いつからだろうか…。結構前からだったように思う。
私のPC環境において、ニコ動やFC2の動画に対してコメントを入力しようとすると、日本語入力ができないという状況が続いていた。
その為、私はニコ動に関しては“NiconamaCommentViewer”にてコメントを発信して対応していて、特に原因の特定をしていなかった。
私が日本語入力ができない事に気づいた時、その原因究明を急がなかった理由は、私の環境が特殊(実際には特殊でも何でも無いのだが)だからだ。
カナ打ちでATOKを使用。
別に特殊でもなんでもないとは思うのだが“カナ打ち”というだけで特殊と考えてしまうのは、それだけかな打ち人口が少ないという事を私自身が一種コンプレックスのように考えているからかもしれない。
だが、実際問題として私はカナ打ちである事を否定的に考えたことはない。むしろカナ打ちである事のメリットを享受しているため、どちらかといえば肯定的に考えている。
カナ打ちは50音分のキー配列を記憶する必要がある事に問題があるように言われるが、タッチタイプ(昔はブラインドタッチと言われていたが差別用語と取られて今はタッチタイプと言われる)を身につけてしまうと50個のキー配列はそもそも思考記憶というより動作記憶に置き換えられているため意識する必要がない。体(指)が覚えてしまえば無意識にタイプしたいキーを捉えている。これはローマ字打ちのタッチタイプと同じである。
カナ打ちのタッチタイプができれば、1音に対して1キーで済んでしまう速度の速さ(濁点および半濁点文字は2キー)と、そもそも頭の中でローマ字変換しなくて済むという思考のダイレクト入力が可能になる。このおかげで、私は頭で考えた文章をストレートにタイプする事ができるようになった。
カナ打ちの欠点を挙げるとすれば、アルファベットの入力が比較的遅いという事と、テンキー付のキーボードでないと数字入力に多少の難がある事ぐらいである。ま、時にはそれが結構厄介な話になる事もあるが。
実際、カナ打ちの入力速度はローマ字打ちよりも相対的に速い事は間違いない。
ワープロ検定の上位になると、カナ打ち勢が大半を占め、最上位になると親指シフトが大半を占めると言われているぐらいである。速度の面では単純に押すキーの数で考えても速い。
この事が私にとって大きなメリットとなっている事は間違いない。
話が逸れた。
コンプレックスのように考えていた事から、私の環境で上手くいかないのは組み合わせの問題として処理していたため、ニコ動やFC2の動画コメントが出来ない事の原因を究明しなかったのである。
また、この問題はFirefoxによるもの、と思っていたというのもある。私はFirefoxにはそれなりのアドオンを入れているため、それらがぶつかっている可能性も否定できない。それらを一つ一つ検証していくのも手間だと思っていたため、あえて出来ない問題を自分の中でクローズアップしなかったのである。
だが…。
昨日、Google Chromeでニコ動にコメントしようとしたところ、Chromeでもできない事が判明した。私が使用しているChromeは、アドオンはほとんど入れていないため、検証するのが楽という事もあり、アドオンを全て切った状態で試してみたが、それでも問題は改善しなかった。
この時点でようやく、この問題はFirefoxとATOKとアドオンの組み合わせによる問題ではないかもしれない、と考えたワケである。
そこでネットで調べて見たところ、どうもAdobe Flash Playerの最新版に問題がある可能性が高い事が分かった。
最新版のFlash Playerには、保護モードというものが追加されていて、その保護モードが働いている時に問題が起きているようであった。
そもそも何を保護しているものなのかもよく分からないもので、今追加されたという事は、昔はこの保護モードそのものがなかったと考えられる。
最新版から一つ手前のバージョンでは問題が起きない、という話もあるため、どうも原因はこの保護モードにあるとみて良いかもしれない。
さらに、いろいろ調べて行くと、2012年6月11日にはFirefoxの公式ブログで、このFlashによる問題が挙げられていた。
Mozilla Japan 公式ブログ
http://www.mozilla.jp/blog/entry/9509/
Firefoxが時々Flashコンテンツを読まなかったり、クラッシュして落ちるという現象が私の所にも起きていたのだが、どうもその問題もFlash Playerの保護モードが悪さをしていたようだ。
今から半年前に起きていた問題だが、これに関して今以てAdobe側からの対応がない事を考えると、8バイト文字の国では問題が起きていない為、対応しないのかもしれない(実際どうなのかはわからないが)。
さすがに半年放置されている問題に対して、メーカー側の対応を待ち続けるというのもバカみたいである為、自分でできる対策をやってみるしかない。
対策としては、この保護モードを切るか、Flash Playerのバージョンを戻すしかない。Flashのバージョンを退行させるのはパフォーマンス的にイヤだなぁ…と思ったので、とりあえず保護モードを切る事を考えてみる事にした。
ただ、この保護モードを切るという事がどれだけのリスクを伴う事かはわからない。ひょっとしたらセキュリティホールを塞ぐ目的なのかもしれない…と考えると、危険な香りがしないでもない。
ただ、よくよく調べて見るとこの保護モードはWindows VistaとWindows 7に搭載された新規モードであるらしい為、私が考えるほどの深刻な問題ではないのかもしれない。
というワケで保護モードを切ってみる事にした。
保護モードを切るには、Flash Playerの設定値にプロテクトモードを切るという命令を与えてやるしかない。
Flashの設定値は“mms.cfg”というファイルに記述されているのだが、この中に“ProtectedMode=0”の命令を追記すれば良い。
この“mms.cfg”が保存されている場所だが、32bit版と64bit版で異なる。
32bit版 → C:¥windows¥system32¥macromed¥flash
64bit版 → C:¥windows¥syswow64¥macromed¥flash
あくまでも標準インストールした場合の保存先だが、上記のフォルダ内に“mms.cfg”が格納されている。
それをテキストエディタやメモ帳で開き、追記すれば良いのだが、普通にファイルを開くと保存が出来ない場合がある。
これは“mms.cfg”が管理者によって保護されたファイルであり、テキストエディタやメモ帳が管理者権限で実行されていない限り手を加えられないため。
Windows 7などは、OSインストール時に設定したアカウントは管理者権限となっているにも関わらず、所謂“administrator”と管理者権限を持っている(とされている一般アカウント)は別物らしく、administratorでログインしないと、本当の意味で管理者権限で実行できないのである。
これらを管理者権限で実行する為には、administratorでログインするか、アプリケーションを単体で管理者権限起動させるしかない。
その方法だが、テキストエディタやメモ帳のアイコンを右クリックして、その中にある“互換性”というタブの中に“管理者権限で実行する”という項目があるので、そこにチェックを入れれば起動時に管理者権限で実行できるようになる。
先日のコマンドプロンプトで実行したmklinkコマンドと同じ、という事である。
mms.cfgを書き換えて、実際の挙動を確認してみた。
動作としては実際にニコ動で日本語入力できる事を確認。その他不具合は認められないというのが今の状態である。
Adobeが何を保護しようとしていたのかが気になる所だが、実用上は保護モードが機能していなくても問題はないようである。
しかし…半年も改善されないままAdobeが放置しているという事実が今一つしっくり来ない。
状況としては分かっているハズだし、原因はFlash側にある事も判明している。
それでいてこのままになっている現状、どう考えているのだろうか?
HTML5に移行していく事を視野に入れて、このままにしておくつもりなのだろうか?
ま、そこまで無責任ではないと思うが、時代が徐々にHTML5へと向かっていく中でのこのトラブルはAdobeにとっては目の上のたんこぶのような問題に違いない。
実際はどうなるのかはわからないが、AdobeがFlashの存続を少しでも願うなら早急に対応してほしいものである。