Becky2からThunderbirdへの移行を行うにあたり、トラブルの連続である。今日のBlogはその備忘録である。
Becky2からのデータ抽出
Becky2で受信した過去メールをThunderbirdに取り込むには、メールデータを別のデータへと変換する必要がある。
そこでBecky側にデータをエクスポートする為のプラグイン「CircleBecky」をインストールする。
CircleBecky
https://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/net/se252604.html
2005年製のプログラムなので、実行するとエラーが表示されるが、強制インストールを敢行、それで問題なくインストールできた(Windows10環境)。
特にこのプラグインそのものの設定は必要は無いが、このプラグインの設定で拡張エクスポートするデータがeml形式になるかmbox形式になるかが決まるので、もしmbox形式にするならプラグインの設定で変更する必要がある。
私はeml形式で進めたので、プラグインの設定はそのままで問題なかった。
このプラグインをインストールした後、Becky2の「ファイル」→「フォルダ」から「拡張エクスポート」を選ぶと、現時点で選択しているフォルダのデータが特定のフォルダに保存される。特定のフォルダは予め用意したフォルダで、それは後々Thunderbirdでインポートする際に指定するフォルダになる。
この「拡張エクスポート」で、全てのメールボックスの全てのフォルダをエクスポートする。
Becky2の作業はここまでである。
バージョン60のThunderbird
次にThunderbirdでの作業に入る。
バージョン60.0のThunderbirdをインストールし、とりあえず今現在受信しているメールの設定でアカウントを作成する。
そのアカウントの受信トレイに、Becky2のデータを取り込む事になるのだが、まずは「ImportExportTools NG」というアドオンをインストールする。
このアドオンをインストールすると、Thunderbirdは再起動を促してくる。ここで、先程設定したアカウントの設定において、Thunderbird起動時にメールの受信を行うという設定を切っておくことをお薦めする。メールサーバのデータを起動時に獲りに行くと、今回移設するメールデータで受信記録が二重取りになる可能性があるからだ。ま、獲ってしまったなら、あとから削除すれば良いだけなので、大きな問題という程のものではない。
Thunderbird再起動後、設定されたアカウントの受信トレイを右クリックすると、サブメニューに「ImportExportTools NG」という項目があり、さらに右側にサブメニューが拡張する。そこで「フォルダからすべてのemlファイルをインポート」を選ぶと、さらに右にサブメニューが広がる。そこでは「サブフォルダも含む」を選ぶと良い。
すると、先程「CircleBecky」の「拡張エクスポート」で抽出していたフォルダを選べるようになるので、そのフォルダを指定してやれば、Thunderbirdの該当アカウントの受信トレイ下に、Beckyで登録していたフォルダが次々と作成され、メールデータが全て変換されインポートされる。
これでメールデータのインポートは完了である。
複数のメールアドレスをBeckyで運用していたのなら、Thunderbirdに次々とそれらのアカウントを設定し、今のメールデータインポートを続けていく。それでBeckyからThunderbirdへのメールボックスデータの移設は完了である。
アドレス帳のインポートはまた別の手段を執る必要があるが、これはできればThunderbird上で新たに設定する事をお薦めしたい。
Becky2の標準機能でテキスト形式やvcard形式で移設する事もできるが、結構編集に時間がかかったりするので、新たに設定しても同じだけの時間がかかるのではないかと思う。特にvcard形式は、登録するメールアドレス1件に対して1つのデータなので、その数の分だけインポートしてやる必要があるので、インポートそのものにも時間がかかる。
なので、これは登録数とも相談にはなるが、必要な登録データの見直しを含めて新たに登録する方が良いかもしれない。
バージョンを引き上げる
ここまでのインポートが出来れば、あとはThunderbirdのバージョンを引き上げる必要がある。
ただ、これには限界がある。
例えばバージョン60.0のThunderbirdの場合は、Thunderbird上でどんなにバージョンを引き上げても、バージョン68.12で止まる。
今の時点で最新バージョンは78.0なので、それにする為にはThunderbirdバージョン78.0そのものを新たにダウンロードしてきて、アップデートする必要がある。
後々には68系から78系へのアップデートも自動化するかもしれないが、現時点では自動ではアップデートしないので、どうしてもアップデートしたい場合は、手動で行う必要がある。
但し、私は78系へのアップデートはお薦めしない。
現時点で対応しているアドオンが少ないという事もあり、利便性が劣るからだ。
Thunderbirdそのものの機能は78系は優れている面も多いが、普段使いの様相が変わってしまう可能性があるので、今はまだ68系で十分ではないかと考える。
便利に使うために
Thunderbirdで便利に使って行く為には、いろいろ振り分けのフォルダを作って、その振り分けのメールフィルターを登録したりとやることもとても多い。
また迷惑メールの学習もやり直しになるので、安定して使って行くには今後しばらく時間がかかるだろう。
また、これは私の環境で実際に起きた事だが、メール本文は文字化けしていないが、なぜかメールアドレスや件名が文字化けしてしまっているケースも出たりする。
解決方法もまだ見つけてはいないが、トラブルはまだまだ多発する可能性もある。
こうした大がかりな移設は、そう頻繁に起きる事ではないが、たまに移行などしようとする際にトラブルと共について回る問題になる。
なので、今回Thunderbirdに移行するという方向で本当によかったのか、という事に随分と悩んだ。
本当はGmailに移行してしまって、Webから常にアクセスできる環境にした方が良いのではないかとも思ったのだが、ローカルでの運用を検討せざるを得ない状況から、Thunderbirdへの移行という形を取った。
個人で使用するだけなら、Gmailでの運用の方が環境を常に一定にできるので、便利だと思うのだが、今回は会社がらみの部分もあり、私だけの運用ではない事から、あえてThunderbirdとした。
というか…このメール文化もそろそろオワコンにしてくれるといいのだが…。
SNSって、どうしてもビジネスで利用するって側面になりにくいので、そういうのを革新的に変えてくれるものが登場しないかぎりは、まだまだメールが使われる事になるのかな?
ま、日本はまだFAXを使ってる国民なので、この辺りの進化は遅いのかも知れない。