Switch用ゲーム「Voice of Cards ドラゴンの島」の体験版をプレイしてみた。
全てがカードで表現される
情報が公開されてから、ちょっと気になっていた作品に「Voice of Cards ドラゴンの島」というタイトルがあった。
当BlogではNintendo Switch用と最初に書いたが、PlayStation4、Nintendo Switch、Steam(PC)と3つのプラットフォームで発売される。
私としては、Switchは持ち運びが出来るので、今回、体験版はSwitchでプレイしてみた。
本タイトルは、エグゼクティブプロデューサーとして斎藤陽介氏、クリエイティブディレクターとしてヨコオタロウ氏、ミュージックディレクターとして岡部啓一氏が参加するという、NieRシリーズでおなじみの3人が参加しているタイトルになる。
ただ、NieRシリーズのようなアクションを売りにしているものではなく、グラフィックイメージとしては同じくクリエイティブディレクターとしてヨコオタロウ氏が原作を担当しているモバイルゲーム「SINoALICE」に似たようなイメージで、かつそのシステムはここ最近ではあまり見ないタイプのものである。
直球でTRPG、或いはカードゲームを模したスタイルで、テーブルの上に広げられたフィールドに登場人物、土地、装備、技能…その他ゲームを構成するほとんどのものをカードに表現して広げていく、そんな電源なしゲームのイメージで作られている。
私からすると、とても懐かしく、馴染みのある見た目である。
しかも、ゲームの進行もまさしくTRPGと同じで、ゲームマスターが物語を淡々と表現、進行し、ランダム要素を使う時はダイスを使って処理していく。
面白いのは、ゲームを構成しているそれぞれのオブジェクトが何か変化する時、それはカードが処理される事で表現しているという事である。世界は全てカードで表現される、というのはそういう事である。
ゲームマスター
テーブルトークでは、ゲームマスターは世界の全てを管理する。物語の進行もゲームマスターが行い、ロールプレイヤー(役割を演じる者)への世界の説明も、アクションの処理も全てをゲームマスターが運営する。
この「Voice of Cards ドラゴンの島」も、ゲームマスターが設定されていて、そのゲームマスターとして安元洋貴氏が担当している。本作、声優はこの安元氏のみで作られているという、最近のゲームではあり得ない作りになっている。
ゲームの進行は全て安元氏が語り、薦められるので、安元氏とTRPGをプレイしているような感覚に陥る。
実際、TRPGでゲームマスターを経験するとわかるが、これはこれで結構しんどい。物語の説明もしなければならないし、状況の説明もしなければならない。あげくロールプレイヤーの行動の処理もゲームマスターが行うのだが、これはコンシューマ機なので、そういったアクション処理はコンピュータ化されているだけマシかもしれない。基本、安元氏の声(説明)を聞きながらプレイし、自分は選択肢を選ぶのみで薦められる。
ただ、そのプレイ感覚はTRPGやカードゲームのソレに近いので、とてもプレイしやすいのは間違いない。
見た目がそうしたTRPGやカードゲームを模したものなので、派手さには欠けるが雰囲気はバッチリである。
で、その内容だが…そうした派手さに欠ける作品でもあるので、Storyを語ってしまうとその面白さが半減してしまうので、中身に関してはあえて説明しない。気になる人は体験版をプレイしてもらいたい。
ひとつ、私から言っておくと、正統な日本のコンピュータRPGをカードという表現で見事に再現していて、そこにヨコオタロウ氏の独特の世界を織り込んだ事で、世界を真っ正面から見るだけでなく、その裏側を見ることができるようになっているような内容である。裏側…実際にキャラクターカードにもカードだけに裏があるわけで、そこに何が書かれているかは、製品版を見ればわかるだろう。
ダウンロード専売
本作、PlayStation4、Nintendo Switch、Steamと3プラットフォームで発売されるが、すべてダウンロード専売で、価格も3,520円(税込)と低めに抑えられている。
DLCセットも存在し、それは価格が4,356円(税込)となっているが、それでも安めの設定である事に違いはない。
何故この価格なのかというと、どうも元々はスマートフォンのモバイルゲームとして企画されたものだったが、途中で売切りのコンシューマタイトルへとシフトした関係でこうなったらしい。なので、コンシューマタイトルとしてはボリュームが少し小さいのかも知れない。ただ、それはプレイしてみないとわからない事である。
また、ダウンロード専売ではあるが、スクウェア・エニックスのe-Storeでは特装版という形でアートブックレットやメタルカードなどが同梱された製品が発売される。但し、この特装版であっても、中に入っているのはダウンロードコードが書かれた紙片が同梱されているという事なので、ゲーム本体はあくまでもダウンロード版のみ、という事になる。
ちなみに、発売は10月28日(Steamのみ29日発売)で、それまでに予約すると特典としてインゲームアイテムが貰える。
Voice of Cards ドラゴンの島 公式サイト
https://www.jp.square-enix.com/vocd/
正直ボリュームがどれほどのものかがわからないのが気になる所だが、NieR、SINoALICEなどヨコオタロウ氏の世界観が好きな人、岡部啓一氏の音楽が好きな人であれば、満足できるタイトルではないかと思う。
とにかくどのようなものなのかは体験版をプレイしてみればすぐにわかる。
体験版は、本編の前日譚なので本編とは内容が被らない。そういうところも魅力である。気になる人はぜひプレイしてみることをオススメする。