価格が10万円を優に超えるGPUが当たり前になった世界。
ミドルハイすら狙えない
年末年始に新PCを組み上げ、すっかりRyzen7 7700Xへと移り変わった私だが、このPCに搭載しているGPUは、一世代前のRTX 3070Tiのままになっている。
理由は、これをRTX 4000シリーズにしようと思ったら、その時点でPC予算にさらに15万円程度の価格を上乗せする必要があり、とてもではないが気安く変える価格にはならなかった。
これでも何とか30万円程度に抑えたが、そこにGPUは含まれておらず、それでこの価格というのは、まさに異常事態だと感じている。
まぁ世間一般の現在のPC価格がこういった価格帯へとシフトしているのだから、やむを得ないところはあるのかもしれないが、GPU単価が上昇しすぎている感じを受けるのは私だけではないはずである。
面白いのは、CPU価格は驚くほど上昇していないという事。
PCIe 5.0やDDR5メモリ対応のマザーボードも高騰化しているが、GPUの価格上昇幅はその中でも群を抜いている。異常と言ってもいいかもしれない。
性能ももちろん上がっているので、価格は性能比で出されていると言われると弱いのだが、それを言い出したらCPUだって相当に性能が向上しているが、GPUほどの価格上昇には至っていないし、むしろ旧来の価格設定にかなり近い。
私は現在RTX 3070Tiを使用していると書いたが、このビデオカードはメルカリで中古品を購入した。価格は約7万円である。
中古で7万円だから、新品なら10万円くらいじゃないの? とか思うかも知れないが、実際には10万円半ばに届くか、という価格帯。…なんだ、RTX 4070Tiと似たような価格じゃないか(爆)
だが、安いとはとても言えないので、手が出ない事に違いは無い。
4060系以下を狙うか?
だが、だからといって、私が次に狙うGPUとなると、価格から考えれば4060系のミドルレンジを狙って行くという手もある。
だが、一度ミドルハイクラスのビデオカードを使うと、中々そこから下にシフトするのは気が引けるのも事実。私はその一心だけで、Radeon VIIからの乗り換えGPUとしてRTX 3070Ti以上を購入しようと決めたほどである。
今の所、RTX 3070Tiの性能でも困る事がないので、このまま使い続けていくが、AV1エンコーダの事を考えると、どこかの時点ではRTX 4000系にシフトしないといけなくなるだろう。
その時、私はRTX 4060系を選ぶ事ができるのか? がとても心配である。性能的に不満がなければ選べるだろう、と思うかも知れないが、そこは格付けの問題でもあるので、自分の納得というレベルをどこに持つかで最終的には決まってくる。
長年自作PCに携わってくると、妙なプライドというか、意識が働くのも事実で、出来ればミドルハイクラスは狙っておきたいところがある。
そのミドルハイクラスのGPUで15万円レベルというのは、やはり高いという印象しかない。おそらく、私と同じように思っている人はかなり多いのではないかと思う。
巨大化するGPU
そしてもう一つ問題になっているのが、その大きさである。
私は要2スロットのGPUが出てきた時も「世も末だな」と思ったが、現在は2スロメット厚のGPUでも薄めだと感じるレベルになってしまった。
まだカード長も300mmでも短めかな、と思える程に。なんか普通に320mmとか340mmのGPUが発売され、もはや300mmに届かないGPUは格下というような印象すらある。
…ま、そう感じているのは私だけかも知れないが。
ただ、このGPUの巨大化のおかけで、ミニPCでハイエンド、といった組み方ができなくなったのも事実である。ショート基盤でせいぜい2スロット厚といったGPUのミドルハイクラスの性能を持つビデオカードはが存在しなくなってしまった。
これはとても悲しい事実でもある。
ミニPC好きにとって、ミニPCでハイエンド性能というのは、夢みたいなもので、そういった事が昨今は出来なくなりつつある。
CPU内蔵GPUの性能が上がってきているので、一定のグラフィックス性能はある事はあるが、ミニPCで4K+120Hz+HDRを実現しながらPCゲームで世界を狙うような事は出来ようはずもない。
せめてミドルハイクラスがショート基盤で発売されるような状況だとまだ救いようがあるが今はそれすらできない状況だけに、自作PCが電飾系ばかりで映える状況になってしまったのはとても残念である。
高性能だから高価格かつ巨大サイズ。
まぁ当たり前の事かもしれないが、その中から異端児が出てきてこそ、可能性のあるPCが生まれると私は思っている。
ブレークスルーを興すようなメーカーが出てこないだろうか? と期待しているのだが、その期待が叶う事はもう亡いのかも知れない。