モバイル向けNavi 10の事だったのか。
Radeon Pro 5600M
AppleがMacBook Pro 16インチに、新たなオプションを追加した。
それが、内蔵するGPUに新たに「Radeon Pro 5600M」を選択できるというもので、この「Radeon Pro 5600M」に採用されているGPUが、Navi 12と呼ばれる、以前から噂にだけ出ていたGPUらしい。
では「Radeon Pro 5600M」というビデオチップは、どのような特徴があるのか?
まず、製造プロセスは7nmで製造され、基本的なアーキテクチャはRDNAを採用する。搭載するCompute Unitは40基で、VRAMは高速かつ低消費電力なHBM2を2スタック分搭載する。2スタックなので容量は8GBという事になるが、メモリ帯域も14GbpsのGDDRを256bitで接続する他GPUに劣る仕様なので、HBM2を採用するのは、あくまでもGPUとメモリを立体的に組み合わせる事のできるフットプリント削減の為と、省電力の為に採用していると考えられる。
動作クロックもNavi 10から比べて低めに設定されているようなので、あくまでも低消費電力時にパフォーマンスを稼ぐ事を第一に設計されていると考えられるので、ノートPCに置けるパフォーマンスアップの為だけに作られていると考えられるが、どうも実質上Apple専用のビデオチップのようで、コンシューマ版、Professional向けのRadeon Proとしても単体購入は出来ないようである。
選択肢は増えたが…
事実上、Apple専用となる「Radeon Pro 5600M」だが、標準搭載Radeon Pro 5300M(4GB)との差額は+8万円なので、安い買い物ではない。
ただ、搭載するCompute UnitはRadeon Pro 5300Mと比較して2倍の40基搭載している事から、性能は期待してよいと考えられる。但し、動作クロックは若干下回るし、搭載しているメモリがGDDR6からHBM2に変わっているため、挙動が変わる部分も多少はある。
2倍のCompute Unitだからといって単純に2倍の性能が出る、というわけではないので、注意が必要である。
ただ、ノートPCとしての性能としてはかなり上位にくるであろう事は想像できる。しかもこれだけ薄い16インチノートPCでの性能と考えれば、Windows機でも真っ向勝負できる機種は限られるだろう。
価格と性能のバランスがどうなのか? というところは、正直微妙なものを感じないわけではないが、Apple信者なら大問題と捉える事なく受入れられる性能対価格比ではないかと思う。
ちなみにRadeon Pro 5600Mを搭載した場合の税別最小構成価格は328,800円になる。メモリ増やしたり、CPUをハイエンドにしたりすれば、その分価格はまだ上がるので、より上位な製品が追加されたぐらいに考えておくのが良いのかも知れない。
WWDC 2020
先日、WWDC 2020で、ARM版Macが発表されてからがMacBook Pro 13インチ 2020版の購入の可否を決めるべき、とBlogで書いたが、今以てその思いは基本的に変わらない。
Aシリーズ、とくにA12 Bionic以降のAシリーズの性能を考えれば、今のIntelコアよりも期待できる部分が数多いので、そこはやむを得ないところだが、問題はそのAシリーズプロセッサに対応するMac OSに全てがかかっている。
ただ、そうした初物に飛びつくリスクを考えると、5年~6年使うと想定した時、IntelコアのMacBook Proを購入しても後悔しないのかな? という気持ちもある。
今まで、ARMを搭載したPCが成功を収めた例というのはほぼ聞かないので、結局汎用に使っていこうと思えば、x86コアの方が安定してくるというのが、今までのセオリーである。
そう考えれば、今冒険する必要は全くないわけで、定番で買ってしまうというのも悪い話ではない。
どのみち、ARM版Macが発売されるとわかったところで、発売は2021年以降になり、それに合せてMac OSだけでなく、各種アプリケーションも対応していかねばならない事を考えれば、本格的に使える様になるのは早くても2021年後半になる可能性もある。
全ては机上の空論なので、今ある確実なものを手にするという選択肢が、一番賢い選択肢だった、なんて事はよくある話である。
というわけで、とりあえず私がMacBook Pro 13インチ 2020版を購入するとして、その時期は早ければ6月23日(日本時間)の直後くらいかもしれない。
必要という需要がジリジリと私を追い詰めてきているので、どこかで決めてしまわねばと思っているのだが、他に費用が嵩む事が6月22日に待っているので、その結果で翌日購入するか、それともしばらく待て、が続くのかが決まる。
うーん…6月22日に必要以上に費用がかからなければいいなぁ、と願うばかりである。