ありそうでなかった小型モデル。
55型はウチには入らない
4Kテレビがどんどんと価格が安くなり、比較的入手性が高くなってきた現代だが、我が家は相変わらずフルHDの環境であり、テレビも今から10年位前のものをそのまま使用している。
使用し続けている理由は、そもそも壊れていないから、という理由もあるが、それ以上に、小型サイズの4Kテレビが存在しないから、という理由もあった。
いや、正確に言おう。
小型サイズの有機ELパネル採用のテレビがなかったから、である。
私は実の所4Kそのものにはあまり興味はない。確かに細かく精細な画面になるという事は理解できるが、私がもっと重視したいのはHDRなのである。
色の深みや暗部の再生は、残念ながら4Kだからといって改善されるものではなく、機能としてはHDRの性能によってより深みある色になったり、暗部がハッキリしたりする。
この色の深みを出す為には、やはり色がクッキリハッキリ映る有機ELパネルや、その後継技術を採用したパネルでないと実現できない、と思っている。
液晶メーカーは、液晶パネルでもHDRの深みは出せると言うかも知れないが、現実的に有機ELパネルの方がハッキリするのは言う迄も無い技術レベルの差である。
なので、ずっと手頃な有機ELパネルのテレビを待ち続けていたのだが、一向に発売されない。一番小さいサイズでも55型とかで、我が家ではそのサイズが入りきらない関係から、手が出せずにいた。
そんな中、ソニーのBRAVIA「A9S」という48型の有機ELパネル採用テレビが発売されると発表された。
発売日は7月25日で、価格はオープンブライス。店頭予想価格は23万円前後になるとされる。
横幅約107cm
BRAVIA「A9S」は、左右のベゼルも約1cm程度しかなく、横幅は約107cmしかない。
約10年前の40型のテレビが横幅105cm程度なので、48型とサイズは大きくなっているが、物理的サイズは10年前の40型以上を置いている家庭では間違いなく配置できるサイズになる。
基本性能は2019年に発売されたMASTER Series「A9G」と同等で、3,840×2,160ドットの有機ELパネルを採用し、画像処理プロセッサーは「X1 Ultimate」を採用しているので、被写体ごとに最適な高精細化処理をするオブジェクト型超解像、超解像処理とノイズ低減のデータベースを組み合わせたデュアルデータベース分析、14bit相当の階調処理を行う「Super Bit Mapping 4K HDR」、SDR映像をHDR相当に高コントラスト化する「HDRリマスター」という機能を持つ。
2019年に発売されたMASTER Series「A9G」と異なるのは、動画ぼやけ低減機能である「X-Motion Clarity」が新たに搭載されているという事。これはバックライトコントロール機能で、瞬間的に黒帯を部分挿入しながら、画面の明るさを保ったまま動きをハッキリさせる事ができる機能である。
画面を振動させて音を出す「アコースティックサーフェイスオーディオ」等、他にも多数の機能が搭載されており、その全てを説明するのが大変なほど高機能である。
正直、ここまでいろんな機能を持っていなくても…と思う部分もあるので、もっと機能を絞って安くしてくれるといいなぁ、と思ったりする。
住環境にかかわる事なので
とにかく、今まで有機ELパネル採用のテレビが55型以上しかなかったのが、私にとっては理解できない部分だった。
日本の住環境を考えたら、55型テレビを置けない家だって多数存在するはずで、大凡1mくらいの横幅が限界という状況は普通に考えてあり得る話である。
最近はベゼル幅が随分と小さくなったので、横幅1mもあれば46型くらいにはなるはずなので、今回の製品も48型でなく46型くらいで出して欲しかったと思っている。
1mを切るくらいの横幅サイズの方が、訴求力高そうな気がするのだが…。
何はともあれ、横幅107cmの有機ELパネル採用テレビが登場した事で、今まで迷っていた人も有機ELパネルに進むきっかけが出来たのではないかと思う。
他社もこの流れに乗ってくれれば選択肢も増えるのだが。