本来なら日付の関係から、翌日にこの記事を書くところなのだが、製品発表がちょうど10日の26:00という事なので、些か時が過ぎる話だが本日の記事にした。
Appleから新機種であるiPhone5sが発表された。
国内においては、その新機種の発表もさることながら、docomoよりiPhone5sが発売される事の方が大きな話題になるかもしれない。
いよいよ国内3キャリアが全てiPhoneを扱う事になったワケだが、以前から私が言っているように、これで国内のiPhoneをSIMロックする意味はなくなるのではないかと思う。国内だとdocomoとSoftBankのiPhoneが同じモデルになり、auのみ通信方式の関係で別モデルになるのだが、そもそも国内での主要キャリアが全てiPhoneを取り扱えば、他キャリアのSIMを使われたくない…というロックの意味もまるでなくなる。早期にSIMロックフリー化してくれる事を祈りたいところだ。
iPhone5sの話に戻るが、外見とは裏腹に中身は結構変わっていると言える。
プロセッサは噂で言われていたとおりA7プロセッサが搭載される。一番の違いは64bitアーキテクチャによるコアだという事。これに合わせ、iOS7も64bitをネイティブにサポートする64bitカーネル、ライブラリ、ドライバが用意され、32bitから64bitへの移行をスムーズに行えるようにするようだ。
このA7搭載によって一番問題になるのは、今後登場するアプリの中で64bitコードでのみ作られたアプリはA7以降のプロセッサを搭載したモデルでしか動作しないという事である。今はまだ32bitと混在しているから問題にはならないが、数年先に行くと32bitコアは先に進みたくても進めなくなる事は確実だ。
また、今回のiPhone5sにコプロセッサとしてM7と呼ばれるASICが搭載された。これは従来からある加速度センサー、ジャイロ、電子コンパスにモーションセンサーを加えたプロセッサで、次世代のヘルス&フィットネスアプリに対応可能になる。またそれらのアプリを促すために専用のAPIも公開され、いよいよiPhoneがユーザーの活動量計として単体で動作する日も近い事になる。
内蔵されるカメラもアップデートされている。解像度こそiPhone5と同じだが、受光量を15%アップさせた為、F2.2程度の明るさの撮影が可能になった。また、スローモーション機能になるが、720pの場合で120fpsの動画撮影も可能になる。加えて、調光用の色温度の違うLEDが2基搭載され、約1,000段階の調光が可能になった。
それと今回の目玉の一つとして指紋認証センサーが搭載された。この指紋認証によってユーザー認識が容易になり、パスコードなしのセキュリティロック解除が可能になる。またApple Storeなどの決済もこの認証で出来てしまうため、個人登録さえ出来てしまえば今までのような認証からは解放される。そういう意味では便利かもしれない。
外観は…ほぼiPhone5と同じと言える。というか、カバーなどは共通のものを使用できるとしていて、外観上の違いはホームボタンのみになる。ホーム
ボタンはここに指紋認証センサーが内蔵されるため、わかりやすくリング上のパーツがあしらわれ、唯一それがiPhone5との違いを主張している。
斬新過ぎる形を望んでいる人もいるかもしれないが、ある意味、スティーブ・ジョブズがiPhone4で確立したスタイルがiPhoneの最終進化形という事なのかもしれない。
ただ、Apple信者からすると、こんな驚きのない新製品はAppleらしくない、とか思うかもしれない。どちらかというと私もその一人だったりする。
iPhone5sとAndroid最新機を比較して、iPhoneらしい何かがあるのか?
と考えればよくわかる。もうほとんど差がないというのが実情で、新しく搭載されるiOS7でも64bit化したという内部的な違いしかない進化は、ユー
ザー体験としては弱いとしか言いようがない。
常に先駆者たれ、Apple…と思うのは、多分私だけではないはずだ。
あと、このiPhone5sの他に、いよいよiPhoneの廉価機になるiPhone5cが発売になる。
ポリカーボネート製の筐体で5色ラインナップのiPhone5cは、そのスペックはほぼiPhone5と同じで、フロントカメラのみHD化されている。よって廉価機と言っても廉価ではない事が窺える。
当初の噂では先進国にはこのiPhone5cは提供されない、といった話もあったが、米国も日本も供給される事が発表された。Android機にシェアを奪われている現在、そんな悠長な事は言っていられないのかも知れない。
あと、このiPhone5cの発表後、AppleのサイトからiPhone5が姿を消した。これによってiPhone5はディスコンとなったのだろう。た
だ、気になるのはiPhone5と併行販売されていたiPhone4Sの存在で、今後販売が継続されるかどうかはまだ分からない。
今回の新機種発表の中にiPad mini2(仮)がなかったのは、やはり噂通りRetinaディスプレイを搭載するのかしないのかが決まっていないのか、或いは搭載するにしてもまだ供給が間に合っていないのか、多分どちらかだからだろうと思われる。
個人的には新型iPhoneよりもiPad mini2の方が気になるアイテムで、今回のiPhone5sの進化した機能を内包した新型機が登場することを期待したい。特に指紋認証やLTEバンドの拡大は、とても魅力的である。
それと、今回のiOS7の64bitネイティブ対応は、おそらくiPad
mini2にも影響を与えるだろう。搭載されるプロセッサはA7かもしくはA7X(仮)で、グラフィックスコアのみ倍加させたA7X(仮)が搭載されるの
が望ましいところだが…はたしてどうなるか?
また、発売されるにしてもいつiPad mini2が発表になるのかは分からないが、年末あたりにそういった話が出てくるのではないかと勝手に予測。
新しさを感じない製品はツマラナイのは事実だが、iPad
miniはまだ第一世代機が出たのみで、第二世代機は登場していない。第二世代機は進化型が登場スルのが常であるため、おそらく劇的変化のある製品ではな
いと思われる。無難かもしれないが、まずは完成されたデバイスが登場する事を期待しよう。