本日提供予定とされていた機能で実装されるのか?
Redstone 3
Windows10がリリースされたのが2015年7月で、実は既に2年が経過している。この時から、Windowsにおけるアップグレードは中止となり、Windows10以降は大型アップデートという形で行われる事となり、Microsoftは基本的に年2回の大型アップデートを実施する事を予定していくとしていた。まぁ、実際にはその予定も徐々に遅れ気味になっているのも事実で、機能はOS側に搭載されたとしても環境が整わないなどの問題はいろいろ山積みである。
今回提供される事となっている開発コード「Redstone 3」も、確かに大型アップデートではあるのだが、その大きなトピックスとして挙げられる「Windows Mixed Reality Immersiveヘッドセットへの対応」は、実のところ前回のアッブデートで始まるハズのものだった。
ハードウェアとなるWindows MR対応HUDの普及がネックになっていて、今回の大型アップデートでもどこまで普及できるかはまだ分からないが、タイミング的にはまさに今回のアップデートの目玉はここにあると言える。
だが…本来なら前回から始まるハズのものなので、OS側としては機能は既に実装されているのが事実。あえて言うならば、今回で「正式対応」といったところだが、私的には今回はもっと違う部分を見ていく必要があるように思う。
私にとっての目玉機能
今回、開発コード「Redstone 3」が提供される(おそらく日付は現地時間なので日本では明日から)が、正式には「Fall Creators Update」と呼ばれる大型アップデートになる。前回も「Creators Update」と呼ばれるアップデートだったが、それに続くアップデートと言える。
いろいろなアップデート項目があるのだが、その中で特別私が気になったアップデートが「ビデオの設定」にある。
というのも、この機能は「設定」で変更できるものなのだが、その項目の中に「HDRビデオのストリーミング」という項目があるのだ。これってまさか今まで設定できなかったHDR対応なのか?!…と言いたい所だが、実は半分当たっていて半分ハズレ。それでもWindowsがOSとしてHDR対応へと動いた証しである事は間違いない。
ビデオ再生は2種類ある
WindowsというOSが扱う動画再生機能は2種類ある。
一つはOSが持っている機能を活かして再生する場合で、ブラウザ上で動画再生する場合などがコレに当たる。
もう一つは、独自の機能を使いOSの表示機能だけを使って再生する場合だが、これは主としてゲームなどがコレに当たると考えられる。もっともゲームの場合はDirectXが対応する事で表示できるようになったりもするので、半ばWindowsの機能とも言えなくもないが、ドライバ依存しなければならないものなのが主として独自機能による再生である。
今回、Fall Creators Updateによって対応したのは、まさに前者のOSが持っている機能を活かして再生する場合の事で、HDR対応の機材が揃っている場合の動画再生、ハードウェアの再生支援機能を利用した再生である。
もし機材等の条件が揃っていれば、設定の中からHDRビデオのストリーミングをONにする事でHDR再生が可能になる。
これは私的には大きな前進かな、と思っていて、ハードウェアばかりが先行するHDR対応にようやく一歩踏み込んだアップデートではないかと思う。
但し、ここで言っているHDRというのが、どのレベルのHDRの事を指しているのかが気になるところ。
例えば、PS4などが採用するHDR10という規格があるが、今回Fall Creators Updateで対応したHDRは、何を基準として定めたHDRの事を指しているのかが見えてこない。
DELLのモニターなどはDELLの社内基準で定めたHDRだったりするが、それだと対応できるのか? という疑問が残る。
HDRという言葉ばかりが先行して広まってしまっていて、何がどうなるとHDRと言えるのかの基準がバラバラな現状では、今回の対応もどこまでの事を指しているのかが見えない。
それとも、最近発表されたHDR10+基準だったりするのだろうか?
HDR10+なら、高価なパネルでなくてもHDR再生が可能になる為、今後の普及も容易になるハズである。
何にせよ、今の段階ではハッキリしないのが問題だが、ここは業界で基準を明確化して欲しいところである。
個人的には4KなんかよりHDRの方がより先に明確にならなきゃならなかったハズの部分だと思うのだが、製造できるパネルの能力等の問題からか、未だハッキリしない状況。そろそろココに誰かがメスを入れないと、デジタル映像の今後は明るくならないと思う。
こうした部分の先陣を切るのは、やはりそのプラットフォーム、それも大きければ大きいほど良いプラットフォームを持っている所ではないだろうか?