年末にこの話題をすると、年賀状の話か? と思われるかもしれないが、残念な事に今年私は年賀状を出すことはない。もともと出さない人ではあるが、今年は父が亡くなっているので、そもそも年賀状を出す年ではないのだ。
だが、ここのところ紙出力という実にアナログな部分でその必要性を感じている。
プリンターは欲しいが…
最近のプリンターは昔から比べると随分と小さくなった、という話を聞く。
だがそれは昔から比べて、という事であり、297×210のA4サイズの紙を出力するのに、400mm以上の横幅と350mm以上の奥行きを必要とするプリンターが主流なのである。
2013年9月に発売したEpsonの EP-806A、最近CMで「ちいサメ」とか言ってるヤツですら、390mm×340mm程度で、今までよりはたしかに小さめではあるのかもしれないが、それでも大きいと言わざるを得ない。
なぜこんなに大きくなるのかというと、カートリッジ内に紙を完全に収納しているから。
だから最低でも面積でA4サイズ以下には絶対にならない。
ああ、もう一つ理由があるとしたら、複合機だからA4サイズの紙をスキャンしなければならないワケで、その理由でも面積でA4を下回る事がないからだ。
何となく思うのだが、複合機で考えるから大きなサイズになってしまうのであり、単機能にしてしまえばプリンターはもっと小さくできるのではないかと思う。
複合機である必要性
そうは言っても、プリンターとスキャナー、両方を設置する事を考えたら複合機の方が纏めてしまえる分、設置スペースはコンパクトにできるのではないか?
その可能性は高い。
だが、世の中にはドキュメントスキャナーと呼ばれるものもあり、フラットベッドスキャナーとは違う方式でスキャンするスキャナーも存在する。そう考えると、実は単機能のスキャナーとプリンターの方が総合的に狭い設置スペースで済んでしまうことも多々ある。
まぁ、絶対的に単機能の方が良い、とは言わないが、結果として複合機である事の良さというのは、設置する機器が少なくなる、というメリットしかないように思えてくる。
それでも複合機が人気なのは…
単純に安いからだろう。というか、安くなった、というべきか。
平均的な価格としては16,000~25,000円程度で、複合機の大凡満足できる機種を購入する事ができる。安いのを探せばもっと安いだろう。
プリンター単体でも20,000円程度するものもあるワケで、そう考えれば複合機はとにかく安い。
それが爆発的に売れる最大の理由だと思う。
だが、この複合機が爆発的に売れるおかげで、本当の意味で小さいプリンターになかなか新機種が登場してくれない。
私はとにかく小さいプリンターが欲しいのである。
で、私のが言っている小さいプリンターというのが、昔はモバイルプリンターという位置付けにいたプリンターである。
Canonでいうと“PIXUS iP100”などのプリンターで、こいつはもう登場してから5年近くになるが、後継機種がその後出ていないのである。
一応内部はマイナーチェンジしているらしい
PIXUS IP100だが、どうも中身に関してはマイナーチェンジしているらしいが、基本設計が5年前のものなので、いろいろと面倒な部分も多い。
最近ではデジカメですらWi-Fi接続だが、当然そんな機能などありはしない。
インクは染料系カラー3色+染料系黒1色+顔料系黒1色と合計5色ではあるものの、基本的にカラーは4色と普通すぎるほど普通。
染料系と顔料系のインクに分かれているのがCanonの特徴なのだが、写真は染料系が有利で文字は顔料系が有利という事で分けられている。
ちなみにEpsonは完全に染料系インクのプリンタと顔料系インクのプリンタを区別していて、どちらのインクも搭載可能なモデルがない。
じゃあ両方搭載可能なCanonのプリンタの方が優れているのか? というとそうでもない。プリンタヘッドのインク詰まりなどを考えると、Epsonの選択の方がある意味正解で、メンテナンス含めての運用を考えれば決して機能が優っている事が上位というわけではない。
PIXUS IP100はそのどちらのインクも搭載可能で、インクカートリッジは染料系カラー3色一体型が一つ、染料系黒1色が一つ、顔料系黒1色が一つというように分けられている。
これがまた悩ましいところで、カラーもそれぞれ分離させて欲しかったところだが、おそらくその大きさから無理だったのだろう。ここをカラー3色独立型に変更するとなると、マイナーチェンジというぐらいの変更ではなくなるわけで、これは5年前のスペックを引きずっている。
これで価格は2万円
このPIXUS IP100だが、現在の市場価格は大凡20,000円となっている。
同じCanonの複合機フラッグシップのPIXUS MG7130の最安値が16,800円、Epsonのフラッグシップが2万円強だから、複合機と同じ価格になってしまうわけだ。
そうなると、ほとんどの人は複合機に流れるに決まっている。大きさは大きいかも知れないが、搭載している色数も6色や7色とより色鮮やかだし、何よりスキャナーが搭載されている強みもある。
用途から考えても、価格から考えても、ほとんどの人はPIXUS IP100を選ぶ人はいないだろう。
ま、もともと特定の人向けのプリンターだからそれはやむを得ないワケだが、売れなければ当然新機種は生まれない。このモバイルプリンターという位置付けが今後アップデートされるかは、全くもって見えないと言っていい。
私としては、小さなプリンターが欲しいわけだが選択肢がないとも言える。
流石に同価格でさらに機能が低いPIXUS IP100を選ぶという選択肢は、よほどの事がない限りないだろう。
そのあたりは一般層と同じだ。
ただ、もしCanonが、いやEpsonでもいいが、今時の機能を搭載した単機能モバイルプリンターを発売したなら、十分検討したいとは思うが、現時点では複合機を選ぶしかないだろう。
複合機を選ぶとしたら、これまた迷う
僅かでも小さいプリンターが欲しい、と考えたなら、Epsonの EP-806Aが絶対的選択肢だと思う。価格は20,000円強と、Canonの同性能機から比べれば高いが、何より小さいという強みがある。
ある程度の設置面積は覚悟しなければならないのだから…と考えるなら、CanonのPIXUS MG7130が選択肢になるだろう。
ただ、どちらも絶対的な何かを持っているのかというとそうでもない。
これ、という強みが今一つ欠けている。
2013年モデルは、ひょっとしたらアタリはないのかもしれない。
というわけで、必要性を感じているものの、今年のプリンター購入はひとまず延期という事にしようと思う。
悩むだけ悩んだが、決定打に欠けるというのは問題。
もちろん、この決定打の定義は私が感じた決定打だから、他の人ならEpsonの EP-806Aの小ささが決定打になるという人もいるだろう。だが、私は EP-806Aの小ささすら決定打にならなかった、という事である。
もし、どうしても必要という場面に出くわしたなら、その時また悩む事にする。