一年で新型投入。
より高い完成度
Dysonから、コードレススティッククリーナーの新型「Dyson V11」が発表された。
前モデルの「Dyson V10」から、一年で新型投入であり、しかもその進化は従来の製品進化よりも大きな進化ではないかとすら思えるものである。
実際に使ってみないとわからないところはあるものの、大凡現時点では非の打ち所がない製品とすら言えるものではないかと思う。
発売日は3月20日で、Dysonの公式オンラインストア直販価格は付属品によって異なり、75,600~101,520円(税込)になる。
本体に液晶パネルを搭載し、運転の残り時間がわかるようになったのが見た目の一番大きな違いであり、ヘッド、パイプ、クリアビン、サイクロン、モーター、フィルターを一直線に配置したV10シリーズと同形状を踏襲し、0.3μmの微細な粒子を99.97%捉える集塵力も同等を維持する。
進化したV11モーターは、吸引力を25%アップさせつつ運転音を11%低減し、最大稼働時間は60分と従来モデルと同等を維持した。そんなモーターの回転数は1分あたり125,000回転だが、フィルター直前部に3段階のディフューザーを搭載し、モーターに近い2つのディフューザーによって空気の流れを整え吸引力をアップ、3つ目のディフューザーで騒音低減を実現しているという。
本体に搭載された液晶パネルは、運転の残り時間の表示だけでなく、本体にまつわるエラー表示なども表示され、しかもその解消法まで図示する。もちろんフィルター洗浄通知も表示されるので、ユーザーサイドはこの液晶を確認すれば本体の現状がわかる仕組みになっている。
充電時間は約3.5時間で、運転時間はエコモード時で約40/60分、中モードで約20/30分、強モードで8/5分(クリーナーヘッド時/非モーター駆動ツール時)となっている。
夜中でもOK?
前述したが、前モデルより11%の静粛性を獲得したDyson V11だが、その静かさたるや、エコモードの場合は周囲のざわめきが気になるほどで、中モードですら会話は余裕でできるという。エコモードならドライヤーよりも明らかに静かであるため、夜中に掃除機を使う、なんて事も問題なくOKと、Dyson=強力な吸引力=うるさい、という今までの流れは完全に断ち切った感じである。
Dysonとしては、音響工学に基づいた設計になっているという事のようで、従来の常識を越えた製品を出してきた、そんな感じだろうか。
だが、この静音性は何よりも有り難い話かもしれない。
コードレススティッククリーナーの最大の魅力は、気付いた時にサッと使えるという所にあり、それがいつ起きるかなど誰も想像が付かない。使いたいと思う時を限定できるなどという事は通常はあり得ない話であり、使いたい時に使えないというのは、この手の製品の本質を失わせるものである。
その点で考えても、Dyson V11はこの吸引力で一般的な顧客要求品質を満たしたと言える。
それは素直にスゴイと思う。
問題は価格
ただ…まぁDysonのクリーナーというだけで想像はつくと思うが、価格がやはりネックである。
良いモノは高い。
単純にそういう事だとも言えるが、何事もコストとのバランスは重要で、Dyson V11はその点において割と高コストと言わざるを得ない。
おそらくDyson自身もその事は十分わかっているのだろう、今回のDyson V11と同時に既存のV7モーターを採用した「Dyson V7 Slim コードレスクリーナー」を発表している。
こちらは、Dyson公式オンラインストアの価格で45,360円(税抜)という価格であり、手が出しやすい価格になっている。
“Slim”と謳われているのは、附属するヘッドがよりコンパクトなものに変更されていたり、短くなったパイプを採用していたりする為である。
このようなコストによる二正面作戦を採らなければならないのは、Dyson自身がDyson V11の価格が高いという事を理解しているからであり、製品としてはより高度なV11であっても、スタンダード製品とはなりにくい事を自らが理解しているという事である。
良く言えば選択肢であり、ラインナップされているだけマシとも言えるが、個人的にはV11の性能がより多くの人々の手に渡る事が望ましいと思う。
軽い掃除機
最近、我が家では掃除機の重量が問題になる事がある。
昔からの掃除機なので、我が家の掃除機は重いのである。
コードレススティッククリーナーはバッテリーを搭載しているので、2kgとそれなりの重さはあるものの、コードを引っ張り回す必要が無いので取り回しがよく、最終的な使い勝手は良いだろう。
そう考えると、最近のコードレススティッククリーナーは持続時間も長く、吸引力もかなり強いので、買替えてもよいのかもしれない。
でも片手で2kg…持ち上げるわけではないが、決して軽い重量とは言えないような気がするが、実際使っている人はどんな感想を持つのだろうか?
店頭で試しても、結局実際に使わないとそのアタリはよく分からないのが実情なので気になると言えば気になるところである。
何はともあれ、スゴイ製品が登場した。
ライバルメーカーもぜひ追従して競争して欲しいところである。