まもなく発表されるであろうIntelの第10世代。
14nm++で製造
Intelの第10世代デスクトップ向けCPUとされる「Comet Lake-S」だが、まもなく発表されると言われている。
そのComet Lake-Sの発表資料とみられるプレゼン資料がリークしているらしい。
そこには、モデルラインナップ情報などが含まれていて、スペックや価格も記載されているという。
北森瓦版
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10253.html
この情報によると、製造プロセスは言われていた通り14nm++で、新しいソケットであるLGA1200が使われるとある。
最上位は10コア/20スレッドのCore i9で、TDPが125W設定になっている。
当初からiGPUを組み込んでいないKFモデルがリストに含まれていて、もっともローエンドであるCore i3で4コア/8スレッドとなっており、Celeronブランドを除くPentium Gold含めたモデルでHyper-Threadingが有効化されているようだ。
また、Core i9でThermal Velocity Boostが実装され、実行温度が良好なラインにあればさらに実行周波数を上げられる機能も、噂通り実装しているようだ。
搭載しているコア数でAMDの第3世代Ryzenには及ばないものの、14nm++で可能な限りの高速化手段で、その性能を詰めてきている事が、この情報から見て取れる。
PCIeは3.0止まり
ただ、このComet Lake-Sに組み合わせる事となるIntel 400シリーズチップセットは、搭載するPCIeは3.0止まりで、4.0は実装しないようである。
また、2.5GbpsのIntel Ethernet Connection I225はサポートされ、Wi-Fi6 AX201のサポートは今までの情報どおり実装されるようである。
こうした情報を見てみると、今現在のIntelはどうもAMDに一歩遅れてきているように見えてくる。
もちろん、進んでいる部分もある。ただ、総合的にAMD有利に見えてくるのは、多分私だけではないはずだ。
製造プロセスの立上げが上手くいかなかった事が、最終的に全てに響いたのか、それとも基本設計を完全にゼロから見直したAMDが上手く時流に乗ったのかは、意見の分かれる所ではあるが、少なくともAMDがZenアーキテクチャに切り替える際、設計を大幅に見直した事が大きく影響しているのは間違いないところではないだろうか。
価格的にみて
ココからは現実的な話ではない事かもしれないが、価格という側面からAMDと比較していきたい。
今回、IntelからリークしたCore i9の最上位である「Core i9-10900K」だが、その価格は488ドルだとされている。
ドルと円の為替レートでいくと、現在1ドルは約107円弱なのでまともに換算すると52,216円という事になる。当然このままの価格になるわけがないので、おそらくは消費税込み6万円後半という価格に落ち着くのではないかと思うが、その6万円後半の性能が、AMDのRyzen9 3900X(12コア24スレッド)の平均価格65,780円(税込)と比較して、どれぐらいの性能差なのかがポイントになる。
Core i9-10900Kは、ベースクロック3.7GHzでブーストクロックが5.1GHzになる。
一方Ryzen9 3900Xはベースクロック3.8GHzでブーストクロックが4.8GHzになる。
ほとんどのケースでベースクロック以上のクロックで動作はするだろうが、ブーストクロックで動作し続ける事は不可能なので、総合的に見て動作クロックの平均値はRyzen9 3900Xに分がありそうに考えられる。
また、搭載しているコア数もRyzen9 3900Xが2コア多く、スレッド数では4スレッド有利になる。
問題はこの3900Xが2コア多い事で、動作クロックの平均値がどれだけ下がるか、という所である。
IPCで考えても、Intelが今回のComet Lake-Sでどれだけの改良を施したかでIPCの上昇幅が変わるのだが、おそらく今のIntelとAMDではそんなに違いが出ないと考えられる。
そうなると…コスト差だけの性能差が今回のCore i9-10900Kにはないように考えられる。
これは実際にベンチマークしてみないとハッキリした事は言えないのだが、予想ではIntelがちょっと不利なのではないかというのが、私の現時点での結論である。
今後のIntelに期待
Intelが圧倒的有利だった時は、AMDの復活を願っていた私だが、今の状況ではIntelの今後の復活に期待したいところが大きい。
今のCPUはほとんどの場合でIntelとAMDの2強争いになっている。どちらかにバランスが崩れれば、そこで競争の原理が働かなくなるので、ホントにIntelには頑張ってもらいたいところである。
ただ、この話はあくまでもx86ベースでの話であり、ここにARMが加わってくると話は変わる。
Appleが2021年にもARMベースのMacを発売するのではないか、という話が出てきている。
MacはWindowsとは違うので、影響がないように思うかも知れないが、スマートフォンの大部分がARMベースで動作していて、今現在はそのスマートフォンの影響力が強いのもまた事実。
MicrosoftもARMベースのWindowsを公開しているし、今後の様相はどうなるか分からない。
x86ベースのCPUがなくなる…という事は遠い未来は別にしても、今すぐには考えにくいので、今は結局はIntelとAMDの2強が戦うしかない。これらが上手くバランス状態にある市場がもっとも安定した市場でもあるので、傾きつつあるIntelにはホントに頑張ってもらいたいところである。
さて…私はいつ頃にメインPCにテコ入れしますかね(-_-;)