遂に来たiMac Proはブラック仕様。
Xeon W搭載
Appleが遂にiMac Proを発表、発売した。
結構前から出てくるという噂はあったが、一向に姿が見えなかったのだが、ここに来て急に発表、発売という形となった。
そのスペックは以前言われていた内容を踏襲するようなものだが、標準構成でXeon W 8コア3.2GHz、メモリ32GHz、1TB SSD、Radeon Pro Vega56(HBM2 8GB)、これに27型5Kディスプレイというスペックになっている。
Xeon Wコアは、SkyLake-SPアーキテクチャのXeonが登場して後の製品で付けられた名称だが、従来モデルでいうところのE5-1600シリーズという、シングルソケットで運用されるXeonの事を指すようだ。
元々、クリエイター向けとしての製品と銘打っているため、価格は税別で558,800円と標準構成でも結構な価格になるが、この構成はBTOで変更する事ができる。
最大構成で行くと、Xeon W 18コア2.3GHz、メモリ128GB、4TB SSD、Radeon Pro Vega64(HBM2 16GB)という構成にする事が可能で、その時の価格は税別で1,460,800円となる。
ま、業務用ワークステーションと考えれば、価格的には妥当な所といった所である。
一体型というスタイル
個人的に、iMacという一体型にした理由が今一つわからないのだが、Appleが意識したのは、おそらくはMicrosoftの「Surface Studio」ではないかと思っている。Microsoftの「Surface Studio」もほぼ一体型のPCで、最大の特徴は画面を寝かせてタブレットのように手書きできるスタイルを取れる事だが、iMac Proがそうした機構を取り込んでいるかというと、そうではないらしい。
Surface Studioよりも、更なる高性能を詰め込んだのがiMac Pro…という事を言いたいのかも知れないが、とにかくハイスペックを詰め込んだと言わんばかりの内部構成である。
このiMac Proの価格が妥当な所かどうかの判断は実はとても難しい。
理由は、構成するパーツが一般の民生用…という言い方が正しいかどうかはわからないが、店舗で一般的に流通するパーツと異なる為である。
Xeon Wもそうだが、ビデオカードのRadeon Pro Vegaシリーズも、そうした一つのデバイスで、こうしたものの価格が見えにくい事が、iMac Proの価格の妥当性を見えにくくしているように思う。
もっとも、業務用としていろんな情報を集めてくれば価格の妥当性は全く見えないという事でもないので、そうした情報から高いのか安いのかは判断できるかもしれない。
私からすると…多分高いんだろうな、という感じではある。
こういうシステムは、単に物理的なデバイスの価格だけでなく、そこに紐付くシステムソリューションの価格が含まれていたりするので、そうした業務で運用する価格、として見るべきもの、と言えるかも知れない。
AMD製ビデオカード
AppleのMacは、昔からビデオカードを何故かAMD製と決めているような所があり、何故かNVIDIA製のビデオカードを搭載してこない。
Macではなく、Macintoshと呼んでいた時期にはNVIDIA製があったような気がしないでもないが、少なくともここ10数年はAMD製ビデオカードのオプションしか存在しないと思う。
これが何故そうなのか? という事については、いろんな意見があるのだろうが、私的には最終的に色味が綺麗に出るのがRadeon、と考えている節があるのではないかと思っている。
私も久々に今回Radeon RX Vega64を新PCに組み込んだが、パッとみてまずGeForce系よりは色味が綺麗に出ているような印象を受けた。
高速処理という面であれば確かにNVIDIAに軍配は上がるのかも知れないが、クリエイティブな環境で制作されるコンテンツの品質を追い求めれば、やはり色味の綺麗に出るものの方が優位に立つ。
速さは生産性には寄与するが、上質さには直結しないのでAppleの姿勢としては生産性よりも上質さという所に重きを置いているのではないかと思う。
それに、Radeonだからといって生産性が著しく落ちるわけではないのだから。
ま、これはあくまでも私の個人的感覚の話なので、どうしてAMDを選択しているかという本当の理由は別にあるのかもしれない。
Mac Miniが気になる
個人的な話をすれば、私はiMac ProよりもMac Miniの今後の方が気になる。
ここ数年はずっとハードウェアが更新されていないMac Miniだが、ティム・クックのツイートによると、Mac Miniの更新は検討されているような話も出ているので、来年あたりには新Mac Miniが登場するのではないかと思うのだが、出てくる時期にもよるが、少なくともCoffee Lake、来年末に発売がズレ込めばIce Lakeを搭載したMac Miniが発売されるのではないかと予想される。…期待を裏切り、モバイル向けとIntelが公表しているCanon Lakeを搭載してくる可能性もなきにしもあらずだが…。
Mac Miniは構成としては本体のみの提供なので、一度仕様が固まれば問題なく流通はするだろうと思われる。
ある意味、一番簡単な製品構成のMacなので、問題となるのは搭載するOSがどのバージョンになるのか? という事ぐらいである。
また、価格に関しても依然のMacの据置か、多少値上がり、という所ではないかと思われる。
ただ、ストレージに関しては未知数である。
というのは、現在の主流がSSDに移行しているという事と、そのSSDの価格が安くなっているという事、またデータストレージとしてクラウド領域が最近はよく使われる事など、いろいろな背景があるので、この先発売されるMac Miniのメインストレージがどういう構成になるのかは今の段階では見えないと思っている。
個人的には、メインストレージとしてSSD、そこに内蔵できる形で2.5インチHDDが使われるといいなと思っているのだが…。
ここ最近、ずっとiPhoneやApple Watch、iPad Proの話ばかりだったApple製品だが、来年はMacもいろいろ変化があって欲しいなと思う限りである。