ピボットで回すワケじゃなく、はじめから縦型の液晶モニタ。
DualUp Monitor
LG Electronicsが22日、縦横比16:18の27.6型モニタ「DualUp Monitor(28MQ780)」を発表した。
縦横比16:18と、後ろ側にくる数字が大きい比率のモニタを私ははじめて見た気がするが、要するに縦に2枚分の液晶パネルが繋がっているような形のモニタになる。
解像度は2,560×2,880と、解像度の面でも2,560×1,440が2つ分だという事がわかるが、サイズ的には21.5型のWQHDモニタを縦に並べた感じになる。
機能として縦の画面分割表示機能をもっていて、横側に広いモニタと同じ事が縦でできると考えれば良い。
メーカーとしては左右だと首の痛みの原因にもなるが、縦にする事で左右の動きを減らせるとしているようだが、私が思うにこのモニタを使う人は、このモニタでデュアルモニタとして運用し、最終的には4画面分のモニタとして利用する人が多いのではないかと思う。
使われているパネルはLGの高品質パネルであるNano IPSパネルで、中間色応答速度が5ms、輝度は300cd/平方m、コントラスト比は1,000:1となる。色域はDCI-P3を98%カバーし、HDR10にも対応するとしている。
インターフェースはHDMIが2基、DisplayPortを1基、USB Type-C(映像/96W給電/データ伝送対応)を1基、USBポートを3基(内1基はアップストリーム)となっている。各インターフェースの規格詳細がハッキリしないが、HDR10対応という事なので、HDMIは2.0bには対応しているのではないかと思う。
モニタの多様性
所謂、一般的な形状、サイズのモニタはとても想像しやすいが、変形モニタは案外と想像が難しい。
たとえばWQHDを横に2枚となると、通常のデュアルモニタ構成から想像する事はできるが、実際デュアルモニタとして2枚のモニタを使うのと、WQHDの横2枚分の横長モニタでは、その見え方とかが全く異なる。私自身、21:9のモニタを使用しているから特にそう思うのかも知れないが、実際の使用感というのは案外実物を見ないとわからない事が多い。
縦型であればなおのことである。
EIZOからも特殊な形状のモニタとして真四角のモニタが発売された事がある。縦も横も1920ドットの26.5型モニタ「EV2730Q」だが、コイツも実機を見ないとその使い方はなかなか想像できないところがある。
縦にスクロールを多用する用途には最適なようだが、横に資料を広げるような使い方には使えない為、用途を選ぶモニタと言える。
今回の「DualUp Monitor(28MQ780)」も、用途としては「EV2730Q」と同様な使い方が想定されるものと思われるが、用途によっては使いやすいが一般的ではない、というものだと言えるのではないだろうか。
モニタはそろそろ移行時期
さて、モニタ全般の話をすると、そろそろ接続機器の要求を丸呑みできるモニタが出始める頃と言える。
4Kモニタで120Hz&HDR表示が可能なモニタが出始めているので、ココからはある意味私の希望するスペックを持つモニタと言える。
ただ、それらの性能を要求すると、まだモニタの価格が高いところがあるので、数が出て熟れるまで待つ必要はあるかもしれない。
当Blogで私がいつも言うのだが、Windowsで100%の拡大率でなおかつデスクトップを広く使える状況で4Kモニタを達成しようとしたら43型程度が必要になる。その43型4Kモニタの中に、120Hz&HDR10対応のモニタが登場した時点で、要求性能を満たす製品という事になるのだが、その製品がようやく登場したのがここ最近の状況である。
製品によっては、4Kよりも表示画素数の少ないモニタで175Hz対応とか160Hz対応とかのモニタが登場し、それらがかろうじてHDR 400~600対応という製品なので、これらの製品の価格が手頃な価格になってはじめて、4K&120Hz&HDRという条件で、皆が手頃と言える製品が普及する土台が出来た、と言えるかも知れない。
この条件が達成されるまではあと僅かだと見て言いように思う。
訴求スペックにようやく追いついた…そんな感じである。
より広く、より綺麗に、より滑らかに映るモニタの実現まで、あと少しである。