いよいよ発売された有機ELパネル採用の新型Switchだが、子供に優しくない仕様のようだ。
物理的に変わったところ
10月8日、ついに有機ELパネル採用の新型Switchが発売となった。
既に転売事例が多数報告されていて、定価より1万円超の価格が付けられて出品されているとか…。ま、商売の基本は確かに仕入れ価格に上乗せして販売する、という当たり前の事ではあるのだが、人気商品に焦点を併せ、高額販売するのはちょっとどうかと思わなくもない。欲しい人に行き渡らない事をいい事に、こうした転売が繰り返される事で、ビジネスが成立してしまう弊害は、昔は今ほど起きなかった事だが、やはりこれも情報を手軽に入手できる時代になった事の弊害という事かもしれない。
ま、転売の話はここまで。
新型Switchが今までのSwitchとどこが違うのか、という事については、当Blogでも今まで説明はしてきたが、物理的に変更となった部分で一番大きいのは、何と言っても有機ELパネル採用になった、という事。
これによって見やすくなったのは良いのだが、普通の人はメーカーが変化点を発表するとその変化点を真っ正面から受け止め、単純にメーカーの言葉を鵜呑みにしてこの有機ELパネルへの変化点を良い事として受け止めるのだが、修理を生業としている人からすると、その変化点を一般人とは異なる視点で見ているのだな、という事を、ある動画を見て知る事となる。
動画投稿主のあすか修繕堂の社長は、子供からSwitchの修理の依頼を受けて、可能な限り修理するといいつつも、その仕様からどうしても修理できないものもある、という事を今まで言い続けてきた人である。
Switchは、確かにそのギミックが面白いコンシューマ機だが、それだけに非常に問題を多く抱え込んだ機種でもある。
今までの任天堂の機種は非常に頑丈というイメージがあったが、このSwitchに関して言えばとにかく壊れる、という事が多く、それは中身をバラすとよく分かるぐらい脆い設計になっていたりする。
それらを実際にバラして動画公開したのが、このアスカ修繕堂の社長で、YouTube動画でその脆さを訴えかけてきた。
そのアスカ修繕堂の社長が、さっそく新型Switchを入手、バラした事で、今回の新型の見えざる問題点を提示している。
今までのSwitchは、樹脂製のパネルを使用する事で、落下させてもパネルが割れにくい事で、子供の取扱いでも安全性を担保していたようだが、今回の有機ELパネル仕様は、パネルがガラスとなり、落下させて割ってしまうとその修理代がパネルユニットまるまる交換でバカ高くなるようだ。
こんな視点、修理屋じゃなければわかるわけがない。そういう意味では、このような情報はじつに有りがたいものである。
とにかく扱いは丁寧に
というわけで、今回の新型Switchは、落下による衝撃でパネルが割れるという事がわかった。構造上、そのガラスも決して厚いものではないだろうから、落下の衝撃で意外と簡単に割れる可能性がある。
扱いを丁寧にしないと、その修理代がバカみたいに高く付き、結果、新品が買えるんじゃないかというような状況になりかねない。
しかも、JoyConは従来のものと全く同じなので、アナログスティックのドリフト問題も改善されているわけではない。
耐久力という意味では、従来機種よりも脆くなったと言えるかも知れない。
…そうか、だから従来機種との併売なのか、と妙に納得してしまった。
上位機種の存在
先日、当Blogで上位機種の存在について記事にしたが、私は上位機種が登場する、と見ている。任天堂だって、収益を確保する必要があるだろうから、Switchのプラットフォームを活かしつつ、それを如何にして長期に保つかという事が一つ重要になってくる。
であるなら、より処理性能に優れた上位版を出して映像品質に差をつけたモデルを出すことで、コンテンツは共有、表現だけ上位と下位で作り分けるという、PS4とPS4 Proのような関係のバリエーションを考える可能性がある。
この表現だけに差別化を持たせるという方法は、コンテンツを共通化する事で、下位モデル所有者でもゲーム体験は同じものを得られるというメリットがある。
見た目には確かに違いはあるが、体験は同じなので、そこに良さを求める人は上位機種に行けば良いし、体験が同じなら安い下位モデルでもよい、と考える人はコストメリットを得られる。
特に4K+60fpsという最近の時流に乗ることで、製品価値をイマドキのものに持ち上げる事ができるメリットは大きいと思う。
ただ、上位機種がもし発売されたとして、その耐久性はどうなるのだろうか?
今回の新型を見ると、やはり耐久性一番という視点では作られないような気がする。ま、上位機種は子供向け製品にはなりにくいだろうから、今回の新型Switch以上に耐久力は期待できないかしもれない。
もっとも、上位機種が出るとは限らない。
私は登場して欲しいと思っているし、万が一耐久力が既存機よりも下回るようであっても、それはそれで上位機種だから、という割り切りは必要だと思っている。
ただその場合、上位機種にはそれなりの価格差が必要なほどの上位っぷりが大前提になるようにも思う。
果たしてどうなる事やら…。
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