HDDをPCに内蔵するより使い勝手は良い。
NASは基本的に高い
外付けHDDを使っている人も多いとは思うが、常時使えるデータストレージとしておそらく最も便利なのはNASではないかと思う。
もちろん、持ち運びとかそういう用途の場合はUSB接続の外付けHDDの方が便利という事もあるかもしれないが、据置するとなるとNASの方が圧倒的に使いやすい。
何故ならネットワーク経由で常時使える状態になっているため、PC単体の起動とは全く無関係に動作しているからだ。そのおかげで、OSやアプリケーションが対応していれば、スマホからだってアクセスできる。ストレージとしてこんなに使えるものがあるだろうか?
だが、基本的にNASは高い。ある意味、当たり前の話で、NASはPCと同じものと言えるからだ。単に機能としてはストレージという単機能に絞られているだけで、その動作にはCPUからメモリ、電源など一通りの機能を内包していないとNASとして成立しない。
しかもそこにデータの保護機能、つまりRAID構成を持たせようとするならなおさらである。
最近ではSynologyやQNAPといったメーカーのNASは比較的安価で性能が良いとか言われるが、基本的にストレージの価格を除いて2万円以上するのが常である。
PCを1台追加で購入する事を考えれば安いが、気軽に買い足し…と行けるかといえば、ストレージの価格も合わせるとちょっと手が出ない…という人もいるだろう。
ある意味、そんな人には朗報な製品が秋葉原に出回っている。
NanoPi NEO2
NanoPi NEO2とは、中国friendlyarmの40mm×40mmのシングルボードコンピュータでこの小さな基板の上にはAllwinner H5というCPU(4コアCortex-A53)、DDR3メモリ512MB、RJ-45(Gigabit Ethernet)、USB Type-A、microSDカードスロット、GPIOヘッダ(計36ピン)等のインターフェイスを搭載している。最近巷で話題のプログラミング教育用として企画製造されているRaspberry Piシリーズと同じシングルボードコンピュータというわけだが、x86コンピュータほどの汎用性能はないにしても、何かのデバイスを制御下においてコントロールする事はできる性能は十二分に持っていて、上手く使えば前述のNASのコントロール基板として使用することもできる。
このNanoPi NEO2が秋葉原の秋月電子通商で販売が始まっていて、価格はなんと税込2,400円。しかも、こいつをNASとして使用できるキット「NanoPiNEO/NEO2用NASケースキット(NS-120B)」が税込2,180円で販売されている。
このNanoPi NEO2とNanoPiNEO/NEO2用NASケースキット(NS-120B)、DC12Vアダプター、CR2032コイン型リチウム電池、起動用のmicroSDカード、2.5インチストレージを揃えれば、1ドライブではあるがNASとして成立してしまう。多分、価格からすると、ストレージを除けば8,000円くらいでNASの制御部分は作れてしまう。
自作故の難しさも
ただ、安価だと言っても自作しなければならないので、それなりにハードルは高い。
まずNanoPi NEO2の基板にGPIO用12ピンおよび24ピンヘッダをハンダ付けしなければならない。結構狭いピッチの中でのハンダ付けなので、手慣れていないと苦労するかもしれないが、電子工作のレベルではある(ハズ)。
また、このハンダ付けが終わった後のハードウェアの組み立ては恐らく困る事はないだろうが、今度はmicroSDに起動用OSの書き込みをして、ブラウザから設定画面を起動、管理者パスワードの設定やらホスト名の変更、ディスクシステムの作成、ユーザーの作成などを行えばNASとして使用できるようになる。
問題はこのOSや設定の確立が、多少なり専門的知識を必要とする所で、SynologyやQNAPのNASではこのあたりが断然やりやすいが、残念な事にこの自作NASではそこまで作り込まれていないので、格安で自作する今回の場合は多少なりの覚悟を以て挑む必要がある。
ただ、このあたりはネットでいろいろ調べて回れば決して手が付けられないという事もない。根気の見せ所でもある。
まぁ…仮に設定を間違えてアクセス不能になったとしても、その場合はmicroSDのOSインストールからのやり直しで初期化できるので、焦らずにリトライすれば良いだけの事である(基板上に不揮発性メモリとか持ってて設定を保存してたら厄介だが)。
ストレージは3.5インチが良かった…
とまぁ、電子工作レベルの作業と制御プログラムの自前設定が必要というハードルはあるものの、シングルボードコンピュータを使ってNASを安価に作る事ができるという選択肢は、私のような者には有り難い話である。
ただ…コレ、やっぱり使用できるストレージは3.5インチが良かったなぁと思うのが本音である。
大容量のストレージを持ちたいとなれば、やはり3.5インチドライブの容量の大きさは魅力的だし、最近は4TBでも8,000円を下回る時がある事を考えれば、価格的にも魅力的なものになる。
今回のキットでは2.5インチストレージしか搭載できないというデメリットがあるので、そこさえ問題がなければ、導入する価値のあるキットだと思う。
それに、SSDを搭載できるというメリットもあるので、速度を気にする人には最適でもある。
私は…やっぱ大容量が欲しいなぁ(-_-;)
…つーか、このシングルボード使ってそこから自作しろよという声が聞こえないでもないが(爆)
NanoPi NEO2 秋月電子通商
https://bit.ly/3nOOAB0
NanoPiNEO/NEO2用NASケースキット 秋月電子通商
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-12591/