低燃費走行のギネス記録を持っている宮野滋氏が、新型プリウスを購入し、新たなギネス記録に挑戦すると言う事で、無給油燃費記録に挑戦すると発表された。
そのギネス記録への挑戦は7月22日スタートで九州を1周する形で行うそうだが、そのプレイベントとして東京~鹿児島~熊本の無給油走行に挑戦…と同時発表となったが、実は今まさに挑んでいる最中の話である。
今回のプレイベントでは、レーシングカーの開発で知られるムーンクラフト代表取締役の由良拓也氏らも先代プリウスで一緒に走り、由良氏の車はユラスタイル(オリジナルエアロパーツ装備車)。
宮野氏の新型プリウスと合わせ、これで新旧プリウスの差がある程度見えてくるわけだが、さらにもう一台、HONDAのインサイトが途中まで参加する(インサイトは山口県壇ノ浦まで)。
新型プリウスとインサイトの方が気になる人も多いと思うが、同条件で比較するため、ドライバーが違うとは言え、実際の走行性能差が明確に出てくるイベントではないかと思われる。
で、このプレイベントは今まさに行われているワケで、その状況は由良氏のBlogで公開されている。
ゆらたく屋ブログ
http://yurataku-ya.cocolog-nifty.com/blog/
途中経過をBlogで確認すると…
【養老SA:スタートより382km地点】
YURASTYLE:33.9km/L
新型プリウス:32.9km/L
インサイト:30.9km/L
意外とインサイトが健闘している感じ。
プリウスとインサイトのハイブリッド構造の違いから考えると、これはある意味驚異的な出来事だと私は思っている。
というよりも、おそらくカタログスペックをより正確に記載していたのがHONDAという事ではないかな…と。
高速道路を走っている関係上、私が思うにエンジンの性能差が大きく前面に出てくるハズ。となると、やはりエンジンに一日の長のあるHONDAが伸びるのは当たり前と言えば当たり前の結果か?
もし、これに市街地走行が加わったりすると、多分プリウスが圧倒するハズである。
プリウスは30km/h以下では殆どがモーターのみでの走行であるため、市街地内というのはインサイトが最も苦手とする条件である。
トヨタからすれば、プリウスの本領が発揮されるイベントではない…と言いたくもなるかもしれないが、もともと新型プリウスは排気量アップで高速性能を向上させたと謳っている以上、高速性能でもインサイトを凌駕しないと意味がない。
逆にインサイトは小型・軽量のIMAで新型プリウスと肉薄する性能を見せている格好の宣伝に見えなくもない。
価格ではプリウスと接近してしまっているが、オプションを考慮した価格で言えばインサイトがまだ頭一つ飛び出た安さを維持している以上、このイベントの効果はそれなりにあるのではないかと思ったりする。
というか、別の見方をすれば、先代プリウスはそのエアロ特性をもうちょっと考えてやれば新型プリウスと同格かそれ以上という事が言えるワケで、逆に新型プリウスの性能を誇示できていないイベントに見えなくもない。
どっちにしても新型プリウスがここから先、どれぐらい伸びていくのかが注目されるところである。
エコカーが今話題になっているが、こうした直接対決というイベントはもっと必要なのではないかと思う。
先日から電気自動車の話題も聞かれるようになったが、おそらく来年以降はもっとこんな話が聞かれるようになるだろう。
HONDAもインサイトに続いてスポーツタイプを投入したり、シビックハイブリッドよりも前倒しでフィットハイブリッドを投入すると発表したりしてきているワケで、ここしばらくはエコカーの話題には困る事はないだろう。
個人的にはフィットハイブリッドが気になるところ。
というか、新型プリウスの宣伝でインサイトが相当にコケにされている関係上、HONDAには全力でプリウスに対抗してもらいたいところである。
いっその事、IMAだけでなく本格的なハイブリッド車の開発もやってくれればいいのに…とか思うのだが、そのあたり、どうなんだろう?
まぁ、HONDAからすれば、やはりエンジンが主役というポジションを維持したいのかもしれないが…