シリコンダイで2nmプロセスが可能な時代になったのか…。
Zen6の噂
AMDの技術者が、LinkdInというネットワークサービスでZen6のコードネームとプロセスノードを明らかにしたらしい。
それによると、コードネームは“Morpheus”で、プロセスノードは2nmになるという。
Zen5のコードネームは“Nirvana”で2024年に市場投入が予想されているので、Zen6はそれよりも後の話にはなるが、シリコンダイで2nmプロセスが可能になったという事自体、技術革新とは凄いものだと思わざるを得ない。
2014年頃、シリコンでは7nm以下は不可能だと言われていたと思う。たしか、Tech系サイトの記事で読んだことがあるのを記憶しているのだが、シリコンダイでその微細化限界は7nm~5nm程度と言われていて、その素材をカーボンナノチューブに移行する研究を進めているという話があった。
しかし、前述したように今のところシリコンダイで2nmというプロセスノードを実現しようとしているところを見ると、技術でこの限界を突破した、と言えるようだ。
ただ、先日亡くなったIntelのゴードン・ムーア氏が提唱した「ムーアの法則」がそのまま進むと考えれば、何れシリコンダイではプロセスノードを維持できなくなる事は明白で、その素材もシリコンであり続ける事は難しいと言える。
そもそも、ホットスポットの熱でシリコンが溶ける可能性も1ある。微細化が進むという事は、より小さなところに電力が集まり、それによって高温となる熱が集中する事になる。
その熱を冷やす為にヒートシンクなクーラーが取り付けられるわけだが、熱は発生源から冷却デバイスまで熱伝導で伝わっていくので、伝わっていくまでにシリコンが熱によって溶けてしまう可能性がある。なので、そろそろ物理限界が訪れても不思議ではないと私は思っている。
Zen5は2024年リリースに向けて順調
Zen6の噂が出ている中で、もっと現実的な話をするとなると、その前にZen5を見ていく必要がある。
Zen5は、プロセスノードとして4nm/3nmが予定されており、こちらはもう現実的なレベルで問題がない事はある程度見えているが、TSMCでも3nmはとても技術的な難しいところがある事が言われていて、開発が難航している事が今年の2月ごろに言われていた。
歩留りも悪いようだが、TSMCそのものは順調だと行っているようで、その真意が定かではない。もっと言えば、結局は難航している事から、生産に制限が設けられる可能性もありそうで、最終的な着地地点がZen5であってもまだ見えていないのが実情である。
Zen4を持て余す
今年の年始に導入した新メインPCは、Ryzen7000シリーズだったわけだが、そのアーキテクチャであるZen4でも、正直私は持て余していると思っている。
ほとんどの人が同じではないかと思うが、正直もう性能という面で考えると、物足りないと考えている人はあまりいないのではないかと思う。
ただ、快適に利用出来る事。それだけが全てであり、Zen4だから何なのか、というのが一般人の感覚である。
それに…私の生活が以前ほど自由でなくなっている事も、PCの性能を求めない結果になってしまっている事の理由の一つである。
ただ…新メインPCに切替えてから、よくストレージへのアクセス時にストレージが休眠しているのか、動きが鈍い事が多々あるのが気になる。
おそらくCPUの問題ではなく、チップセットの問題なのか、マザーボードの問題なのかはわからいなが、省電力設定で設定した覚えはないのだが、どうもレスポンスが悪い。
コレってZenシリーズの問題なのか?
何はともあれ、AMDもIntelの今後どんどんとプロセスノードは進んで行くだろうが、それにともなって歩留りやホットスポットの熱処理問題はより深刻化していく事になる。
高性能化を進めていく上では仕方のない事なのかもしれないが、プロセスノードの壁はもう間近まで来ている話なので、業界がとのような動きを見せるのか、とても気になる話である。