小中学生の専用PC所有率は34%に。
最近は伸びてるのかも?
DELL及びEMCジャパンが、小中学生の子供を持つ家庭を対象としたPC所有と利用動向に関する調査の結果を発表した。
全国の小中学生の子供を持つ男女1,035名を対象としたインターネットアンケートの結果で、購入による所有が32%、譲渡等購入以外での所有で2%と、34%の小中学生が専用のPCを所有していると回答しているそうだ。
また、現在所有していないが半年以内に購入を予定していると回答した人は17%となっているそうだが、アンケートを実施した期間が4月14~15日という時期的なものもあり、オンライン授業等を見据えた結果、17%という数値が出たのではないかと私は予想する。
所有しているPCのタイプとしては、61%がノートPCで、19%がタブレット、16%が一体型もしくはデスクトップと回答しており、価格帯については5~9万円が38%、5万円未満が32%となっており、概ね10万円以下の安価なタイプに集中している事がわかった。
イマドキのPCはCPU内蔵GPUの性能もそこそこ良いので、これで十分という事なのだろう。
正直、この結果を見て、私は「最近は所有率は伸びたのかな…」と純粋に思った。
数年前だと、ここまでPCの所有率は高くなかったように思う。
その結果、イマドキの新社会人でスマホやタブレットは扱えるのにPCは使えないという新人類が登場していたワケだが、最近はプログラムを学校教育で教えようなどの動きがある事で、PCに触れる子供が増えつつあるのかもしれない。
できれば自作を…
個人的に、こうしたPCに触れる子供が増える事は、今の日本では大切なのではないかと思っている。
前述したように、今はプログラマーが必要時代でもあり、AIをどのように扱っていくのか、ビッグデータをどのように扱っていくのかを考えることのできる人材が今後はより必要になってくると考えられる。
そのような時、プログラムの基本的な事がわからない、ではどうにもならない。世界的に、プログラム教育が遅れている日本だからこそ、その遅れを取り戻すべく、PCに回帰して欲しいという思いがある。
ただ、そのPCはできれば自作PCでお願いしたいなぁ…なんて個人的に思っている。
イマドキの自作PCは、そもそも構成部品さえ覚えられれば、繋げるケーブルは全て専用ケーブルだし、間違ったコネクタにコードを挿すという事がまずあり得ない構造になっている。
なので、一番の問題はどのような部品が必要なのか? という事を理解できているかどうかであり、そこさえ押えられれば自作PCを組立てる事そのものに難易度はない。
ただ、ここで性能要求が入ってくると、どの部品を選べばよいのかが分からなくなるので、そこが難しいというのはあるかもしれない。
これからはソフトウェアだけでなく、ハードウェアも含めてある程度の知識は欲しいところなので、できれば自作PCでコンピュータというものに触れるという事を学んで欲しいと私などは思うわけである。
Raspberry Pi
世界では、プログラムの教育に使われるコンピュータはもっと安いシステムで作られる事が多い。
特に途上国などはそもそもコンピュータに割り当てられるコスト要求が相当に低いものになるので、そこからRaspberry Piが生まれた。
現在最安値は5ドルコンピュータと言われるRaspberry Pi Zero系かもしれないが、それでもOSと開発ツールさえあればプログラムの勉強はできたりする。
日本では、教える側がWindowsを要求したりするので、x86コードで動作するPCが当たり前のように使われているが、それはある意味とても恵まれた環境と言える。
それでも日本はプログラム教育が遅れているのが実情で、それはよく分からないものには触らない、分かる人にまかせてしまう、という日本人特有の考え方が原因のように思うので、やはりまず慣れるという意味でもハードウェアにも触れるべきではないかと思ったりする。
最近はRaspberry Piシリーズだけでなく、他にもワンボードマイコンが台頭してきているので、バリエーションもいろいろあるワケだが、手軽にプログラムを書ける人材がそういった手軽に入手できるデバイスを扱っていろんなアイディアを生み出して行ければ、今とは違った問題へのソリューションへ繋がっていくのではないかと思う。
私も初めてコンピュータに触ったのは小学5年生の時だった。
私はプログラマーにはなれなかった人だが、少なくともコンピュータに携わる人がこれからの社会を支えていく人になるだろう、という漠然とした未来像は感じていた。
そしてその予感は数年後には現実のものとなり、今では必須のスキルとさえ言えるものになった。
所有率34%は、正直言ってまだまだ低いのが実情だと思うし、できればもっと多くの子供たちがコンピュータに触れられる時代になって欲しいと切に願うものである。