平等という名の不平等

　世の中、相当な不景気に見舞われ、今や職に就いているだけでも恵まれているとすら言えてしまう状況。
　たしかに、今の私は失職しているよりはマシな状況ではあるが、就職していても不満が出てしまうのは、人間だからなのかもしれない。
　製造業という業界に就職して、もう2年が経過した。
　地方の製造会社だから、高い給料など望んではいけないという事もある程度は分かっている。
　だが、社員の評価をしていない会社にいる事の不平等さを今更ながら実感してしまい、ただいまモチベーション低下中である。
　ウチの会社、社員はほぼ横並びに評価されている。
　ようするに経営者側からすると平等に評価している…という事である。
　8時間の就労時間の中でどれだけの効率を出しても、効率度外視で仕事している人と全く同じ評価なのである。
　しかも効率が出ていない人は仕事が遅れる関係上残業をする。
　しかし、会社側は極力残業しないようにと通達している。
　私はバカが付くほど真面目にそれを意識して、他の人が見てもわかるほどの高効率で処理業務を行っているが、残業代付かずに定時帰社。
　効率が出ていない人は業務を終わらせるために残業して残業代が付いているという、どう考えても不平等な状況が、当たり前のように行われ、そして黙認されている。
　こんな状況で私の中でモチベーションを維持する事など、私には到底できそうにない。
　まさしく、平等という名の不平等である。

　人の能力に差があるのは仕方がない事だと思う。
　特にPC操作業務での差は、PCが当たり前に使える人とそうでない人の差はかなり激しい。
　にも関わらず、事務職はPC操作が今の時代はほぼ必須という状況だ。
　私はというと、通常の営業職に加え、会社のパンフレットなどの版下データをIllustratorで作成したり、社内プレゼンの資料をパワーポイントで作ってみたり、全社員向けのメールサーバ管理とHP管理をし、挙句の果てには設計者が間に合わない図面(平面図)を書き起こしたり…と、明らかに他社員がやらない事をやらざるを得ない状況に引きずり込まれ、行っている。
　しかも、半年ほど前から社内の生産管理システムを導入すべく、システム管理面の面倒まで見ろと言われ、それもタスクに加えている。
　それを私はほぼ時間内に全て目処を付けて帰社している。
　…正直、もう疲れた orz
　昔から便利屋っぽいところはある。それは前々職の頃からあった。
　だが、そこにはかならず評価が伴った。だからそこに自分の価値を見いだせていた。
　しかし今は評価がない。
　自分の価値はどこにあるんだろう？
　この役割・仕事量で大学初任給額より安いという状況は、私の評価として正しいのだろうか？
　それとも、地方ではこれが当たり前なのだろうか？
　そんなわけで、真面目に、生きることに疑問を感じ始めた。
　借金を背負わされ、自分に自由がないという覚悟を背負い、会社ではこの評価である。
　「天は人の上の人をつくらず。人の下に人を作らず」という言葉があるが、まぁ確かに天は平等に人を見てるだろう。
　だが人の社会では、人は上もあり下もあるのではないか？と思うわけである。これが格差社会である。
　だが…金銭に格差があるだけそれもまだマシなような気がしないでもない。平等という名の不平等は、もっと下のレベルでの話のように思えてならない。
　なんかもう疲れた… orz