auの2015年春モデルが発表になった。
新たな言葉になるか?「ガラホ」
auの2015年春モデルに「コレは!」と思える機種が登場した。
発想そのものはそんなに大げさなものではない。多分、こういう形態のスマートフォンを待ち望んでいた人も多いのではないかと思うし、私もいつかは出てくるだろうと思っていた。
だが、実際には部品点数の問題だったり、汎用性の問題だったりで、なかなか登場しなかったのが現実である。
しかし、遂にソレが形になった。
見た目はどうみてもフィーチャーフォン(ガラケー)である。
しかし中身はAndroid4.4を搭載したイマドキのスマートフォンと同じであり、これでもQuad Coreを搭載している。
通信機能としてもLTEに対応し、Wi-Fiも搭載していて最大10台まで接続できるテザリングが可能。ちょっと残念なのは、VoLTEには非対応だという事。
しかもAndroid4.4で動作していながら、Google Playは利用できず、限られたアプリしか動作しない。これは不用意に通信する事を避ける為のようだが、これによって従来のケータイと同じほどのバッテリーの保ちが期待できる。
利用として想定されているのは、このAQUOS Kで通話、同時に持ち歩くWi-Fiタブレットとテザリングで接続して、ネットはタブレットに依存する、というもの。ある意味、こういう使い方ができる機種を望んでいた人は多いのではないかと思う。
ちなみにガラホとは「ガラケー」と「スマホ」の合成語である。…捻りも何もないなw
残念な部分もある
前述したように、VoLTEに対応していない事も残念だが、他にもちょっと残念と感じる部分もある。
それがキャリアアグリゲーションに対応していないという事。
複数の周波数帯を使った通信が出来ないというのは、デザリングの母艦として使用するにはちょっと非力である。おそらくバッテリーの保ちを考慮した結果ではないかと思うが、テザリングでタブレットを使用する事を考えると残念でならない。
また同じようにWiMAX 2+にも非対応である。これも高速通信を可能にする一つの方法であり、それが使えないというのは残念極まる話である。
また、利用料についても基本はスマートフォンと変わらない、というのも残念な部分。ただ、本端末を購入したユーザーを対象に「AQUOS K スタート割」というサービスが開始され、最大4年間利用料を毎月1000円(税抜、以下同)割り引くという。
このサービスの対象ユーザーは「データ定額」の各プラン、または「LTEフラット」に加入したユーザー、との事であるため、やはりテザリングができる事を前提としたサービスであるため、普通にガラケーを契約している人からすると1000円割り引かれてもなお通信量は安いという感じはしないだろう。
アイディアとしては良いが…
正直、こういう端末が出来てきた事は、選択肢を広げるという意味では良い事だとは思う。しかし、通信料を安くしつつネット環境を拡充させたい人からすると、このAQUOS Kはまだ不十分である。
これなら、普通に3大キャリアのどこかでフィーチャーフォンを契約し、SIMロックフリーのWi-Fiルーター+MVNOによる格安SIMを契約して、Wi-Fiでタブレットを使用するという手法が一番安い使い方である。
3大キャリア側からすると、3Gネットワークから4Gネットワークへと切り替えていきたい思惑があるだろうし、VoLTEに切り替えていく事による通信環境の整備も進めていきたいハズであり、そう考えると、今回のAQUOS Kのような展開は、まだまだその過渡期にあるのかな、と思えなくもない。ユーザー側からすると「もう一声欲しい」状態と言える。
ただ、auとしてはがんばったな、と思えるところもある。
この2月からNTTでもauで言うところのスマートバリューのようなサービスを開始するため、コスト的にユーザーがNTTを選びたくなる事が想像できる。
そうしたユーザーを少しでも引き留める、もしくは逆に引き入れる手法として、新しい事にチャレンジする姿勢は素晴らしいと思う。
特にアップグレードプログラムはかなりのチャレンジになるのではないかと思う。
月額300円で18カ月経った時点で、次の機種を手にするとき、それまで使っていた機種の残債が0円になる、というプログラムで、同一キャリア利用によるアップグレードを手助けするというものだ。米国では既に行われているサービスであり、それに倣った形と言える。
スプリントを傘下においたSoftBankより先にauがこうした米国で行われているプランを持ってきた、という所も、中々にしてチャレンジングではないかと思ったりする。
ただこのアップグレードプログラムで注意したいのは、下取りプログラムとは同時に利用できないという事。ユーザー側は最終的にどちらかを選択する事になる。
近々SIMロックフリー化が義務化される事を考えると、キャリア側もいろいろと考えていかねばならない時期なのかもしれない。
利用者が使いたくなるようなキャリアになる為にも、いろいろなアプローチが欲しい所である。
そういう意味では、auの今回の春モデルではその一端が見えると言える。
SoftBankの私には直接は関係ないが、auがこうやって揺さぶりを掛けてくれる事でSoftBankも変わってくれるなら有り難い話だ。
docomoも、もっとがんばっていただきたい…
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ドコモに、何に対して「もっとがんばっていただきたい」のかにもよるが、もしコスト的な話であるならば、2月の固定回線との抱き合わせプラン以外のがんばりは今の所期待できないように思います。
元々、巨大なバックボーンを持っているだけにサービス品質に対するコストメリットは高いんですよ。
auやSoftBankはどんなに背伸びしても、ドコモのバックボーンには叶わないので。
私は時々思うのですが…「関西の人」さんが満足するプランを三大キャリアはどこも提示できないように思います。いや、皮肉とかそういうの抜きでね。
いっそのこと、MVNOに進んでみてはいかがでしょうか?
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