本日、日産が新型軽自動車「DAYZ」の受注台数が発売後約1ヶ月で3万台に達した事を発表した。
この数は月販目標台数の4倍にあたる数のようで、日産としては軽自動車史上でトップの受注ペースだという。
このDAYZは、日産と三菱自動車による合弁会社“NMKV”によって企画開発された軽自動車で、新開発の3気筒エンジンや副変速機付CVT、アラウンドビューの搭載など、新機軸を盛り込んだ意欲作。
2WDのアイドリングストップ付きでJC08モード燃費29.2km/Lという記録は、もちろんこのクラスでは最高燃費であり、なかなかの数値だと言える。
個人的な話をすると、この受注数は意外だった。
標準モデルを女性ターゲットにして、カスタムモデルを男性ターゲットにする…というのが、大凡のやり方なのだが、DAYZは思いっきりスポーティな方向にシフトさせ、カスタムモデルはさらにスタイリッシュに決めてきた。この極端なまでの偏重ぶりが好結果を招いたのかどうかはわからないが、私が考えていた以上に受注数が伸びた。
だが、勘違いしてはいけないのが、決してこの受注数は燃費で得られたものではない、という事だ。
カタログスペックでどんなにスゴイ燃費が表示されていても、ドライバーによっていとも簡単に変動してしまうのが燃費である。だからこのカタログに記載されている燃費は指標になるかどうかの難しい判断材料でしかない。
最近の消費者もその辺りはよくわかっていて、結局は乗りやすい車を選択するケースがあったりする。スズキのワゴンRが苦戦していると言われているのは、この辺りが原因と言える。
同じくN Boxが好調を続けていられたのも、それを裏付ける理由になる。N Boxの燃費は他社軽四から比べると決して褒められた数値ではない。
だからDAYZは燃費で売れているのではないハズだ。何で売れているかというと…多分それはスタイルを中心としたトータルバランスで売れていると言えるかもしれない。
私のようにハイトールタイプを求めていなければ、ワゴンタイプならDAYZは十分検討の余地がある車と一般的には言えるだろう。
だが、私は最終的には別の理由でDAYZは選ばない。そこに一つの拘りがあるのである。
私はシフトがATだったころから、比較的他の人よりはエンジンブレーキを多用する運転の仕方をしているようである。周囲の人の目からすると、そのように映るらしい。
ATの場合、普通に走っていれば、まずエンジンブレーキがかかる事がほとんどない。それこそ、オーバードライブをOFFにする事で若干のエンジンブレーキを期待したりするわけだが、それでもそうしたオーバードライブの機能を使ったとしても、思ったよりは効果が薄い。
私はその薄い効果のものを比較的多用する事が多い為、普通にDレンジしかないATだと、運転中にDの下の2或いはL(メーカーによって異なる)にシフトを入れる事になるワケだが、これをすると結構速度に急激な変化をもたらす結果になり、トランスミッションにあまり良くない感じがしてならない。
最近の車のトランスミッションはCVTだから、そもそもシフトチェンジの際に固定したギア比などというものが存在しないのだが、そこを敢えて特定のギア比を与えて切り替えられるようにしているメーカーもある。私の乗るN Boxでは、7段のギア比を与えていて、それをパドルシフトで切り替えられるようにしている。もちろん普段は無段階なのだが、エンジンブレーキを使う時などに、積極的にドライバーがシフトチェンジしやすいようにしているのである。
このように、無段階のCVTでも積極的にミッション変更できる仕組みがDAYZにあるかというと…残念ながらない。シフト周りを見る限り、普通にP・R・N・D・Lのレンジしか搭載されていないようだ。ハンドル周りをみてもパドルシフトは見当たらないし、おそらくそうしたシステムそのものが用意されていないのだと思う。
ボディの見た目は結構スポーティに仕上げているようだが、運転自体にはスポーティな仕組みはないようである。
もし、このトランスミッションにパドルシフトなりクラッチレスシフトチェンジ機構が付いていたならば、私のDAYZを見る目も変わったかもしれない。
特に、一部の車種に搭載されているようなクラッチレスシフトチェンジ機構が付いていたならば、その点だけでもN Boxより高い評価をしたかもしれない。
この写真は同じ日産のエルグランドのシフトレバーの写真である。
Dレンジ横に+と-があるが、ここで積極的にシフトチェンジができる。トヨタ車にも似たような事ができる車種があると思うが、私はパドルシフトよりもシフトレバーでのギアチェンジができる方が好きだったりする。
軽自動車でこのシステムを搭載した車を見た事がないのだが、もしDAYZがこの仕組みを導入していたら、まさに見た目と同じくスポーティだったに違いない。
何にせよ、このシフト周りの変速機構があるかないかという点で、私はDAYZは選ばないだろう。
そもそもそうした変速機構が用意されていないのだから仕方が無い。パドルシフトとはいえ、N Boxにはそれが搭載されていて、同じくN Oneにも搭載されている。その時点で私の選択肢はそちらに流れる事になる。
ま、私のこの拘りと同じ拘りを持つ人がどれだけいるかは疑問だが、せっかく見た目もスポーティにしているのだから、そういう所まで手を入れて欲しかった…というのが、私の希望だったりする。
だが、結果としてDAYZは多くの人に認められ、結果として3万台は受注した。
同じ中身をもつ三菱のekワゴンがどれだけの受注台数になったのかが気になる所だが、今の所日産の目論見は成功した、といえるだろう。
今後の動向も気になる所。盛り上がる軽四商戦がどのように推移するのか、今しばらくみていこう。
売れてますねー、まだ街ナカでは見かけないけど
これだけの受注なら近いうちに見れるようだね。
三菱は18,000台受注とか
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2013/news/detail4685.html
来年早々にはMNKVからスーパーハイトワゴンタイプが
出るようですし軽自動車戦国時代突入ですな。
そしてオイラはミッションはマニュアルが好きだわ
ATは好かん。
返信
ekワゴンの台数も発表されましたね。
DAYZと結構な差がついたのは、やはりデザイン戦略の差ではないかと思います。
スーパーハイトワゴン(ハイトール)になった時の燃費がどれだけになるのか?
また、その際のエンジン出力特性がどうなるのか、等々、気になる所満載ですな。
ただ、操作系でシフトチェンジが積極的にできるのは今の所N Boxカスタムだけのようなので、次出てくるハイトール系がどんな操作系で出てくるのかが私は気になります。
ただ…MTは絶対にないでしょうwww
今はMTの方が生産するにしても金かかる時代なので…。
それに…バイクもATの時代だしね(-_-;)
返信
パドル装備は、「カスタムだけ」ではなく「ターボ」車な
返信
見知らぬ方、ご指摘ありがとうございます。
N Boxカスタムのターボ車のみでしたね。
返信
いや、N Box系のターボ車全て(N ONE系はターボ且つLパケ)
非カスタムでもターボ車なら、パドルやクルコン等
ターボ車専用装備品は共通して装備してる
返信
あれ…私の記憶違い?
………。
ああ、そうか。
N Boxは第2世代になってカスタムでないノーマルにもターボの設定ができたんでしたっけ。
すっかり忘れてました。
私は第2世代前の購入者なんで、ソッチばかり考えてました。
見知らぬ方、再びのご指摘ありがとうございます。
返信
第2世代?という呼び方は初耳だが、1度目の年改:年次改良時に追加された
今年は多分 年次改良ではなく、おそらくMC:マイナーチェンジ
軽・小型車の多くはFMC:フルモデルチェンジ後6~8年間程造られる
一般的に FMC:登場後、年改・MCを3~4回行う(若しくはMCを2年毎に3~4回)
返信
最近の車は昔と違って使用者の声を聞きながら小改良を繰り返している…というのをどこかで聞きました。
まぁ、それを年次改良と言うのでしょう。
そしてさらにそこから大きな変更を加えるものをマイナーチェンジいうのかもしれません。その辺り、私の知っている頃とは基準が違うのかもしれません。
(ま、私が知らないだけの事かもしれませんが)
そんなワケで、初代…一番最初のラインナップで販売されたものと違うという意味で第2世代という言い方をしました。多分適当ではないでしょう。
そんな中、いろいろとご説明、ありがとうございます。
返信