EIZOから24インチワイド液晶モニタ“FlexScan HD2452W”が発表された。
新型発表と聞いて私なりに期待したのだが、前モデルのHD2451Wのリファイン版のようで若干期待はずれでもあった。
それでも前モデルも使い勝手は悪くないモデルであり、今回はその使い勝手の方にかなり改良が加えられているようで、その辺りは評価したい。
しかし。
この手のクラスになると、もはや使い勝手云々というのは当たり前の話であり、そこに決定的な差を見いだす人は少ないように思う。
残念だが価格帯が価格帯だけに、本来問われるべき所の画質や映像処理、パネル品質が最優先となると、この製品もまた同じような末路をたどるのかなと思えてならない。
ただ、販路を直販だけでなく量販店など外部に広げているため、シェア拡大という意味ではそれなりの効果はでるだろう。
何と言ってもブランド力だけはあるのだから。
私はEIZOがキライではない。
むしろ好きだった。だから今使っている液晶モニタも実はEIZO製品で、今から8年ほど前に購入したものだ。
しかし、液晶モニタのパネル品質は年を追う毎に劇的進化を遂げ、今では大きな差が付きにくい状態。
EIZOも本来の画質最優先の姿勢を見せてくれていれば、私の中のEIZO神話は崩れる事は無かったが、実際はもう他社メーカーにすら品質面でケチが付き始めてしまった。
コストとのバランスの問題だったのかもしれないが、残念な話である。
で、私はこのEIZOの新機種からナニを見ているかというと、三菱の次機種なのである。
正直、今私が一番信用している液晶モニタメーカーは2社。
1社が三菱で、もう1社がNECである。
残念なことにNECのモニタは高価格帯と低価格帯で品質が信じられないくらい段違いで、高価格帯は手が出せない位に高いという特徴がある。
丁度いいバランス価格のモニタが存在しないのは残念だが、おそらくそこは需要と供給のバランスのもっともクリティカルな部分に応じた結果だと思う。
私のような中途半端な価格帯の要望に合わせた機種は、他社に明け渡してもいい…というスタンスなのかもしれない。
そしてその中途半端な価格帯で、コストパフォーマンスに優れそれでいて高機能なモデルを投入しているのが三菱だ。
MDT242WGという、VA系パネルでも目に比較的優しいA-MVAパネルを採用し、動画を綺麗に見せるMP ENGINEという機能を搭載させたりと、実にユーザーの期待に応えてくれる機種を発売している。
EIZOとはかなり被る価格帯の機種であるため、EIZOが新機種を出してきたなら三菱も何かしらの動きがあるに違いない…それが私の予測である。
三菱のMDT242WGの次機種が、今までのサイクルで考えると7月ぐらいに発売される。
EIZOは旧機種とほぼ同じスペックに細かいリファインを入れて新機種を投入してきたが、三菱はどういったスタイルで出してくるのだろう?
個人的にはパネルはそのままA-MVAパネルを使用し、NTSC比100%くらいのパネルだといいなぁと思ったりするのだが、まさかEIZOと同じSamsungのS-PVAパネルなんて事はない…と思いたい。
コストを考えると、SamsungのS-PVAパネルは魅力的なのかもしれないが、キラキラレインボーノイズ問題は液晶モニタの世界では有名な話だし、三菱があえてそこに突貫するとは思えない。
残念ながらAUOはA-MVA等のパネル生産を終了したとかいう話もあるため、パネルをナニか別のものをセレクトしている可能性も高いため、そうしたパネル問題も三菱の次機種にはついて回るものと私は考えている。
シャープのASV液晶パネルでも搭載してくれればいいのだが…そんな事はあり得ないだろうし…悩ましい問題だ。
まぁ、登場する前からアレコレ考えるのも変な話だが、EIZOが新機種を発表してきた事は大いに喜びたい。
ライバルがこれで活性化するのだから。
何はともあれ、品質とコストのバランスがあると言っても、10万円超のモニタにはまず品質が問われる事を最優先で考えて欲しいものである。