昨年12月19日…だから既に二週間が経過したが、Mac Proが登場した。
基本的にIntel Macである事に違いがなく、Ivy Bridge-EPのXeon E5 6コアをベースにGPUとしてAMDのFireProを搭載している。
そうしたスペックだけを見れば何の変哲もない普通のハイエンドPCなのだが、ご存じの通り、コイツは形に特徴があるのだ。
円筒形には理由がある
今回のMac Proは円筒形という実に特徴的な形をしている。
基本的なもの以外は内部拡張性を持たず、全てをThunderbolt2を中心としたインターフェースによる外部拡張によって実現しようというスタイルだ。
Thunderbolt2クラスのインターフェース速度があれば、確かにそれでもよいのかも知れないが、内部拡張性を廃してまで円筒形にしたかった理由は、多分排熱処理の効率化によるものではないかと思う。
円筒形の中心にCPUやGPUなどの熱発生源をできるだけ集め、真ん中を空洞化させる事で、排熱を効率化しようというのがこのデザインのコアになる部分ではないかと思う。
今までのPCスタイルだと、熱発生源を集中する事が出来ない為、あらゆる所に排熱ファンを配したり、水冷ブロックを入れたりしなければならなかった。Mac Proのように熱発生源を集めてしまえば、全ての熱を最小効率で排気できるため、効率が良い、というデザインである。
だが、これは逆に言えば各デバイスが元々熱が高いところで稼働させる事になるわけで、排熱デバイスがよほどシッカリしていないと安心できない構造という事も言える。
ま、そのあたりを覚悟の上でのデザインという事だろう。
バラしてみたらもっとよくわかる
そんなMac Proを分解したと発表したところがある。
おなじみの米国iFixitである。
過去に、Macbook ProやiPad、iPhoneなど、Apple製品はもとより、PS3やxbox360など、いろいろなものを分解し、それらが個人ユーザーでも部品交換可能か、あるいは拡張作業が可能かを判定しているサイトである。
分解した結果、ロジックボードの取り外しは難易度が高い、としたものの、パーツ交換はそんなに難しいものではなく、特別なネジなどを使用していないようだ。ただ、ストレージの追加は余分なスペースがない関係上、不可能としている。
また、ビデオカードはどうも汎用品の形態をしていないようで、2枚のAMD製Fire ProビデオカードはPCで使われている汎用品を組み込む事はできないようである。
その他のECC RAMカードやSSDの換装などは簡単にできるため、何かあったときのメンテナンスくらいはそんなに難しくなくできそうである。
Appleの予想を超えた?
発売を発表、Onlineでの発売を開始した12月19日は米国でも出荷予定日は年内~1月だった。日本でも1月と表示され、予想通りの受注の動きを見せていたようだが、それがそんなに時間をかけない内に、2月という表示に変更となった。
これは、クアッドコアモデルが31万8800円、6コアモデルが41万8800円とかなり高価なプロ仕様にあるにも関わらず、想定外の数量の受注があった事を予想させる。
しかも、今回のMac Proは以前よりAppleが「米国内での生産のみ」に絞り込んでいる製品である。これは米国の製造国内回帰の動きに沿ったもので、今米国の製造は徐々に国内へという動きがあり、Appleも一部の製品でそれに倣った形を取った。
ハイエンドなMacではあるが、米国内の生産ペースでの提供という事で、欲しい人からすれば待たされる形にはなるものの、それがハイエンド製品故の事と考え諦めるしかないだろう。
ま、私には全く無関係な世界のPCだから、全く影響のない話なんだけどね(爆)