リフレッシュレート固定というのが従来の常識だった。それを可変にする技術が登場しはじめている。
どちらが主力となるのか?
AMDが提唱する可変リフレッシュレート技術「FreeSync」テクノロジーだが、これは映像出力信号のリフレッシュレート(書き換え頻度)を可変させるという技術で、通常は60fps(秒間60回書き換え)で固定という所を可変させる技術である。
どうして可変させるのかというと、グラフィックが緻密になったり他通信信号の受信待ちの為に、その書き換えが1秒間に60回も出来ない時には60fpsを下回ったりする事がある場合、その落ち込んだリフレッシュレートに合わせてモニター側の書き換え頻度も映像信号に同期させて可変させる事で、画面の乱れやチラツキをなくすのである。
この画面の乱れを「ティアリング」と呼ぶのだそうだが、ティアリング軽減の措置として、NVIDIAも昔から「G-SYNC」と呼ばれる同様の技術を提唱している。
「G-SYNC」対応の液晶モニターは既に発売されていたが、今回、LGエレクトロニクスよりFreeSync対応の34型ウルトラワイド液晶「34UM67」が発表となった。
当然だが、FreeSync対応のウルトラワイド液晶はこの「34UM67」が世界初である。
G-SYNCは結構前から登場している技術だが、それに対応した液晶モニターは数える程敷かない、というのが私の印象である。
FreeSyncも同様の技術だけに、どれだけ対応モニターが登場するかという所が問題だが、果たしてこの可変リフレッシュレート技術のグローバルスタンダードはどちらになるのだろうか?
Samsungも発売
このFreeSync技術だが、実はG-SYNCよりも普及する可能性を秘めている。
その理由は、VESAのAdapytive-Syncの名称でDisplayPort 1.2aの標準技術の1つとしてに取り込まれた為である。
独自の技術というよりは、VESAという一つのスタンダードの一つとして取り込まれているという事は、それだけ対応製品が登場しやすいという事でもあり、今回LG以外からも対応製品が登場している。
それがSamsungの製品であり、Samsungからも4K液晶2製品「UE590」と「UE850」に対応製品が登場している。
この「UE590」と「UE850」だが、共にHDMI 2.0に対応しているという特徴があり、HDMI接続時でも4K時に60Hzの表示ができるのが強みだ。
ただ、HDMI 2.0出力対応のビデオカードがそうそうないため、PCとして接続できる環境はまだ安易に整えることはできないと言える。
どちらにしても、リフレッシュレートを可変にする事でより画面表示を安定させるという技術が一気に普及していきそうな感じだ。
より高画質へ、という動きが明確になってきた事の証しかもしれないが、解像度に依存しない高画質化技術という意味では、ビデオカードの負荷とは関係のないところの技術であるため、周辺の標準化がもっと普及すれば、一気に広がっていくものと思われる。
高画質=高画素ではない、という流れはもっと定着してほしい事実である。