痛覚残留

 DVD版「空の境界~痛覚残留~」が届いたので観た。
 前回の殺人考察(前)よりはずっとわかりやすい内容だったように思う。
 原作小説を見ている人にとっては極々当たり前の事かもしれないが、初見の人の場合は、この“わかりやすさ”というのはとても重要。
 それだけに今回のわかりやすさは初見の人が作品の面白さを実感できるものだと思う。
 今回の痛覚残留で一つ面白い事に気がついた。
 主人公である式と敵役である藤乃の声が、ふと同じように聞こえるという事。もちろん明確に同じというワケではないが、一瞬「あれ?」と思ったりする。
 それが冒頭のシーンだから困る。
 冒頭のシーンは…藤乃が暴行を受けているシーン(いきなりかいw)。
 ここで式の声に聞こえるから始末が悪い。
 …私の耳が悪いだけなんだろうか?w
 式の声優である坂本真綾と、藤乃の声優である能登麻美子は、多分声質は全く異なるタイプなんだろうと思うが、低音域で似たような聞こえ方になるのかもしれない。
 特に能登麻美子はネットで調べた所、声に全くノイズが乗らないという珍しいタイプと言われているようで、それと同じように坂本真綾の声が聞こえるという事に私なりに驚いた。
 …しかし、私が能登麻美子の声を聞くときというのは、ムネモシュネの時もそうだったが、どうもダメージを受けている“あえぎ声系”の声が多い。なんでやねんw
 前回も書いたが、この空の境界は七部作全て観てはじめて評価できるものと思っている。
 ただ、今回の話は単体でも良くできていると思う。もっとも、ある程度の世界観を理解している上での話ではあるが。
 私と同じベクトルを多少なりとも持っている人であれば、おそらく同じ結論に至ると思われるので、空の境界を全く知らないというのなら、この話から見始めてもいいかもしれない。
 正直、第一章や第二章では取っつきにくさの方が先行してしまうだろうが、この第三章「痛覚残留」は異能者達の話というSF要素を理解できていれば実に取っつきやすいと思う。


 あと、これはスタッフロールを見ていて気がついたんだが、おそらく“空の境界”という作品は7部作全てがDVD化された後にBlu-ray化される。
 今の時代、当たり前と言えば当たり前なのだが、スタッフロールでHD編集とHDコーディネートが施されている事を確認した。しかもそれにSony PCLが絡んでいる。
 Sony PCLについての詳しい話はWikipediaでも見てもらうとして、簡単に説明するとBD専用のオーサリングスタジオをいち早く導入しており、SonyグループのBDコンテンツの先鋒とも言える会社だ。
 そのSony PCLがHD編集を行っているという事は、ほぼ間違いなくBlu-ray版が登場するとみて間違いない。
 ま、裏付けなんかなくてもBlu-ray版が発売される事は簡単に予測できるワケだが…。
 さて…そんなワケで私もBlu-rayの再生環境を今後どうにかしないと行けないワケだが…
 どうしたものかな。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    この章はアノ人と式が戦うんでしたね。確かにシンプルで原作読んでなくても取っ付き易いかもしれないですね。
    奈須きのこ節が爆発してる章は総じて解り難いと思います。言葉遊びなのか雰囲気作りなのか、故意にそうしてる感じがします。
    ちなみに、原作読んでても完全には理解出来ていません…と言うか、半分忘れてます。(^_^;)
    内容を脇に置くと、画像のクオリティは流石劇場版ですね。特に背景が素晴らしい。

  2. 武上 より:

     曲がれーっ!と叫ぶ能登麻美子は、なんか変な感じがしますよ。
     クラナドのことみが言ってるみたいで(爆)
     背景が素晴らしい…というのは、多分業界的には当たり前なのかもしれませんよ。
     なぜなら、担当してるのが草薙だから。
     多分、相当予算がかかってると思います(草薙は高いというイメージしかない…)。
     美峰も綺麗な背景を書くんですけどね。
     京都アニメーションのようなブランドとなると、やっぱり草薙って事になるのかなぁ。

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