恐る恐るAdrenaline 2020へとアップデート。
再起動が不要に
先日、AMDがGPUであるRadeonのドライバ統合環境アプリケーション「Radeon Software」を2020年版にアップデートしたという記事を書いたが、私はまだ導入していなかった。
いずれ導入しなければならないだろう、とは思っていたものの、一つだけ懸念していた事があったためである。
それは機能の一つである「Fluid Motion」がなくなってしまっているかも知れない」と考えた為である。
「Fluid Motion」に関しては、当Blogでは何度も記事にしてきたので、機能そのものの説明は省略するが、動画をスムーズにするためGPUで補完フレームを生成して60fpsにする機能である。
最新のRadeon RX 5700シリーズ以降はこの「Fluid Motion」が使えなくなっている事から、機能的にソフトウェアから削除されてしまう可能性を考えたのである。
だが、この新しい「Radeon Software Adrenaline 2020 Edition」に移行しないと、最新のドライバ環境でGPUを稼働させる事はできないので、しばらくの間、アップデートしても「Fluid Motion」が残るのかを他に試した人が情報公開してくれないかなぁ…と期待して待っていたのである。
ま、検索しても全く出てこなかったワケだが(爆)
多分、他の人はそこまできにしてないんだろうなw
で、もたもたしていたら、さらにAdrenaline2020ソフトがバージョンアップした、という情報が出たので、もうやむを得ない、と私自らが試す事にした。
大型アップデートになるので、段階として以前のバージョンである「19.12.2」を先にインストールして、その後に今回の「19.12.3」をインストールするが、以前まであった再起動という手間がなくなっている。実際には再起動した方がよいのだろうが、とりあえずアップーデート時に再起動を必要とする流れはなくなったようである。
だが、入れてみてこれまたビックリ。
ユーザーインターフェースが大きく変わっていたのである。
Fluid Motion、みつけた
ワケも分からず、とりあえず最新の「19.12.3」にバージョンを引き上げたが、まずもってドコに何の機能があるのか、全くわからない。
いや、わからないワケではないのだが、今までとは手順がまるで異なるのである。
大枠の設定として「Gaming」「e-Sports」「標準」というのがあるのだが、とりあえず「Gaming」を選んでおいた。
だが、これでもちろん設定は終わらせない。画面左上には「ホーム」「ゲーム」「ストリーミング」「パフォーマンス」という大きなメニューがあり「ホーム」では全体の情報が表示される。
「ゲーム」では、インストールされているゲームの個別設定が出来る様だが、一応リンクとしてグローバルグラフィックの設定への入口もある。ストリーミングでは、Radeonを使ったゲームのストリーミングを支援する機能が並び、「パフォーマンス」では現在のGPU稼働状況が表示される。
こうした「ゲーム」「ストリーミング」「パフォーマンス」の下には小さなメニューがそれぞれ並ぶので例えば「パフォーマンス」の小メニュー内には「チューニング」というのがあって、電圧の変更などはこういうところで出来るようになっている。
が、これらのメニューから「Fluid Motion」が見つからない。
消されたか? と思ったりもしたが、もっと違う設定が画面右上の歯車アイコン「設定」からできる事に気付いた。
この「設定」から入ると、小メニューが「システム」「グラフィックス」「ディスプレイ」「ビデオ」「ホットキー」「アカウント」「デバイス」「全般」と並ぶ。
以前のRadeon Settingに慣れた人であれば、こちらのメニューの方がわかりやすいかも知れない。
で、そこの「ビデオ」内に「Fluid Motion」がある事を確認した。
(画像クリックでオリジナルサイズの画像を表示)
消えてなくてよかった…。
RDNA系のFluid Motion
先日発表された「Radeon Software Adrenaline 2020 Edition」になり、私はRDNAアーキテクチャでもFluid Motionが使えるようになったのかと最初は思った。
しかし実際にはそのような話はなく、新たに「Radeon Boost」という静と動においてイイとこ採りをする機能が追加され、それはそれでスゴイ事だとは思ったものの、Fluid Motionに変化が見られなかった事を残念に思うユーザーもいるのではないかと思う。
だが、AMDはユーザーの声の大きなものから機能を追加している、と言っている。世界的に見て、Fluid Motionに期待している人はそう多くない…というのが現実かもしれない。
GCNアーキテクチャであれば、未だ享受できるFluid Motionだが、一般に販売されるRadeonは間違いなく今後RDNAアーキテクチャへと移行していく。その時、要望がなければFluid Motionはこのまま終息に向かう可能性がありうるのではないかと現時点では思っている。
出来る、出来ないの問題でなく、要望がある、ないの問題である。
AMDはFluid Motionに関して「RDNAアーキテクチャではできない」とは一言も言っていない。ただ、従来と同じアプローチでは出来ない(おそらくそうなのだろうと予測している)ので、RDNAアーキテクチャのGPUが接続されている時に表示させないという手段を執っていると考えられる。
私自身、ネットでいろいろ検索してみるが、Fluid Motionに関して深く言及しているサイトはそう多くないという事実も知っている。おそらく…あまり実感もないし需要もない、という事なのかもしれない。
ただ、私はこういうGPUをもっと機能として活用していこう、という姿勢はとても大切だと思っている。
CPUにしてもGPUにしても、高いコストのパーツを組み込んでいるのだから、もっといろんな事に使いたい、そう思っているのである。ゲームだけに留まらず、普通にPCを使っている中でも、GPUが機能を補完するような使われ方をする方が、機能はよりリッチになっていくと思うワケである。GPUといえば、画面表示の為以外にはもうPCゲームのためのパーツ、とするだけなのは、ちょっともったいないと思うのである。
というわけで、今後はどうなるかわからないが、とりあえず現段階ではまだFluid Motionは残っていた。
いつ消えるかと心配しつづけるのも、ひょっとしたらもう時間の問題かもしれない。
ハードとしてのRDNAは進化し続けているので、いつかは切り替える事になる。その時、Fluid Motionを諦めなければならない、という事がなくなっていたらいいな、と今は静かに思う。