVIDIAのGeForce系ではあまり聞かないので、実に使い方としてもったいないと思う時がある。
そういう意味では、ゲームでは一般的とは言いにくいRadeonだが使えないわけでもないし、それよりもハードでいろんな事ができるという側面を考えると、Radeonでもアリかな、とちょっと思っている。
次期メインPC入れ替えの時には、Radeonも候補に入れてみたいと常々思っているので、こちらの動向も気にしていきたい。
とりあえずRyzenもようやく姿が見えてきて、そのパワーを類推できるようになった。これでIntelがどう攻めてくるかも見物だが…果たしてどうなる事やら。