一時期、あまりの人気で全く買えなかったものが、今はなんとか予約できる。
業務用の堅固な製品
アシダ音響が発売するコストパフォーマンスがとても良いヘッドフォン「ST-90-05」は、2022年当初ごろから人気が出始め、一時は全く買える気配がなかった製品である。
国内製造品であり、価格も7,000円もしない製品だったが、人気が出たことで一時期1万円弱くらいで発売されていた。
作りはとてもシンプルなのに、使われている素材がとても良い事もあって、耐久力もあり、特に劣化が激しいケーブルは医療グレードのものが使われているし、ヘッドバンドもPUレザーなどのようなものではなく、とにかく高耐久な樹脂押し出し材を使っていたりする。
イヤーパッドなども交換品が1,300円弱ぐらいで買えるのも強みで、とにかく長く使えるのにコストパフォーマンスは最上という希有な製品である。
ただ、ネットで人気が出た事で、一部過大評価されている感じがしたのも事実。
確かに音は良いのだが、音楽用として捉えた時に所謂業務用モニターヘッドフォンと同等の音が出るのか、というと、そうでもない。ただ、スタジオで使用するモニターヘッドフォンは数万円するものが多いが、ST-90-05は7,000円未満である。同価格帯のヘッドフォンで比較したら、ST-90-05は断然音が良いヘッドフォンになる。
なので、ヘッドフォンに高いお金は掛けられないけど良い音が欲しい、という人の選択肢としては最適かもしれない。
有線ではあるが、それだけに作りもシンプルだし、メンテナンス性も高い。
結構お薦めできる製品である。
今ならメーカーの公式ホームページから予約が出来る。
アシダ音響 ST-90-05
https://ashidavox.com/items/632e5f474ba8b47283ce59eb
2023年3月上旬から4月上旬に発送予定となるが、全く買えなかった事を考えればチャンスと言えるだろう。
レトロも良いが…
だが、時代はワイヤレス、という人も多い。
ST-90-05は確かにコストパフォーマンスが良い製品ではあるが、有線ヘッドフォンであり、使い勝手がイマドキかといえばそうではない。
イマドキであれば、やはりワイヤレスだし、人によってはヘッドフォンよりもイヤフォンだという人もいるだろう。
しかもイヤフォンだとしたら、完全ワイヤレスイヤフォンで、しかもノイズキャンセリング機能付きだと言う人もいるだろう。
私はSonyのWH-1000XM4とWF-1000XM4を持っていて、自宅ではWH-1000XM4を、外ではWF-1000XM4を使用している。ちなみに会社にも持ち込んでいて、会社では必要な時にWH-1000XM2を使っている。
ノイズキャンセリング機能が強力なものを使いたいと考えてこのラインナップになったのだが、自分の使い勝手でいうとWH-1000XM4が今の所最適解だと思っている。
ただ、WF-10000XM4がマルチポイント接続に対応できるようになれば、イヤフォンタイプの方が手軽に使えて良いかもしれない。
…製品名が似ているので、書いていて何が何だかわからなくなってきた(爆)
音をどう捉えるか?
AppleのAirPods Proは、iPhoneとの相性は最高だが、音の良さを考えると最適解ではないと私は思っている。
だが、3Dオーディオ機能を考えたとき、かならずしも音質だけの問題ではない、という話が出てきてしまう。AirPods Proは、そうした付加価値や連動する機器に恵まれ、音質的に他社製品に負けていたとしても売れるのである。
繰り返すが、iPhone関連のオーディオ機器は、その性能は高いとは言い難いと私は思っている。
それでも利便性が勝ると、人々はAirPods Proを購入するのである。
ただ、本当のオーディオ好きは、そのような選択肢は採らない。
iPodは生産終了となったが、ウォークマンは未だに後継品が生産されている。この違いと同じである。
日常で使い勝手を優先し、得られる体験として最高でなくても体験できれば良い、と考える人の選択肢が、結局は大多数であり、拘りを持つ選択肢はいつもマイノリティになる。
そう考えると、ST-90-05が爆発的に人気が出たのもうなずける話である。
ただ、ST-90-05は元々業務用から派生した民生用なので、多少毛色は違うかもしれないが。
私は使っていないが、AirPods Proを否定しているわけではない。Apple製品の連携した使い方を見ていると、とてもよく機能していて得られる体験は素晴らしいと思う。
自分の利用に適した、そして自分が使う上で望むスタイルで使える製品を選べばよいだろう。