品不足が続くPlayStation5だが、2022年には再設計版の生産が開始される模様。
まだ手にも入れてない
昨年11月に発売されたPlayStation5だが、ここ最近は少し流通量が多くなってきたかな、と思いつつ、未だに入手できない状況にある。
にもかかわらず、新古品扱いのようなPS5が高値で取引されていたりと、真っ当な商売に見えない側面がありつつ、こういう体勢が一網打尽されるほどの生産量に、一体いつになったらなるのかが気になる今日この頃。
私自身、楽天ブックスでの販売開始タイミングをチラッと確認してみたり、その他ネット販売サイトの抽選に未だに挑戦しつづけている状況だが、いずれも購入できる事なく、半ば諦め気味になっている。
そんな入手難が続いているPS5だが、2022年には“再設計”版の生産が始まるという噂が出始めている。
今までもソニーは各世代のPlayStationに関して、初期型はいろいろな部品を盛り込んで設計、その状態で発売するが、数年後には再設計し、性能は据え置いたままコストダウンした新型を発売してきている。
コストダウン版を発売する際には、実際に売価も安くするケースはあるが、実際には原価の低減率の方が高く、よりソニーの売上げに貢献するよう再設計されるのが常である。
別にこの事そのものは悪い事ではなく、より安定した製品へと昇華してくれるなら、喜ばしいマイナーチェンジといえるが、こうした再設計が行われるもう一つの理由は、部品調達の問題も絡んでくる。
今回PS5が2022年には再設計版の生産が始まるという話の出所も、半導体大手メーカーTSMCの生産ラインの切替えが関与しているのではないか、と私は見ていて、おそらくPS5のSoCの製造プロセスを微細化させる事で、コストダウンを図る為に再設計するのではないかと予想する。
実際、その方向性とはちょっと違う話だが、ゲーム市場コンサルタント会社カンタンゲームズ代表のセルカン・トト氏が、台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesが「半導体大手TSMCなどのサプライヤーが2022年の第2四半期~第3四半期の間に再設計版PS5の生産を開始する」とツイートしている(元の情報は有料記事らしい)。
Taiwanese news outlet with spotty track record Digitimes: Sony aims for a PS5 redesign for 2Q or 3Q 2022: https://t.co/ASb1oWa3gM (paywall: and yes, I am subscribed)
It says the next PS5 will come with a "new semi-customized" 6nm CPU from AMD.
5nm is said to be too costly.
— Dr. Serkan Toto / Kantan Games Inc. (@serkantoto) May 6, 2021
製造は6nmプロセス
この再設計版PS5のSoCは、前述の情報だと6nmプロセスで製造するらしい事を伝えている。
TSMCでは現時点で既に5nmプロセスの製造を開始している(Apple Siliconがコレに当たる)のだが、PS5はあえての6nmプロセスとなっているところに違和感を感じる。
なぜもっとシリコンダイ面積が小さくなる5nmプロセスではなく、あえて6nmプロセスなのか?
気になるところだが、おそらくこれは製造コストを考えた結果ではないかと予想される。
5nmプロセスは確かにダイ面積は小さくできるかもしれないが、製造そのものにかかるコストが6nmプロセスより高い事は間違いなく、それならば6nmプロセスでダイ面積が大きくなっても総合的にコストが下がる方を選択したと考えられる。
5nmプロセスと6nmプロセスでは、出来上がる半導体の消費電力も変わってくるが、PS5のSoCでどこまで消費電力がかわるのかを考えると、おそらく驚く程変わらないのかも知れない。
消費電力が大きく下がれば、冷却にかけられているコストも削減でき、全体的なコストもまた下がるのだが、消費電力が大きく下がらなければ、SoCの製造コストを下げる方が、全体のコストを下げられる、という事なのだろう。
元々、Xbox SeriesXとの価格競争を迫られたPS5だから、ソニーとしても何とか本体のコストダウンは早い内にやりたい、という思惑はあって当然である。
個人的にはもっと小型化を
この再設計版PS5だが、私としては一番やって欲しいのは何と言っても小型化である。
今回の筐体はあまりにも大きく、歴代の中でも最大サイズである。
PS4の時にはあまり大きいという感じはしなかったが、PS5はその存在感の大きさはハンパではない。
今回のものが大きくなった理由は、PS5の冷却に大きなヒートシンクと冷却ファンが必要だったためであり、その熱量と消費電力の大きさを物語っている。
SoCの製造プロセスの小型化によって、どれだけの熱量が減るのかはわからないが、今が7nmプロセスで、次が6nmプロセスなので、おそらく劇的な熱量低下にはならないように思われる。
それでも、製造プロセスが一つ下がれば、間違いなく消費電力は下がるだろうし、発熱も小さくなる事は間違いない。再設計でより放熱しやすい形状を検討すれば、小型化は可能かもしれない。
もし、今後TSMCが5nmプロセスの製造単価を見直す事があったなら、場合によっては再設計版PS5は5nmプロセスでの製造に切り替わるかも知れない。
あくまでも希望的観測ではあるが、元々の話が噂であるだけに、僅かながらの期待をしてみたい、そう思う。
参考サイト:engadget 日本版
https://japanese.engadget.com/redesigned-ps5-2022-023053959.html