Vega系GPUもどんどんと少なくなっていく。
6コア12スレッドのミニPC
MINISFORUMが、Ryzen5 5625Uを搭載したミニPC「UM560」の予約受付を開始した。
ベアボーンキットとメモリ、ストレージ搭載モデルがあり、価格は45,590円からとなっている。
特徴はそのサイズ感で、127×128×47mm(幅×奥行き×高さ)の小型アルミ筐体となっている。付属のVESAマウントブラケットを使用する事で、モニタ裏に設置する事が可能となっている。
ベアボーンキットの他は、8GBメモリ/256GB SSD、16GBメモリ/256GB SSD、16GBメモリ/512GB SSD、32GBメモリ/512GB SSDが選択可能になっており、用途に合わせた構成で購入する事ができる。
I/Oとしては、USB 3.1×3(内1基はType-C)、USB 2.0×2、USB Type-C(65W PD/映像出力対応)、Gigabit Ethernet LAN、Wi-Fi、Bluetooth、HDMI 2.0×2、音声入出力などを搭載する。
性能としては標準的なものを備えているので、普通に使う分には困らない製品と言える。
Vega系GPU
搭載するAPUはRyzen 5000シリーズの「Ryzen5 5625U」なので、内蔵するGPUはまだVega系が搭載されている。
つまり、このAPUではまだFluid Motionが利用可能と言える。最近の動画は30fpsでも滑らかに見えるものが多いが、Fluid Motionは対応可能な動画であれば60fpsに引き上げて再生してくれるので、滑らかな動画視聴が可能になる。
注:Vega系APUでFluid Motionを使用する際には、単純にドライバ側で対応挿せれば良い、という使い方にはならないようだ。
ドライバ側ではそもそも「Fluid Motion」の項目が出てこないとも言われており、Bluesky Frame Rate Converterというソフトウェアで機能を有効にする必要がある。
参考:https://bluesky-soft.com/BlueskyFRC.html
このFluid Motionは、もう主力GPUでは使えない機能であり、今Fluid Motionを扱える最上位のGPUはRadeon VIIだろうと思う。これ以降に発売されたdGPUは全てRDNAへと移行してしまったので、Fluid Motionには対応しない。
また同じくAPUで言えばRyzen 6000シリーズはGPUがRDNA2になるので、こちらもFluid Motionの対応はなくなってしまう。
そういう意味では、Fluid Motionが扱えるPCもRyzen 5000シリーズのAPUが最後になるので、このミニPCはFluid Motion対応機としての意味も持ち合わせると言える。
以前、AMDはユーザーからの要望がある機能についてはそのアップデートも含めて検討していくというような事を言っていたと思うので、もしFluid Motionがユーザーからの反響として大きなものがあれば、RDNA系のコアでも使える様にしていくとは思うが、RDNA2になった今でも更新されていないという状況なので、ユーザー側からの反響はあまりない、という事なのだろう。
Fluid Motion、消える?
私はこのFluid Motionこそ、AMDがNVIDIAと大きな差別化を図れる機能ではないのか、と思えて仕方が無い。
NVIDIAも昔はGPUパワーでいろいろな機能を実装していくような話をしていたが、結局Fluid Motionのような動画のフレーム補完のような機能は出てこなかった。
唯一AMDだけが動画を滑らかにする機能を実装してきて、それは30フレームを60フレームにするだけでなく、24フレームを60フレームにするという機能も含まれており、一定の効果があったと思っている。
だが、ユーザーの反響が少なければ当然その機能の更新は止まり、何れは消えていくものとなる。運が悪いことに、Fluid Motionは今の主流であるRDNA系に引き継がれる前に、更新が止まってしまった機能になる。
ワットパフォーマンスでNVIDIAを越えた、とAMDのGPUの利点を訴求しているところがあるが、それでもハイエンドクラスであれば、まず絶対性能を問われるのがGPUの世界である。
そうした絶対性能でNVIDIAと張り合うのも重要だが、GPUというメニィコアにユーザーが簡単に使える機能を付加させる事で、GPUの価値を高めていく事は、実際のPCの運用問題としてとても重要ではないかと私は思う。
マイニングではないのだから、常にGPUがフルロードしているわけではないので、そうした止まっている間に使える機能というものをユーザーに提供できるという姿勢をAMDには期待したいと思っている。
というわけで、Fluid Motionのアップデートが行われると良いなぁ…と思っているのだが…期待は薄いな、コレ。
正直、このFluid Motionがあるおかげで、私は未だにRadeon VIIを使い続けていると言っても過言ではない。
性能的にはGeForce RTX 2070を越えるぐらいの性能しかないので、今ではミドルハイクラスにもならない性能。PCゲームをベースにPCを構築している者からすれば、物足りないGPUになったと言える。
RDNA2でもFluid Motionが使えれば、こういった迷いはないんだけどなぁ。
MINISFORUM Minisforum UM560
https://store.minisforum.jp/collections/all-product/products/minisforum-venus-series-um560