カプコンが制作するガンダムゲームといえば、もちろんVSシリーズ。
これはガンダム(主にゲームをターゲットとした)ファンにしてみれば当然とも言える事だが、そのVSシリーズの新作が第45回アミューズメントマシンショーにて発表された。
まだ動画での公開ではなかったが、その内容を知った私はある種の失望を感じたのは言うまでもない。
とりあえず、全世代に対応した…と言うと聞こえは良いが、要するにターゲットとする世代を固定しない事で、幅広い層の支持を得たいという思惑が見え見えの内容である。
以下、その収録作品だが…
機動戦士ガンダム
機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダムZZ
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー
機動戦士Vガンダム
機動武闘伝Gガンダム
新機動戦記ガンダムW
機動新世紀ガンダムX
機動戦士ガンダム 第08MS小隊
∀ガンダム
機動戦士ガンダムSEED
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムF91
何とも節操のないラインナップである。
ハッキリ言って、作品幅を広げるなら、せめて関連した作品だけにして欲しかった…というのが私の本音である。
たとえば、初代の機動戦士ガンダムを絶対に含めなければならないとするならば、関連した作品は「Zガンダム」「ガンダムZZ」「0080」「0083」「第08小隊」「逆襲のシャア」ぐらいで、もっと枠を大きくとれという事であれば、これらに「F91」が加わるぐらいが一つの関連作品と言えるだろう。
上記関連作品は、すべて宇宙世紀つながりであるため、おそらくほとんどの人は作品幅として納得できるはずである。
「Vガンダム」だけは宇宙世紀でもかなり特殊な部類と私は見ているため、あえて外したが…もしもっと作品幅を広げたいというのなら、これら一連の関連作品に今回は含まれていない「ガンダムセンチネル」を加えればいいだろう。というか、その方がうれしいと感じる人たちは多いと思う。
逆に「ガンダムW」「ガンダムX」「SEED」「SEED DESTINY」「∀ガンダム」は、世界設定も宇宙世紀モノとは全く違うし、まして「Gガンダム」はガンダムではないガンダムである(ココはいろんな意見があるだろうが…)。
それらを一つの作品幅に入れてしまった事で、VSシリーズはリアル路線からいわゆるスパロボ路線へと突き進んでしまったと考えた方がいいだろう。
私的に非常に残念な事である。
VSシリーズがこういう作品幅となったのは、すでにガンダムというトータルシリーズに一種行き詰まった所があるからかもしれない。
シリーズとして年代が統一されているわけでもなく、それでいて新しい世界の作品が次々と出てきている事で、イメージとしての統一性はすでに失われている。
そうした一連の作品をゲーム化するという事の難しさ。
クリエイターサイドの悩みはわからなくもないが、ファンとしては「なんだかなぁ」と言いたい気持ちでいっぱいである。
まぁ…それでも面白いゲームにしてくれればいいや…と考える人もいるだろうし、悩んだところでこのラインナップは変わらない。
今はただ良作とならん事を祈るばかりである。