私も使用するYAMAHAのAG06に、新型登場。
7年ぶりの新型
YAMAHAから発売されている配信用ミキシングコンソール「AG06」と「AG03」が発売されたのは、2015年春だった。実際には3月くらいには発売されていたので、今から7年も前になる。
今まで後継機が発売されていなかったのは、それだけ基本機能がしっかりしていたという事と、性能的に問題がなかった、という事である。
おそらく、今現時点でも何ら問題なく使い続けることができるだろうが、流石にインターフェースは徐々に新しくなってきている背景もあり、今回、マーク2という形で新型が発売される事となった。
価格はAG06MK2が23,100円、AG03MK2が18,700円で発売日は4月1日となっている。
USBでPCに接続するだけでAudioインターフェースとして使用する事ができ、ループバック機能を使ってPCの音も接続するマイクや外部機器の音も全てミキシングし、配信音声として使用する事ができる。
もちろん、それら入力された音は本体で個別にコントロールする事もできるので、手軽に配信に使える機器として人気モデルである。
独自のDPSによるCOMP、EQなどの音声処理ができ、さらにPCにインストールするソフトウェアでより詳細な設定で音声をコントロールする事ができるのだが、正直、これだけで配信では全く問題なく利用する事ができる機能を持っている。
今回の新型では、そうした基本機能を継承しつつ、性能を強化し、操作部には新たにミュートボタンを追加している。これは配信時にマイクをすくに消音できるようにするための配慮である。このミュート機能は、別売りのフットスイッチ「FC5」を使用すれば、足元でのコントロールも可能である。
他にも、AUX端子は入出力が可能になり、Android OSを搭載した端末などのアナログ接続に対応した。
また、インターフェースとしてUSB B端子からUSB Type-C端子へと変更され、今後接続機器として増えていくUSB Type-C端末との親和性を上げている。
MK2だから黒いのか?
MK2というと黒い…というのはZガンダムの話だが、今度のYAMAHAの配信用ミキサーもMK2という新型になってブラックモデルが追加された。
もっともZガンダムの黒よりもずっと黒色なので、別にそれを意識していたという事はまずあり得ないとは思うが、今までホワイトモデルしか存在していなかった事を考えると、バリエーション的には喜ばしい事ではないかと思う。
マイク1本でPC以外の音を1つくらいしか使わない、という人であれば、AG03MK2で十分とは思うが、もしマイクを2本使いたい、外部機器を複数取り込みたい、となればAG06MK2を選ぶ事になる。
AG03MK2とAG06MK2の違いは、それら入出力の数と、マイクボリュームがフェーダなのかツマミなのかの違いである。AG03MK2はフェーダで、AG06MK2はツマミになっている。
フェーダの方が使いやすいとは思うが、そもそも配信時に音量をこまめに調節する事はまずありえない。普通は一度セッティングしてしまえば、ON・OFFする事はあっても、調整する事はないのではないかと思う。
私は自宅ではAG06を使っているのだが、これはPC以外の音としてHDMI接続しているPS4やNintendo Switchの音、そして往年のMIDI機器であるYAMAHA MU2000の音を取り込むためにAG03ではチャンネル数が足りなかった為である。
基本的にはAG03MK2の入出力数で足りるのではないかと思うが、そのあたりは使うデバイスで検討するのが良いだろう。
マイク一体型とコンデンサーマイク
今回のMK2モデル発表と同時に、AGシリーズとデザイン的マッチングを狙ったコンデンサーマイク「YCM01」が発表された。こちらもホワイト、ブラックの2カラー展開である。
Live配信時のトーク用途を想定したカーディオイド型の指向性をもったマイクで、扱いやすい周波数特性をもっている。
価格は13,200円で発売日は4月1日だが、AG03MK2とのセット品「AG03MK2LSPK」も40,700円で4月20日に発売される。このセット品には専用ヘッドフォンが同梱されてくる。
また、今回はマイクとミキサーを一体化したモデル「AG01」という製品も発売れる。
こちらは6月発売で29,700円となる製品だが、シンプルなスタンドマイク形状の筐体にミキサー機能を内蔵している。
PC等との接続にはUSB Type-Cを利用し、アナログ入出力としてAUX端子を持つ。
機能もほぼ同じで、DSPによるCOMP、EQに加えて、リバーブ効果をマイク本体でON・OFFが可能になっている。当然だがループバック機能も持っているので、ある意味マイクとPC(もしくはスマホ/タブレット)だけあれば良い、というのなら、この「AG01」だけで事足りる。
自分の使い方でマッチした製品を選べるようになったのは、喜ばしい事ではないだろうか。
というわけで、配信してみたいなと思っている人には選びやすい機器が登場したのではないかと思う。
扱いやすさと性能を上手く両立したモデルなので、本格的に音楽をやるにしても、動画を作るにしても、違和感なく使える製品ではないかと思う。
製品情報
AG06MK2
AG03MK2
YCM01
AG03MK2 LSPK
AG01