AMDがついにノートPCコアに攻勢を掛けるのか?
ハイブリッドアーキテクチャ
ついにAMDもIntelと同じようにパフォーマンスコアと高効率コアに分けたCPUを提供するようになるようだ。
最初に原稿のZen4コアにRDNA3を組み合わせたPhoenix APU、Ryzen7040シリーズを4月に投入スル予定らしいが、これよりもさらに省電力向けのAPUとなるPhoenix2を開発中だという情報が流れ始めた。
このPhoenix2 APUは、所謂ハイブリッドアーキテクチャのコアで、その説明がAMDのプログラミングガイドで記載されている事が発見された。
#AMD in the Phoenix1 Processor Programming Reference (PPR) uses the same phraseology for the big and little cores as #Intel https://t.co/4gWXpC8Bkg https://t.co/2RbTR2DRWV pic.twitter.com/8JmBB0RIzt
— InstLatX64 (@InstLatX64) March 24, 2023
これによると、2種類の汎用コアが搭載され、高性能コアの事をパフォーマンスコア(Performance Core)、高効率コアの事をエフェシェンシーコア(Efficiency Core)と呼ぶようだ。
さらに、Phoenix2 APUでは高性能コアと高効率コアでは異なる機能セットがあるようで、ソフトウェア作成時にはこれらを考慮してプログラム設計する必要があるようだ。最適化されたプログラムでないと、ポテンシャルが発揮できない可能性が見えるだけに、なぜこのような仕組みにしたのかは謎だが、このように機能セットを明確にする事で、プログラム側から使用するコアを指定する事で、Intel Thread Directorのような仕組みが不要になる、という事を想定しているのかもしれない。
過去にも2P+4Eという噂
AMDのハイブリッドアーキテクチャに関しては、ちょっと前にもPhoenix2として2P+4E構成のapuが登場するという話があり、高性能コアにはZen4、高効率コアには動作クロックとキャッシュ容量を減らしたZen4cというコアを搭載する、という話があった。
またPhoenix2 APUの次に登場するとされるZen5世代では、高性能コアにZen5、高効率コアにZen4を搭載するという話もあり、今後AMDもハイブリッドアーキテクチャが進んで行くという話が出ていた。
実際のところは今後にならないと判らないが、これらの話から一つ、Intelと明らかに異なるところがある事に気がつく。
それは高効率コアもZen4系が搭載されるとなると、物理コアと論理コアで2コアの利用が可能なのではないか? という事である。
つまり高性能コアが4コア、高効率コアが8コア搭載されたとすると、合計で24スレッド動作が可能なのではないか? という事である。
これについては私がそう感じただけの話であり、実際の所は全くもって判らないが、少なくともZen4cという動作クロックとキャッシュ容量を減らしただけのコアを高効率コアに利用するというのなら、物理コアと論理コアの構成は取れそうな感じがする。
実際どうなるのか、とても気になるところである。
PhoenixはノートPC用という事だが…
さて、このPhoenixと呼ばれるハイブリッドコアは、そもそもがノートPC用コアとして設計されている。
ではデスクトップCPUは今後ハイブリッドコアへとシフトしていくのだろうか?
Intelは言うまでもなくデスクトップコアやノートPCコアなど関係なく、全てのコアで同じようにハイブリッドコアへとシフトした。
これには理由があって、Intelのデスクトップ向けのCPUは、その微細化が多少AMDよりも遅れている事があって、消費電力的に不利な点がある事から、少しでも省電力化してAMDの後塵を拝する事がないようにしたいという思惑があった。
しかし、AMDはRyzen 7000シリーズでバカみたいに電力を喰うセッティングでデスクトップCPUを展開したが、そのコアの素性そのものは非常に省電力のコアであった。製造プロセスもApple Siliconほどではないにしても、微細化の進んだものであるため、時代遅れという事もない。
ただ、Intelコアと性能で張り合おうとすれば、当然それなりの消費電力と発熱になるため、AMDだからといってハイブリッドコアに進まないという選択肢は違うだろう。
おそらく次のZen5が登場する頃から、デスクトップ向けでハイブリッドコアへとシフトしてくるのではないかと予想される。
その時、前述した高効率コアでも物理コアと論理コアに分けて使えるようならば、Intelよりも高い水準でマルチコアかが進むのではないかと予想される。
実際はどうなるのかは判らないが、私としては夢のある話である。
時代はまた、混沌としてくる曲面を迎えるのかもしれないが、これこそが競争原理である。
互いが切磋琢磨してより良い製品が生まれる事に期待したい。