Phoenix APU

AMDがついにノートPCコアに攻勢を掛けるのか?

ハイブリッドアーキテクチャ

ついにAMDもIntelと同じようにパフォーマンスコアと高効率コアに分けたCPUを提供するようになるようだ。
最初に原稿のZen4コアにRDNA3を組み合わせたPhoenix APU、Ryzen7040シリーズを4月に投入スル予定らしいが、これよりもさらに省電力向けのAPUとなるPhoenix2を開発中だという情報が流れ始めた。
いよいよAMDもハイブリッドコアへとシフトこのPhoenix2 APUは、所謂ハイブリッドアーキテクチャのコアで、その説明がAMDのプログラミングガイドで記載されている事が発見された。


これによると、2種類の汎用コアが搭載され、高性能コアの事をパフォーマンスコア(Performance Core)、高効率コアの事をエフェシェンシーコア(Efficiency Core)と呼ぶようだ。
さらに、Phoenix2 APUでは高性能コアと高効率コアでは異なる機能セットがあるようで、ソフトウェア作成時にはこれらを考慮してプログラム設計する必要があるようだ。最適化されたプログラムでないと、ポテンシャルが発揮できない可能性が見えるだけに、なぜこのような仕組みにしたのかは謎だが、このように機能セットを明確にする事で、プログラム側から使用するコアを指定する事で、Intel Thread Directorのような仕組みが不要になる、という事を想定しているのかもしれない。

過去にも2P+4Eという噂

AMDのハイブリッドアーキテクチャに関しては、ちょっと前にもPhoenix2として2P+4E構成のapuが登場するという話があり、高性能コアにはZen4、高効率コアには動作クロックとキャッシュ容量を減らしたZen4cというコアを搭載する、という話があった。
またPhoenix2 APUの次に登場するとされるZen5世代では、高性能コアにZen5、高効率コアにZen4を搭載するという話もあり、今後AMDもハイブリッドアーキテクチャが進んで行くという話が出ていた。
実際のところは今後にならないと判らないが、これらの話から一つ、Intelと明らかに異なるところがある事に気がつく。
それは高効率コアもZen4系が搭載されるとなると、物理コアと論理コアで2コアの利用が可能なのではないか? という事である。
つまり高性能コアが4コア、高効率コアが8コア搭載されたとすると、合計で24スレッド動作が可能なのではないか? という事である。
これについては私がそう感じただけの話であり、実際の所は全くもって判らないが、少なくともZen4cという動作クロックとキャッシュ容量を減らしただけのコアを高効率コアに利用するというのなら、物理コアと論理コアの構成は取れそうな感じがする。
実際どうなるのか、とても気になるところである。

PhoenixはノートPC用という事だが…

さて、このPhoenixと呼ばれるハイブリッドコアは、そもそもがノートPC用コアとして設計されている。
ではデスクトップCPUは今後ハイブリッドコアへとシフトしていくのだろうか?
Intelは言うまでもなくデスクトップコアやノートPCコアなど関係なく、全てのコアで同じようにハイブリッドコアへとシフトした。
これには理由があって、Intelのデスクトップ向けのCPUは、その微細化が多少AMDよりも遅れている事があって、消費電力的に不利な点がある事から、少しでも省電力化してAMDの後塵を拝する事がないようにしたいという思惑があった。
しかし、AMDはRyzen 7000シリーズでバカみたいに電力を喰うセッティングでデスクトップCPUを展開したが、そのコアの素性そのものは非常に省電力のコアであった。製造プロセスもApple Siliconほどではないにしても、微細化の進んだものであるため、時代遅れという事もない。
ただ、Intelコアと性能で張り合おうとすれば、当然それなりの消費電力と発熱になるため、AMDだからといってハイブリッドコアに進まないという選択肢は違うだろう。
おそらく次のZen5が登場する頃から、デスクトップ向けでハイブリッドコアへとシフトしてくるのではないかと予想される。
その時、前述した高効率コアでも物理コアと論理コアに分けて使えるようならば、Intelよりも高い水準でマルチコアかが進むのではないかと予想される。
実際はどうなるのかは判らないが、私としては夢のある話である。
時代はまた、混沌としてくる曲面を迎えるのかもしれないが、これこそが競争原理である。
互いが切磋琢磨してより良い製品が生まれる事に期待したい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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