カプコンの逆転裁判シリーズは、逆転裁判4以外の全てをプレイしてきた。
逆転裁判4が何故まだ未プレイかというと、それは主人公が変わってしまったから。
シリーズ主人公の成歩堂龍一とその周辺キャラクターのやりとりが面白いところであり、新主人公と新キャラクターがそれを上回る面白さなのか…その辺りでどうもイマイチ乗り気がしなかったのが、今まで未プレイだった最大の原因である。
ではなぜ、今また新たに発売された逆転検事をプレイしたのか?
それはやはり成歩堂龍一の最大のライバルである御剣怜侍が主人公だからだ。もし逆転裁判4の主人公が、従来のシリーズに登場するキャラクターだったなら発売後にそんなに時間を空けずにプレイしていたかもしれない。
要するに“踊る大捜査線”に対しての“交渉人 真下正義”や“容疑者 室井慎次”のようなスタイルだったなら、プレイしていた事は容易に想像できる。
(C) CAPCOM CO.,LTD. 2009 ALL RIGHTS RESERVED.
そしてこれが今回のヒロイン、一条美雲。
ヒロインと言うワリに、その登場する場面がイマイチ不自然な感じであり、キャラクターの個性で場を押し切っているような感じがするところが残念なところである。
中身を書くとネタバレになるので、その辺りには触れないように書くが、今回の逆転検事では法廷バトルは一切無い。
検事という視点から事件の捜査に入り込み、法廷に入る前に容疑者を絞り込み、特定、そのまま検挙という流れになる。
が、ここはシリーズのお約束というか、主人公自らが事件に巻き込まれるため、結局は自分やその周辺の者達の容疑を片っ端から解決していくという流れを取る。
なのでプレイの流れは従来の逆転裁判と全く同じである。
ただ、ストーリーの中身はというと、逆転裁判の頃から比べて劣化しているような気がしてならない。
前述の一条美雲などはなぜあのタイミングで登場したのかがよく分からない。ストーリーの展開上、どうしても出てこなければならないのかもしれないが、そこに動機や必然性を感じない。勿体ないストーリー展開である。
その部分を除けば、ストーリー的には概ね良作。
逆転裁判が好きな人ならついて行けると思う。
新しいシステム(ギミック)として“ロジック”と“推理”というコマンドがある。
ロジックは、状況から導き出された一つの結論を他の状況から導き出された結論を結合するコマンドで「AとBだからCである」みたいな結論を導き出す事ができる。
推理は、そのままの意味だが事が事だけに殆どが現場の証拠品に対し別の証拠品を当てて推理するというコマンドになっている。
謎解きが好きな人ならそう難しいコマンドではないし、今回の逆転裁判のシステムはもともと各所にヒントじみた言葉使いが多いため、迷う事はないだろう。
ちなみに私はノーミスでクリアしてしまった。ストーリーとして難しいという感じがしないからだが、ちょっとした事に気がつく人は、迷わずにクリアしてしまうかもしれない。
こうした基本的なシステム以前に、私的にものすごい問題と思えるのが“ぬすみちゃん”である。
ぬすみちゃんに関してはネタバレっぽい感じがするので深くは書かないが、このギミックは逆転裁判の“サイコロック”に通じる摩訶不思議要素で、ヴァーチャルリアリティ(っぽいもの)を利用した、現場再現システムである。
まぁ、このシリーズ伝統の要素と思って受け入れるしかない。
個人的には…コレのせいでストーリーが楽な方向に進んでいるような気がしてならない。シナリオライター救済措置みたいな感じである。
とりあえず“ぬすみちゃん”さえ鵜呑みにできれば、従来の逆転裁判ファンであれば概ね楽しめる作品である。
逆転検事がシリーズ化していくのかどうかがわからない今の段階で、シリーズを通してのヒロインを語るのは野暮かもしれないが、私的に一条美雲よりも狩魔 冥がその座にふさわしいように思える。
今回の作品に関しても、一条美雲はその生い立ちからヒロインになっているだけであり、キャラクターの役割から考えるとメイの方がヒロインっぽいところが多い。
(C) CAPCOM CO.,LTD. 2009 ALL RIGHTS RESERVED.
とりあえず推理モノが好きだけど、手軽に遊べるものが欲しいという人には、逆転シリーズはオススメである。
ちょっとおバカなストーリーではあるが、キャラクターの味が広がっているストーリーばかりである。
逆転検事は逆転裁判とリンクしてはいても別モノであるため、シリーズものを今からやるのは辛いなという人には、よりオススメである。
注意:
今回の画像は逆転検事の公式サイトで公開されている壁紙を利用させていただいている。
元画像が欲しいという人は以下公式サイトで。
CAPCOM 逆転検事 公式サイト
http://www.capcom.co.jp/gyakutenkenji/