母親が入院し、そろそろ3週間になろうかという状況。
退院に向けて
今から一週間ほど前だっただろうか。
担当医師から電話があり、一度説明をしたいという事で病院に呼び出された。
話を聞くと、母親の脳梗塞は急性ではなかったという事から、投薬による血液改善の治療を中心に、リハビリを続けているという内容だった。
そしてそのリハビリに関しては、その時点で2~3週間は必要だろう、と言われ、結局どんなに急いでも今月中の退院は厳しいという事が判明した。
それはある程度覚悟していた事でもあるので、やむを得ないなとは思っていたが、同時に、介護保険を申請してはどうか? という話を聞く事となった。
確かに、歩行という部分においては不都合な事も多かったのは事実だが、家の中での生活であれば、大凡一人でできていた事もあって、私としては随分と大げさな話だな、とも思ったが、結局一人でできない事があれば、それは介護の範疇に入る、というのが、病院関係者の判断でもあり、ここに私の認識不足がある事が判明した。
介護といっても、それには対象者のレベルが存在し、重度であれば受けられる保険料は大きな額になるが、軽度であれば保険料は小さな額ではあるものの、受けやすいという感じである。
母親は歩行にある程度難があるが、決して一人で歩けないわけではない。もっとも、誰か付いていた方が良いというのも事実なので、一人での外出は今全くない。他にも生活の中で誰がに手助けしてもらった方が良い活動があれば、その部分だけを何かしらの形で補えれば…というのが、介護保険の使い所になるという。
というわけで、私としては人生初の、介護保険申請というものを先週行ってきた。
市役所での申請
市役所の福祉課(地方自治体でいろいろ違うケースもあるだろう)に行き、介護保険の申請をしたのだが、どうも病院側から先に市役所に連絡がなされていたようで、担当者は私の情報をある程度知っていた。
そうなると話は早く、申請書に必要な情報を記載して、あとは本人調査を実施する必要がある、と言われた。
この本人調査というのが、福祉課の職員が要介護者を実際に訪問して、どれぐらいの介護が必要な存在かを確認し、実際の介護レベルを判定する情報源とするための調査の事であり、これが要介護者の介護保険適用の要になる。
私は、母親の状況から察して、おそらくは一番下のランクに入るだろう、と最初から目処を付けていたのだが、その調査が昨日行われた。
要介護者の意識レベル、知覚レベル、運動レベル、記憶レベル、等々、いろいろな質問をして、どこまでの介護レベルかを判定するらしい。
ウチの母親は、意識はしっかりしているし、知覚も問題はなく、記憶にも全く問題はない。問題は体を動かす時に、不都合な動作があるという部分で、おそらくその部分で介護レベルが決まるものと思われた。
実際、受けられる事はほぼ間違いないが、ランクとしては一番下のものになるだろう。これを喜んで良いのか、そのとも悲しむべきなのかは、その家庭によって様々だろうが、ウチの場合は、もともと介護を受けようという話も最初からなかった話なので、ウチの母親はまだ元気だ、として、喜ぶべき事、と捉えた。
まだまだ先は長い
この介護保険を実際に受けるとなった時に要する期間だが、一ヶ月近くはかかると言われた。
つまり、今の状態だとウチの母親が退院してから結論が出る、という感じである。
それまでは家族で支えろ、という事でもあるわけだが、それはもうシステムの問題なので、受けざるを得ない。
その介護レベルが確定したあとは、ケアマネージャーと呼ばれる人がやってきて、実際の介護の内容の相談になる。
ヘルパーさんを呼ぶのか、それともデイサービスを頼むのか、それとも介護上必要なものの購入になるのか、等々、介護保険が適用できるものはいろいろある。
ただ、ウチの母親曰く、自分でできる事は自分でしたい、という事もあり、本人の意思で、どこまでのサービスをお願いするかが変わってくる。出来ない事をどこまでサポートしてもらうのか、という考え方の方が、選びやすいかも知れない。
私としてもウチの母親の考えは何となく判っていて、これによってお金がかかる事を嫌っているのである。気持ちはわかるが、私はもうコレはやむを得ない出費だと既に考えているので、あまり気にしすぎてもらっても困るのだが。
というわけで、人生で初めて介護保険というものに遭遇した。
父親の時は、介護保険を頼む前にいろんな部分で問題があって使う事が無かったのだが、これも時間と共に必要な制度である、という事が何となく見えてきた。
できれば使わなくても良いというのが理想なのだが、そうとばかり言ってもいられないのが現実である。