Project炎神から据置き型ゲーミングPCが登場。
7月14日に発売
NECのPCと聞くと、私は残念ながらWindows機というイメージを持たない。
どちらかというとPC-6000シリーズから始まり、PC-8000シリーズ、PC-8800シリーズ、PC-9800シリーズと、Windows(というよりDOS/V機)が広がる前に、国民機として呼ばれていた頃のパソコンを思い浮かべる。
この頃のNECはまさに日本のパソコンの中核を担っていたと言っても過言ではない。
業務用としてはPC-9801シリーズは盤石の普及率を誇っていたし、ゲームに関してもPC-8801mk2SRは一時代を築き、その後8bit時代が終わりを迎えようとした時も、業務用と捉えられていたPC-9801がその座を取って代わり、気がつけばPC-9801VM2以降のパソコンはゲーム業界でもトップシェアを誇っていた。
私はPC-8801mk2SRも所有していたし、PC-9801シリーズに関しては互換機のエプソン機PC-386シリーズを所有していたので、このNEC全盛期の頃の事をよく知っているが、NECはWindowsが登場するまでは正に無敵と呼べる市場独占メーカーだったと言える。
残念な事に、DOS/Vという日本語を扱う部分をソフトウェアで補ったOSが登場した事で、所謂現在のPCの原型が市場に出回り始めてからは、OSがDOS/VからWindowsへと切り替わった事でさらに加速して日本市場に広がった。NECのPC-9801シリーズもWindowsを搭載できるタイプが発売されたが、価格的にDOS/V機は断然安く、NECの勢いは完全に止まってしまった感があった。
そのNECがProject炎神としてゲーミングPCを7発売するという。
折しもPC-98シリーズの40周年に当たる時期である。
スペックはミドルハイ?
NECが投入するゲーミングPCは、デスクトップPCという事もあって、安定した性能を発揮できる筐体で用意される。
仕様面では、Intel第12世代Coreをペースにし、店頭モデルの上位にはCPUはCore i7-12700F、GPUにはGeForce RTX 3060を搭載したモデルを用意、下位ではCPUにCore i5-12400F、GPUにRadeon RX 6400を搭載したモデルを投入する。
筐体はエアフローを重視した設計になっているので、長時間稼働させても熱暴走という事はない。
これで上位モデルは302,280円前後、下位モデルは219,780円前後を想定しているというので、価格的に安いというわけではないが、NECでは24時間365日電話問い合わせが可能な「LAVIEゲーミングサポート」を立上げ、PCには1年間利用権を付属させるという。
これによってPCの事はよく分からない、といった人のサポートにも万全を期するという。
正直、上位モデルはもっと高性能なスペックを投入してくるかとも思ったが、そうでもない構成である。
ターゲット層はZ世代としているとの事で、高額PCを購入して失敗したくない人に向けた製品だという。
なお、直販ではもっとカスタマイズできるメニューが用意されているようだが、基本的なCPUやGPUの変更には対応していないようである。
他にも特典が
なお、今回NECが発表した「LAVIE GX」シリーズを購入すると、Microsoftのサブスクリプションである「Xbox Game Pass Ultimate」の3ヶ月無料利用権が付属し、さらに10月末までに購入すると、PC-9801用など約1,000タイトルのレトロゲームが揃っている「プロジェクトEGG」で使える3,000円相当のポイントがプレゼントされる。
さらに8月28日まで先着購入者500名には、カプコンの「モンスターハンターライズ デラックスキット」のゲーム本編がプレゼントされるという。
これらは、今回の「LAVIE GX」発売に向けて、NECだけでなく連携するメーカーがある事で実現している。
最近はレトロゲームを楽しむ一定の層が存在し、2Dのドット絵ゲームが楽しまれたりしている事もあり、そういった昔に回帰するようなユーザーの取り込みを視野に入れているところがある。
ハードウェアが一定の性能を有した時点で、コンテンツがどこかのタイミングで飽和する事はわかっていた事だが、ゲームはどうしてもプラットフォームの問題がついて回る。
このプラットフォームの垣根を越えるには、移植するかエミュレーションするかのどちらかになるわけだが、PCの場合はどちらも環境が整ってきたという事でもある。
NECが再びゲームという世界で一定の存在感を示す事ができるかどうか、個人的には興味のあるところだが…まぁ価格が高い壁となる可能性があるように思える。
とりあえず、安心してPCゲームを購入したい、という人には失敗はしない選択肢といえるので、検討してみてはどうだろうか?
NEC LAVIE GX 製品情報
https://www.nec-lavie.jp/products/desktop/lavie/gx/