要介護者である母が、久々に入院となった。
不調の兆候
昨日から、母の様子が少しおかしい事に気づいた。
ヘルパーさんが、珍しく昼食を半分残した、と介護記録に記載しており、また微熱傾向にあった。
私も自宅に戻ってきてから、夕食を介助したのだが、食べたくないと食事を拒否し、結果的にいつもの量の1割程度の食事しかしなかった。
さすがにそれだけだと体の維持ができないので、栄養補助剤「エネーボ」を1缶飲むに至った。
その後、私は翌日の食事の準備など家事をしていたのだが、どうも母の様子がおかしい。
熱を測ってみたら、腋あたりの熱で38℃ちょっとある事がわかり、昼間から徐々に体温が上昇しているらしい事が窺えた。
しかも、いつもなら大人しくベッドの上に横になっているにも拘わらず、妙に体を横にしたいと訴えてくる。こういう時は、体がいつもの調子ではなく、何か落ち着かない状況にある時に多い兆候である。
私の家事がほぼ終わるまでに、何度も体位変換を行う事を要求する母。正直、私自身体位変換を一人でやっていると、相当に体力を奪われるので、母との間のコミュニケーションが徐々に険悪になってくる。
家事を終え、残すは洗濯のみとなった段階で、洗濯機を稼働させて私は一度自室に戻るのだが、時間は既に23時を回った段階だった。
いつもなら、洗濯機が停止するまでは母から呼ばれる事はないのだが、この日はすぐに母からの呼び出しがあり、結局何度も体位変換をした。
落ち着かないのだろうという事は理解はしているが、このいつもと違う反応が、不調の兆候だったという事は、この時点ではあまり重く受け止められていなかったと言える。
尿路感染症
翌日、朝に体温を測ったところ、やはり38℃を超える熱が出ていたので、ケアマネージャに病院に連れて行く旨を連絡した。
流石に38℃台の熱を出し続けている状況では、放っておくワケにはいかないので、会社を休んで病院に行く算段を付けた。
病院に電話すると、体温が高い事から、発熱外来にかかれという事となり、お昼頃に病院に連れ行く事となったため、いつもの予定どおり、訪問看護師に来てもらった。
いつもは私が不在の中で母の体調を見てもらい、いろいろな処置をしてもらうのだが、今日は私がいるので、私も参加して母の容体をチェックした。
すると…母のお腹が異常に張っている事に気づいた。
どうも、尿が詰まっているらしい事がわかった。昨日より不調だった理由がここにあるのかもしれないと分かったので、発熱外来にかかる病院に現状を連絡し、発熱外来後に泌尿器科の診察ができるよう依頼した。すると、まずはカテーテルの交換から先に行い、その後泌尿器科にかかるという算段を付けてくれた。
訪問看護師と別れ、私は母を発熱外来へと連れて行き、カテーテルを交換したのだが、やはりカテーテルが詰まっていたのか、この時点で大量の尿がバルーンに溜まるという状態になった。しかも…その色かやたらと黒い。普通ではない、という事がこの時点でもわかった。
その後、血液検査を行った結果、白血球の量が異常に多い事がわかり、泌尿器科の医師より、入院治療する必要性を言われた。病名は尿路感染症である。
入院手続き
その後は入院の手続きを行いつつ、母も入院の為の簡易的な検査を受ける事になった。
母は入院したくないようなそぶりだったが、正直、この状態で自宅に戻っても世話を仕切れないと考えられた。
昨日の体調変化で私が体位変換を常にし続けなければならない時点で、普通に生活などできようはずもない。まして私が仕事に行っている間、母は自宅に一人である。体位変換したくてもできず、体をよじりながら泣き叫ぶだろう事は容易に想像が付く。
なので、母にはちゃんと治そうと言い聞かせ、入院せざるを得ない事を伝えた。
あとは慣れたものである。
私など、看護師から入院の説明は必要ですか? 不要なら省きますとまで言われた。
コロナ全盛期からくらべればいろいろな事が緩和されていたが、アメニティなどは全て頼む事にして、私の病院への出入りを少なくする事にした。
前回、退院したのは今年の4月1日なので、7ヶ月ぶりの入院である。
自宅でベッドに寝たきりの状態ではあるものの、半年以上も入院しなくても済んでいたのは、やはり訪問看護師に来て貰うようになった事の結果ではないかと思っている。
それでも結果的に腎臓が感染症になるのだから、膀胱にカテーテルを入れているという事がいかに気をつけていなければならない事か、という事がわかる。
…ま、わかったところで何かできるのかといえばそうでもないのだが。
というワケで母が久々に入院となった。
2週間ほどは私の一人での生活が始まる。
コレになれると、母が戻ってきた時にしんどい思いをするのだが、これもまた致し方なし
、といったところである。