久々にそう思える液晶モニタがある。
まさかのMSI
私からすると、MSIというメーカーはPCパーツのメーカーであって、マザーボードやビデオカードを発売している印象がとても強い。
だが、近年ゲーミングブランドのパーツなど、従来のPCパーツメーカーが独自のブランド戦略でゲーミングPCやそれに関連する製品をいろいろと発売し、気がつけばMSIも液晶モニターを発売するような状況になっていた。
そんなMSIが発売した液晶モニタの中に、私が今ならぜひともコレが欲しい、と思える液晶モニタが存在する。
ちょっと前まではまさかMSIというメーカーからそうした欲しいモニタが登場するとか考えられなかったが、状況はもう過去とは異なる状態になっているのだな、と改めて思った。
Optix MEG381CQR Plus
その欲しいと思ったモニタは「Optix MEG381CQR Plus」という、37.5型のウルトラワイドモニタである。
3,840ドット×1,600ドットという解像度を持ち、RAPID IPSパネルを搭載した事で最大リフレッシュレートは175Hzに到達し、応答速度は1ms、さらに曲率2,300Rというゆるやかなカーブを描くモニタである。
アスペクト比は21:9、10bit入力に対応し、最大表示色は約10億7,300万色に対応、色域はデジタルシネマ向けであるDCI-P3を約96.2%、sRGBだと99.8%をカバー、輝度はピーク時で600cd/平方mとなり、DisplayHDR 600に対応する。
NVIDIAのG-SYNC回路を内蔵し「G-SYNC ULTIMATE」に完全対応、インターフェースとしてもHDMI2.0b x2、DisplayPort1.4a x1の3系統を搭載している。
製品左下に小さな有機ELパネルを搭載しており、そのヨコにあるダイヤルを回すことで、予め設定したモードに簡単に切替えられるという機能も持つ。
また、そうした設定をWindows上からも設定できる統合ユーティリティ「MSI Center」も使え、HDRやG-SYNC ULTIMATEの切り替え、画質プリセット選択、マウスや接続するUSB機器の電源設定、ウィンドウの分割など多岐にわたる項目を変更したりする事ができる。
こういった設定まわりの環境は、最近の高級ディスプレイではよくある内容ではあるが、そこをキッチリ抑えてきている。
唯一の問題
この「Optix MEG381CQR Plus」だが、唯一の問題はその価格にある。
実勢価格(税込)で225,800円ほどと、イマドキの液晶モニタの価格帯とは明らかに異なる価格になる。
高級ゲーミングディスプレイなので、価格がどうしても高くなるのはやむを得ないのだが、このクラスのモニタが10万円前後で購入できるレベルになると、誰しもが手軽にHDR環境を感じられる世の中になると言えるので、業界全体がHDRというより良い画質を求めていきたいのであれば、そういったコスト方面の努力は惜しまずに進めてもらいたいものである。
また、特にDell、LG、Samsung、GIGABYTE、ASUS、RazerなどがMSIと競合する事になると思うが、MSI以外でもこの手のモニタは高価格帯ではあるものの発売されてはいるので、そうしたメーカーとの競争も良い方向に働いてくれる事を望みたい。